「目頭が熱く…」インターステラー legocroksさんの映画レビュー(感想・評価)
目頭が熱く…
前評判は賛否両論。
ノーランも、力作を立て続けに出していたから今度はどう出るのだろう…劇場に行くまである意味、楽しみで。
親子愛、ということがPRには押されていたため、どうなんだろーなと少し心配していたけど…。
さすがは、ノーラン。
親子愛ってものは単純でないこと、内容説明は相変わらず省きながらも観客が感情移入してリンクできるよう巧みに構成されていた。
宇宙という壮大で神秘的、さらに未知なる世界を描きつつ、地球の飢餓や破滅、そして人間の本質的・動物的感受性という現実の問題とリアルな今をきれいに挟んでくれ…。
あぁ、人間っていざというときはきれいごと抜き、やはり身の回りや自分のことを考えてしまうものだよなぁと思いつつ、
=絶望への抵抗と救いへの願い=
を持つものはやはり人の中にいて、人間は捨てたものではないなと。
いつの時代も希望的観測を捨ててはいけないと。
そして、その中で愛というものが意味を持つのだと。
ラストのシーンの締め方も良かった。
宇宙の描き方も斬新であった。
科学的フレームワークは物理学者の監修に基づくもので、随所にリアリティとまだ宇宙はほぼ解明されていない事実を突き付けられつつも、宇宙はまだロマンがあると、そう思えた。
そしてノーラン作品を通して伝えられている
「時間軸」
本作では5次元の世界を使い、人類に希望を与えたけど、現実はまだそこまでたどり着いてはいない。
けど、その限られた時間の中で、この映画を見て、じゃあ君はどうする?と問いただせば、絶望のみに落ちるべき今ではないと、まずはそう感じえるのではないかなぁなんて思った。
ま、映画観た後の興奮で終わらせちゃ、はんぱな人間なのですが(笑)
僕の解釈では以上が答え・感想でした。
総合的に、今年No.1です。
↓ ↓ ↓
= 余談 =
ブランド教授が唱えていた詩は調べたら
イギリスの詩人ディラン・トマスという人の詩。
以下、抜粋です。参考までに。
Do not go gentle into that good night,
Old age should burn and rave at close of day;
Rage, rage against the dying of the light.
Though wise men at their end know dark is right,
Because their words had forked no lightning they
Do not go gentle into that good night.
Good men, the last wave by, crying how bright
Their frail deeds might have danced in a green bay,
Rage, rage against the dying of the light.
Wild men who caught and sang the sun in flight,
And learn, too late, they grieved it on its way,
Do not go gentle into that good night.
Grave men, near death, who see with blinding sight
Blind eyes could blaze like meteors and be gay,
Rage, rage against the dying of the light.
And you, my father, there on the sad height,
Curse, bless, me now with your fierce tears, I pray.
Do not go gentle into that good night.
Rage, rage against the dying of the light.
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
老齢は日暮れに 燃えさかり荒れ狂うべきだ
死に絶えゆく光に向かって 怒れ 怒るのだ
賢人は死に臨んで 闇こそ正当であると知りながら
彼らの言葉が稲妻を 二分することはなかったから
彼らは あの快い夜のなかへおとなしく流されていきはしない
彼らのはかない行いが緑なす入江で どれほど明るく踊ったかも知れぬと
最後の波ぎわで 叫んでいる善人たちよ
死に絶えゆく光に向かって 怒れ そして怒れ
天翔ける太陽をとらえて歌い
その巡る途中の太陽を悲しませただけだと 遅すぎて悟る 気性の荒い人たちよ
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
盲目の目が流星のように燃え立ち明るくあり得たことを
見えなくなりつつある目でみる いまわのきわの まじめな人たちよ
死に絶えゆく光に向かって 怒れ 怒れ
そしてあなた ぼくの父よ その悲しみの絶頂で
どうかいま あなたの激しい涙で ぼくを呪い祝福してください
あの快い夜のなかへおとなしく流されてはいけない
死に絶えゆく光に向かって 怒れ 怒れ