「今もリアルなロシアの紛争」オーガストウォーズ arakazuさんの映画レビュー(感想・評価)
今もリアルなロシアの紛争
クリックして本文を読む
スパイキッズやアイアンマンやトランスフォーマーやパシフィック・リムを彷彿させる冒頭のシーン(ちょっと安っぽい)で、「あれっ?これはとんでも映画かな?」と嫌な空気が漂ったのだが、このロボットや闇の帝王は少年チョーマの想像の産物。いわば、想像のお友達。
チョーマの若い母親(シングルマザー)クセーニアは、恋人からソチでのバカンスに誘われていたこともあり、別れた夫で平和維持軍の兵士である元夫にチョーマを預ける。
しかし、折しも、夫とその家族が暮らす南オセチアとグルジアの国境の村にグルジア軍が迫っていた。チョーマの身を案じるクセーニアは息子を迎えにいくが…。
ポスターのビジュアルや冒頭のシーンからもハリウッドっぽいアクションムービーかと思いきや、2008年(北京オリンピックの年)に勃発した南オセチア紛争をテーマにしたリアルなストーリー。
ロボットやら何やらあくまでもチョーマの想像の産物で、果たしてこれをメインのビジュアルに持って来るのが正しかったのかどうか。
チョーマの幼さを考えれば、彼が隠れていただけなのは当然だが、彼の心を奮い立たせるものとしてロボットの登場があるなら、チョーマにもっと動きがあってもよかったんじゃないか?
一方、クセーニアに目を移せば、このストーリーを、まだ幼い若い母親が戦争という究極の危険に遭遇し逞しい子供を守る母親として成長する一種の成長譚と感がられないこともない。
全体的に、まだ記憶に新しい南オセチア紛争を背景とするストーリーにハリウッド風の味付けはどうにも違和感が残った。
コメントする