「迷匠…いやいや、名匠デ・パルマ!」パッション 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
迷匠…いやいや、名匠デ・パルマ!
「アンタッチャブル」「ミッション:インポッシブル」など大ヒット作を手掛けているのに、ほぼ同期のスピルバーグ、ルーカス、スコセッシらより評価が低いブライアン・デ・パルマ。
ヒッチコックの後継者としてサスペンスで手腕を奮い、映像テクニックなど名匠の名に恥じないが、時々困った癖が。
それがつまり、“変態嗜好”。
その最たるが「ボディ・ダブル」だが、本作もなかなか。
憧れの上司に裏切られ、殺意を抱く部下。
昼メロのような女二人の愛憎劇と言うのは容易い。
女の嫌らしいねちっこさや何処か漂う官能的な同性愛の匂い、女優たちのケバケバメイク、SMグッズに“ケツカメラ”…何だか熱にうなされてるようなデ・パルマ変態ワールド。
野心家の上司にレイチェル・マクアダムス。
その部下にノオミ・ラパス。
最初はキャスティング逆じゃないかと思ったが、美貌が嫌味にすら見えてくるマクアダムスと地味なラパス、しっくりくる。
もう一人の女、ラパスの助手のカロリーネ・ヘルフルトも印象に残る。
一歩引いて見ると陳腐な下世話ネタだけど、ねっとり浸かる。
「ボディ・ダブル」のレビューでも確か書いたが、デ・パルマのこういう作品、嫌いじゃない。
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