「傑作!こんなに凄い作品を観てなかったなんて・・・」インターステラー 菊千代さんの映画レビュー(感想・評価)
傑作!こんなに凄い作品を観てなかったなんて・・・
劇場公開当時興味はありつつ観てなかった。
その後も何度かVODで観ようと思いながら“農場”から抜け出せず。
予備知識ゼロながら、漠然と観たいという気持ちのまま10年。
今回、「インターステラー」公開10周年記念IMAX(R)再上映という事で劇場鑑賞、
平日にも関わらずほぼ満席。
そして
何故こんな凄い作品を観てなかったのかと久々に映画鑑賞後立ち上がれない衝撃だった。
迷わず⭐︎4.5
子供の頃観た「未知との遭遇」や劇場鑑賞では無いが「2001年宇宙の旅」くらいのインパクトだ。
一言で言えば、5次元という概念を映像化するとしたらこれほど分かりやすい画は無いのでは無いだろうか。
元々次元の感覚というのも非常にわかりにくい、ざっくり平面が二次元、現在存在している空間が3次元という事は誰しも感覚的にわかる事。では4次元・5次元とは?
その辺りの事を理解しようとするとまずは“相対性理論”という話しになる。
では、相対とは何か?例えば、「150kmで走る車がいれば“絶対的”なスピードで移動していると認識する」が、もし150kmで走行している電車から見ればその車は同じ速度で移動しているので「止まってる」事になる。アスファルトの道路面は二次元面だが、そこにいる“アリ”にとっては凹凸のある三次元の世界に見える。こうして“相対的”に見ると、“絶対的”な物の見え方が変わるというのが超簡単な説明。逆に言えば“相対的”な見方をしないと、今見聞きしている空間・時間の概念は必ずしも絶対的では無いという事。そして、そんな“相対性理論”を持ってすれば時空の“概念”次元も変えられ、五次元となると正直数式の世界でしか存在しない概念だ。
そんな、概念化できない5次元パラレルワールドを映像化しようとしただけでも物凄いが、そのパラレルワールドに“愛”や“希望”を組み合わせて表現したノーラン監督、やはり半端無い(エブエブでもマルチバースを描いていたが、個人的には消化不良、正にマルチバースそのものすぎた)。
最後のスペースコロニーが、どうしてもガンダムの世界に見えてしまい日本人として結構ツボにハマるが、全体としてCG多様を良しとしないノーラン監督ならではの迫力ある映像や音響と相まってIMAXで見るべき映画ってこういう作品だ、という事をまざまざと見せつけられた。
余談だが、(東京近郊の方)東宝シネマズ日比谷のIMAXって本当にIMAX?
池袋GT:横25.8m×高さ18.9m、面積487.62㎡、アスペクト比はIMAXフィルムと同じ1.43:1でこのサイズのIMAXが観られるのは池袋と大阪の2館だけだけど
成田humax:横約24.5m×高さ約14m、面積約343㎡
に比べても相当小さい(予告編からIMAXサイズに移行される時のスクリーンサイズ広がるワクワクが無い)
日比谷IMAXは施設外観から恐らくスクリーン1TCX:19.8×8.3mと同じくらい(公表のスクリーンサイズは無し)で、音響は凄いけど正直IMAXなのかなって疑問は毎回。
電車なら池袋、車なら成田、一度観たらスクリーンサイズの差に愕然とします。
かつて、東京アイマックスシアター(後のテアトルタイムズスクエア※閉館)縦18m×横25m、品川アイマックスシアター縦16m×横22m(※閉館)は専用設計(スクリーンと座席が近い、スクリーンが湾曲、急勾配の座席)でUSJやディズニーのIMAX仕様だったけど。観たいコンテンツが増えてきた今になって上映可能なスクリーンが無いという矛盾にIMAXの火を消さない様に思う次第。