「本気のオタクは怖い&哀しい。でも、楽しい。」ROOM237 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
本気のオタクは怖い&哀しい。でも、楽しい。
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映画『シャイニング』のマニアたちが、自分の作品解釈を延々と語るドキュメンタリー。
「それ、絶対考えすぎだから!」的な珍説が一杯出てくる。だが、語っている当人達はもの凄く真剣、自分の人生を賭けているといっても過言ではない。その只ならぬ迫力に時には笑い、時には怯え、時には心配し、時には身につまされる。(彼らほど深く突き詰めないけど、私も浅い所でぱーぱーと私見を語ったりするもんね。恥ずかしい。ほんと恥ずかしい。)
マニアたちの真摯さは、「アホらし」の一言で済ませれない悲壮感すら漂わせている。見えない敵と闘っている感じ。その様自体が既に『シャイニング』の主人公と重なるんだが…。
公開から30年以上経って尚熱く語りつがれ、それがドキュメンタリーになるって事自体が、キューブリック監督の凄さなのだろう。他の監督だったら単なるミスで済まされる変な部分も、あの完璧主義者のキューブリックがミスする訳ない、そこには何かきっと意味があるはずと、マニアたちは何十年も考え続けている。ただ見るだけではなく映像をコマ送りしたり逆再生したりあらゆる工夫をし、味わいしゃぶり尽くす。一粒で2度美味しいどころか、映画何十本分もの楽しさを『シャイニング』一本から享受しているんだろうなあと思う。
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追記:「ホテルの間取りが実はありえない事になっている」説は、なんか怖くて面白いなあと思った。
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