「入れ替わりの人生」偽りの人生 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
入れ替わりの人生
医師アグスティンは裕福な生活を送りながらも、妻とは険悪で空虚な気持ちを抱えていた。ある日、疎遠だった兄ペドロと再会、末期癌の自分を殺すよう頼まれ、その通りにする。人生を再出発させる為、兄になりすました事から…。
ヴィゴ・モーテンセン主演の欧州サスペンス。
一人二役…と言っても兄は序盤で死ぬので、その演じ分けが見もの。
古今東西こういう題材の場合、主人公はろくな目に遭わない。
コメディだったらとんだ災難に巻き込まれ、シリアスドラマやサスペンスだったら転落・破滅の人生へまっしぐら。
そもそも、何故あんな柄の悪そうな兄になりすまそうとしたのか、主人公の動機にピンと来ない。
お陰で、兄が関わっていた闇仕事の世界に足を踏み入れ…。
なので、最初からいまいち入り込めず、ずっと傍観者のまま。
多分これは、不満を思いつつも今の人生に甘んじている単なる楽観者の感じ方に過ぎないのかもしれないが。
もっとサスペンスにも出来たろうし、もっと重厚なドラマにも出来たろうし、今一つ題材の旨みを活かせないどっち付かず。
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