デック 子どもたちは海を見る

劇場公開日:

解説

コポップ・アリヤー・チュムサイとサ・コンスリの両監督が貧困、麻薬、買春、差別といった厳しい現実に直面しているタイ北部の山岳地帯の子どもたちを一年間追ったドキュメンタリー。

2005年製作/100分/タイ
原題または英題:INNOCENCE
配給:NPO地球市民ACTかながわ
劇場公開日:2007年12月22日

ストーリー

タイ北部の山岳地帯には、カレン族、モン族など70万人以上の山岳少数民族が暮らしている。どの民族も独自の文化と言語を持ち、焼畑農業をしながら伝統的な暮らしを守って来た。しかし、昨今の森林保護政策やケシ栽培の禁止により、収入と生活の場を失い、その結果、若者達は村の静かな生活を捨て、現金を稼ぐために都会に出て行かざるを得なくなった。しかし、タイ語や計算など教育を受ける機会のなかった山岳民族は不当な差別を受け、非人間的な職業を選ばざるをえない状況になっている。チェンマイの北の山奥に、さまざまな言語を持つ、さまざまな民族の子どもたちが一緒に暮らし一緒に学ぶ、小さな山岳民族の学校がある。子どもたちは、家族から遠く離れ、自分達で畑を耕し、食べ、そして勉強する。子どもたちはみんな貧しく、親がない子もいる。お金も物もない子どもたちの目の前には、たくさんの障壁があるけれど子どもたちには夢がある。仲間がある。信頼と愛がある。毎日が仲間とともに暮らす学び山岳民族の子どもたちのために学校は寮制だ。授業が終わっても、先生と子どもたちは一緒に暮らす。そこでは、子どもも大人も、病気になったり、悩んだり…泣いたり、笑ったり…の毎日が続く。校長先生の願いは、学校が楽しい場所であること。ギターをひいたり、おしゃべりしたり、食事のこと、進学資金のこと、健康のこと、みんなのことをいつも考えている校長先生。山の中で生まれ育った子どもたちは、自分たちの村を流れる川がどこまで続くのだろうと、いつも思っている。しかしお金も交通手段もないこの子どもたちにとって、海は月に行くほど遠い。そこで先生たちは子どもたちを川の終点である海へ連れて行く。そして、今、この子どもたちが待ちに待った海への長い旅に出かける。それは子どもたちにとって単に海に行くということだけでなく、自分の村から外に出て、大人になるための自立の旅でもある。

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