劇場公開日 2024年11月22日

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「総合芸術としての映画の力」インターステラー omoroさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0総合芸術としての映画の力

2023年7月24日
iPhoneアプリから投稿

観る前は、どうせノーランでしょ?とか思ってて申し訳ないです。
不整合なんてどーでも良くなる程のテーマ、設定、プロット、脚本、外部参照、内部参照、キャスティング、演出、演技、撮影、美術、音楽、そして腕力。
総合芸術である映画の醍醐味を堪能できます。

テーマや設定に主眼を置く人、SFに拘りがあり過ぎる人の中には不整合をスルーできずに微妙な評価を下す方も居そうなきがするけど、映画の本質ってそれだけではないという事を強く再認識させてくれる作品です。

ノーランらしく、分かり易い外部参照が片手じゃ数え切れないくらいあってその話だけで朝まで飲めそうな勢いなんだけど、本作は特に内部参照が素晴らしい。
何気ない会話でさえ後々効いてくるし、それが一々気が利いてる。そう、良い『再帰性』。

美術もヤバくて謎事象の表現は現時点では200点だと思います。
アレ見て触発されたり悔しがったりしてる人多いだろうなー。
クリストファー・ノーランって、設定・画づくり(美術、撮影、空気感)とかはサイコーなのに、脚本とアクションシーンの撮り方がアレで勿体ないってイメージだったけど(ダークナイト・ライジングとかメメントとかプレステージとか)、既往作品のバランスの悪さも好きになってしまうかもしれません。
今作で巨匠の域に到達したと言っても過言ではありません。
映画が終わってしまうのが寂しくて何だかよくわかんない涙が出て来たのは久しぶりでした。

omoro