劇場公開日 2013年11月15日

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「この親にしてこの子あり」マラヴィータ マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5この親にしてこの子あり

2013年11月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

殺し屋がとある一家を襲うオープニングは、音楽といい色調といい、往年のフランスのギャング映画を観ているようだ。

大物俳優トミー・リー・ジョーンズも出演しているが、はっきり言って、この作品では脇役。完全に家族四人だけの物語だ。しかも、娘と息子が主導権を握っていると言っていい。
元マフィアながら、どこか人のいい父親にロバート・デ・ニーロがぴったり。少々ヒステリック気味の母親にミシェル・ファイファー。彼女の何をしでかすか分からない雰囲気がいい。この二人が町に馴染もうとすればするほど滑稽で、一般ピープルの鼻持ちならない態度に堪忍袋の緒が切れたとき、そのキレぶりがめちゃくちゃ可笑しい。二人とも楽しんで演じているのが伝わってくる。

それでもやっぱり真の主役は子供たちだ。
鼻っ柱の強さと切ない乙女心を併せ持つ娘のグリー。なかなかキュートだが怒らせるとコワイ。
要領よく校内を仕切っていく息子のウォレンは、早くも大物気取りでハツラツとした可愛さがある。
二人とも、この親にしてこの子ありといった風情だ。

最後のドンパチは、あまり現実的な辻褄合わせをしていないので、気を入れずに愉しんだ方がいい。
2時間弱、ホットなファミリーによる放浪記の一幕を楽しんだ。

マスター@だんだん