「食材は超豪華だったが、味は普通だった」マラヴィータ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
食材は超豪華だったが、味は普通だった
製作総指揮にマーティン・スコセッシ、主演にロバート・デ・ニーロ、共演にトミー・リー・ジョーンズ&ミシェル・ファイファー、しかしメガホンを取ったのがリュック・ベッソン、さあこのコラボ、一体どっちに出るのか、期待半分不安半分で見たら、意外と普通でしたね・・・。
ところどころスコセッシ色が出たり、ベッソン色が出たりしてニヤリとしたシーンはありましたが、中途半端だった印象は否めずで。
それなりには面白かったんですけど、この食材でそれなりでは何か勿体無いような。
ただ、アメリカの大物マフィア一家がFBIの証人保護プログラムを受けてフランス・ノルマンディー地方の田舎町に移住してくるストーリー設定は、ベタながら面白く、家族紹介も兼ねた前半部分は、結構面白おかしく見れました。
正体がバレない様に地元に溶け込もうとすればするほど、やることなすこと裏目に出て、大騒動になる様子は分かっていても笑えました!
それとノルマンディー地方ってアレぐらいしか想像できない地域だなぁと漠然と考えていたら、そんなネタも出てきてニヤリ。
しかし、前半部分の笑い、伏線を、後半いまいち回収できていなかったのはいかがなものか。
いい人そうに見えて頭に血が上ると、とんでもないことをしでかすデ・ニーロ&ファイファー夫婦、そして親も親なら子も子で、可愛い風貌とは裏腹にナンパ男子をボコボコにしてしまう娘といじめられっ子のようで実は学校を裏で牛耳っている息子、この様子を見せられていただけに、クライマックスは一見派手なようだけど何か物足りないんですよねぇ。
特に女子側のファイファー&ダイアナ・アグロンは、結局前半の強さは何だったのか?分かってないなぁ、ベッソンさん・・・。
とりあえず、スコセッシ絡みだけあってマフィア映画愛を感じさせるオマージュはたっぷり。
特に、楽しそうにあの映画を語るデ・ニーロは見ていて微笑ましかった。
それと、マフィア一家を疎ましく思いつつも優しく見守るFBIトミー・リー・ジョーンズの構図は、妙にほのぼのにしていて良かったですね。
とは言え、このネームバリューを考えればもう一声欲しかったかな・・・。