「下品なる、「しゅらら」「ぼん」」偉大なる、しゅららぼん 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
下品なる、「しゅらら」「ぼん」
「鴨川ホルモー」「プリンセストヨトミ」など独特の世界観で人気の万城目学の小説の映画化。
琵琶湖湖畔のお城に住む日出家。分家の息子・涼介は修行の為に居候する事になり、本家の跡取り息子・淡十郎に振り回される毎日…。
えっと、まず、時代劇ではなく現代劇。
現代劇でもちょっと前の時代ではなく携帯もある今の時代の話。
予告編を見るにユルいコメディのようだが、ジャンル分け不能の奇想天外な話へと広がっていく!
代々不思議な力を継承する日出家。
同じく不思議な力を継承する棗(なつめ)家とは1300年に渡る因縁のライバル。
末裔同士の新たなる戦いの火蓋が切って落とされようとした時、思わぬ大事件に巻き込まれる…!
「トリック」を本物のようにした超能力バトル!
「十戒」のような驚きのスペクタクルシーン!
天から現る○!
これぞ異色和製ファンタジー!?
(あ、勿論、コメディテイストで)
意外とシリアスな部分もある。
秘められた力に疑問を持つ淡十郎。
その力が原因のある悲しみ。
最後の方は割としんみりさせられた。
浮き世離れした“現代の殿様”淡十郎。独特の存在感の濱田岳にとって、ハマり役!
淡十郎にお供に“させられる”涼介を演じた岡田将生のへなちょこ青年も妙に合っている。
棗家の跡取り息子役の渡辺大は、「ラストサムライ」の息子に相応しくキリッとした佇まい。
毒舌ヤンキーな淡十郎の姉・清子に深田恭子、涼介の“力の修行”の師匠・濤子に貫地谷しほり、名コメディエンヌぶりを発揮。
個性的な面々が揃い、中でも日出家船頭役の笹野高史には図らずもホロリとさせられる。
結構厳しいレビューが多いようだが、思いの外面白かった。
でも、好き嫌いは分かれる。
この独特の万城目ワールドに乗れるか乗れないか。
誰もが気になるタイトルの“しゅららぼん”の意味は、エンディング後のオマケ映像にて。