ビザンチウムのレビュー・感想・評価
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観る人限られます、違う意味で。
たまたまオレの行った時がそうなだけだったのか、どうなのか知らないが、
その回は「おっさん」の集まりだったことは見て取れた。
まあ、世間的にもこの映画は普通に、ニール・ジョーダン、ではなく、シアーシャ・ローナン、ということだ。
PJの「ラブリー・ボーン」は世間的には「アウト」だが、おっさんには「大傑作」な映画で、ジョー・ライトの「ハンナ」は世間的には「無いモノ」だが、おっさんには「ペンライトを振り回して追っかける」映画だったってことだ。
まあ、一部の人は俺のように「狼の血族」をローナンでリメイクしたようなものか、と半分期待、半分テキトーに見に来た人もいるんだろうが、加齢臭は抑えていったほうがよいのは忠告しておく。
で、本作。
ものすごい素晴らしいレビューが下にあるので、オレはゲス担当、ということで。
まあ、少女からオトナへ、の映画にはまるで興味がないので、まったく理解できなかったのだが、別にヴァンパイアでなくても、話は進むのである。
またローナン演じる女の子がけなげで、私は人に話せない秘密があるの、ってまあ、頑張って生きているのだが、そんなもん、みんな一緒。
おっさんが少女に投影しようとするものが、まあ、気持ち悪いのである。
もっというと、白血病の青年、という設定も、まあ、気持ち悪い。
世界の名だたる映画監督、ローナンみんな好きなんだな。
というか、ローナンで撮ると、なんか全部「こんな感じ」になるのか。
ニール・ジョーダンが、今も名だたる、かどうかはまったく別の話だが。
追記
「狼の血族」がインパクトあったのは、俺が当時、中学生だっただけなのを今思い返すと、そういうことだ。
ゴシック・ホラーと言うがロマンが見当たらない。
あの演出家が同じ過ちを繰り返すのか?さて、あと、1時間半♥
ストーリーはどうでもいいが、ゴシック・ホラーで、それを元に作ったかなり特殊な話。否カソリックをギリギリ描いているのは良いのだろうが、実存主義まで否定しまって、話がアナクロ過ぎる。
なんのためにこんな映画作るのか理解出来ない。200年経っても人格が変わらない。実存主義の西洋と信じていたが。ロマンが無い。
僕は後期ゴシック・ホラーになるかもしれないエドガー・アラン・ポーやコナン・ドイルは好きだが。
あの岩穴はスター・ウォーズに登場したと思うが。つながりはあるのか。
やっと終わった。この演出家の話はもう絶対に見ない。
『娼婦』を昔の今はなきゴシック・ホラーとして描いているが『ビースト』や『ヴァンパイア)の如く今でも大手をふって存在している事を、エレベーターから滑落するような空気の読めないオタクは理解しよう。妄想を抱いては駄目。女性は君みたいなオタクを好む程、ヤワではない。
やはり、ゴシック・ホラーを楽しむなら萩尾望都先生の『ポーの一族』を読むべきだ。彼女の作品は出鱈目であってもロマンが満載。
言わずもがな。僕はシアーシャ・ローナンのファンである。しかし、ロリー●●ンプレックスでもペド●●アでも無い。
彼女が出演する映画で良し悪しが判断できる基準が僕にはある。ソバカスが見える映画は良い映画で見えない映画はあまり好ましくない映画。勿論、僕の基準。
この映画は見えなかった。
爪が怖い
吸血鬼の映画でしたが序盤から中盤はファンタジーらしさが感じられず、私好みではないかなと思ってました。
現代社会に溶け込ませる描き方になっていて、実際、この親子は吸血鬼であるものの起きている事は猟奇的な殺人でも片がつく話で、サスペンスに近い印象を受けました。
後半からエレノアが書いた自伝を通して吸血鬼らしい物語が展開されたので、この辺から少し面白くなってきましたね。
ラストの母の愛は少し感動的ではありましたが同じ吸血鬼映画なら「ぼくのエリ200歳の少女」や、そのリメイクになりますが「モールス」の方が好きだったかな。
リアルな吸血鬼
吸血鬼の設定がとても現実的で面白い。牙などはえず、見かけの超常的なのは親指の爪が尖って伸びるだけで、傷をつけて飲む。主人公の女の子は死にかけの老人からしか血を吸わない。白血病患者とか、健康的じゃない人の血ばかりでおいしいのだろうか。
200年も生きている人の精神とはどのようなものなのか、とても気になったのだが、一般人とそれほど離れている感じでもなかった。実際、老人でも精神が成長してない人もいるくらいなので、それはそれほど違いがないのかもしれない。
素晴らしい傑作で、映画館で見なかったの事が悔やまれる。
いい意味で吸血鬼にして吸血鬼にあらず
◼︎観た人にしかわからん感想を書きます。
観賞前の参考にはならないかもしれません。
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近ごろはテレビドラマやドラマCDでも吸血鬼が登場したりするご時世です。
ミーハーな女子向けなつくりのものが増えてきて、安っぽいなぁーと思う今日この頃。
(…と言いつつ気にはなるんですが。)
『ビザンチウム』。
冒頭に書いた懸念からあんまり期待していなかったものの、よかった。
主人公エレノアとクレアが見終わってみると、ともに恐ろしく吸血鬼っぽくないのが気に入ったのかもしれない。
(吸血鬼モノに娯楽性や耽美的なものを求めている人にはつまらないと思うけど。)
出てくる吸血鬼は主要人物ほぼ元人間だし(同盟の方は分からないけど多分元は人間…)
吸血鬼になった理由も、人間だったころに〝死を覚悟したから〟だし、
吸血鬼になっても、人間だったころの生い立ちや、考え方は変わらない。
200年も経っていても、変わらない。
(クレアが同盟の方から「学ばないな」と言われていたけど。)
吸血鬼になっても、人間だったころの自分は切っても切り離せない。
どうやって吸血鬼になるのか、とか、秘島への行き方とか、賢者の正体とか、タイトルの意味とか、同盟の掟とか、いろんな疑問はたっぷり残ったままなので消化不良な気はするけど、
人間らしい吸血鬼だからこそ、より吸血鬼の哀しみが映えるのだろうな、と。
フランクの存在感がやや弱めですが、一応ハッピーエンドだと思うので、ホッとできる最後でよかった。
…親子愛だよね。
宿の名前かと思ってたら…
宿の名前かと思ってたら、剣の産地の名前だったとは!
バンパイアなのに剣で死んじゃうのか~♪
『インタビュー』ほどのポップな美しさはなかったように思ったのですけど、シアーシャ・ローナンちゃん演じる 慈悲深い(^^! ヴァンパイアが可愛くて悲しくてなかなか良かったです。
おなじヴァンパイアの母親との性格の対比、反発ながらも母子愛強し、という部分がよく描かれていましたが、ラストのどんでん、私にはなんでこうなるのか今一つ意味不明でした。
ほとばしる愛の物語
『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』よりも美しく
『ブレイド2』よりも強く
『ノスフェラトゥ』よりも危険な
ヴァンパイア映画の傑作である!
そんな強気な煽りも言いたくなるほど面白かった!!!!!
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ニール・ジョーダン監督、ほんっとに喰えないジジイである。
『クライングゲーム』『ことの終わり』では
えぇっていうオチにびっくりさせられたけど、今回もそれに近い。
ケレンミたっぷりのゴシック調、思い切りよすぎのバイオレントが
目眩ましとなって終盤まで展開が読めない。
少女版『ブッチャー・ボーイ』ってことなのか…と自分的には納得しかけたところで
ラストシーンでハタと気付かされる。違うじゃん、全然違うじゃん、これって
ほとばしる3つの愛の物語だ、と。
1つ目の愛は
200年も孤独に耐えてきたヴァンパイア、永遠の16歳エレノアと
難病で余命わずかな青年フランクとの愛。
愛とはその人の総て受け入れる事、フランクはエレノアの特殊すぎる物語を受け入れる事が出来るのか?
二人の初恋であり終生最後の恋でもあるその結末にシビれる。
2つ目の愛は
エレノアと母クレアの親子愛。
クレアの孤独な魂を照らしていたのはエレノアの存在で
クレアからエレノアをとったら何も残らない。
それでも母クレアが下す最後の決断にグっとくる。
そして3つ目の愛。
「貝は腐っても真珠は残る」何だろうこの暗喩。
この秘められた愛が話の結末を大きく変える。
性と暴力に彩られ、ビザールな映像の下に隠された
「孤独な魂を照らすもの、それは愛」…というド直球なテーマに痺れたんである。
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ニール・ジョーダンのファンとしては
監督特有のビザールな映像に悶絶しっぱなしで、もうそれだけで充分幸せで、
下記はわざわざ書かなくても良い野暮な事なんだが、ジョーダン濃度が高いなあと思った点を追記しておきたい。
<赤ずきん>
エレノアが赤いフードを被っているシーンがあり、これってもろ「赤ずきんちゃん」。
ジョーダン監督の『狼の血族』も赤ずきんをモチーフとしており、少女が大人になるまでを象徴的に描いている。
本作の赤いフードや最後の血の滝も、少女が大人になるまでの暗喩だろうか。
本作をヴァンパイア物としてではなく赤ずきん物語として見ても面白いと思う。
エレノア役のシアーシャは、世界で一番「ザ・少女」な女優だった訳だが、本作で大人への道程を演じ「脱・少女」できたのではないだろうか。
<アイルランド>
ジョーダン監督といえばアイルランドな訳であるが…
本作もアイルランドの詩人イェイツの「ビザンチウムへの船出」が下敷きとなっている。
詩の全文を読んでいただければわかるのだが、ある意味、ものすごく詩に忠実に作ってある。
「刹那的な官能を謳歌する若者中心のこの世界で、私に真の魂の歌を教えてほしい」
って、そのまんまである。
刹那的な世界からの船出は、老いと死を意味しているのだろうか。
死を永遠に書き換えるのは、イェイツにとっては芸術であり、ジョーダンにとっては愛だったという事なのか。
エレノアが老人の血ばかり吸うのは、「ビザンチウムへの船出」的でもあり、「赤ずきん」(おばあちゃんは狼に食べられてしまう)的でもあった。
<ブッチャー・ボーイ>
ジョーダン監督の『ブッチャー・ボーイ』が大・大・大傑作だと思う私にとって、『ブッチャー・ボーイ』の女の子版とも思える箇所が本作には散りばめられていて唸ったのであった。
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他にも色々あると思うが斯様にジョーダン濃度が高めな本作、
ビザールな映像を一皮剥けば、芯には実直な愛の物語があり、
是非とも多くの人に観てもらいたいと思うのだが、
芯にたどり着く前に、立ちこめるジョーダン臭にダウンする人もいるだろうとも懸念する。
そんな時は、他のジョーダン作品なぞを観て、身体を馴らしていっていただけたら幸いである。
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