劇場公開日 2014年4月12日

「3作目にして行き詰まり感も……」クローズEXPLODE CRAFT BOXさんの映画レビュー(感想・評価)

2.53作目にして行き詰まり感も……

2014年11月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

三池崇史が監督した前2作「ZERO」版に続き、監督が豊田利晃に代り、登場人物たちも「ZERO」世代が卒業して、次の学年に代替わりをする。「頂上=てっぺん」を目指す不良たちのドラマから、頂上を目指さない主人公の物語へ。原作の世界観を借りて、オリジナルストーリーで映画化した本シリーズは、この手法でいけば定期的に世代交代を続けられるという意味では、なかなか面白い試み。
ただし、今後の展開には課題もあるし、何より本作の出来は「ZERO」版よりも今ひとつ。

三池崇史が不良たちの喧嘩アクションシーンに最大限の力を注いでいたのに対し、本作は、登場人物のキャラクター造形を深めていく事を試みている。たしかに、ドラマとしては面白くなった。が、「ZERO」がアクションを中心にしたからこそ痛快な青春ムービーに仕上がっていたのに対して、本作が中途半端にキャラクターを深めたところで、所詮は不良ドラマのわずかな成長物語でしかなく、結局、喧嘩シーンがクライマックスになる不良ドラマから脱却しない限り、人間ドラマとして描くのは難しい。
もちろん、登場人物のキャラクター造形を、主人公(もしくはプラス1人程度)にして、他はモブ扱いにすればそれも成立する訳だが、そうすると「クローズ」シリーズに欠かせない、注目の若手俳優たちを大量に動員して光らせるというパターンが使えなくなる。だからって、いつまでも三池崇史がやったようなアクションシーンだけでは飽きてしまうので、この辺は痛し痒しというところ。

次回以降があるならば、その辺をどう展開するのか興味深い。

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