「SFなのに圧倒的リアリティ」インターステラー といぼ:レビューが長い人さんの映画レビュー(感想・評価)
SFなのに圧倒的リアリティ
このレビューを書いている2020年10月現在、クリストファー・ノーラン監督脚本の「TENET」が興行収入の首位に立っており、「TENET」がめちゃくちゃ面白かったので過去作である「インターステラー」も鑑賞してみたくなりました。
一応ノーラン監督の映画は「メメント」「ダークナイト」「TENET」を鑑賞済みの状態で、今作「インターステラー」についての予備知識はほとんど無い状態での鑑賞でした。
結論。非常に面白かった!!
TENETのレビューでインターステラーを引き合いに出して「難しい物理用語がポンポン出てくる」と評している方がいらっしゃったので身構えていました。確かに宇宙やブラックホールに関する用語(「特殊相対性理論」「裸の特異点」などなど)が出てきたのですが、幸運なことに今年のノーベル物理学賞を受賞した研究がブラックホールに関する研究であり、興味があって事前にブラックホールについて調べていたのである程度は理解することができました。難しい用語は何個も出てきますが、それこそ「TENET」と同じく分かんない部分は聞き流しても全く問題ないと思います。物語の本質はそこじゃないので。
「地球から離れた移住可能な星を探す」というSF作品ではありますが、設定が非常に細かく作りこまれており、SFなのに非常にリアリティのある作品でした。
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疫病や大規模な砂嵐によって荒廃してしまった地球。人類滅亡が迫る地球から移住可能な星を探すために元凄腕のパイロットであったエンジニアのクーパー(マシュー・マコノヒー)が未知の宇宙へ旅立っていく。
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本作の上映時間は169分と非常に長いんですが、あらすじを書いてみるとビビるほど短くまとまります。「移住可能な星を探す旅」です。非常にシンプル。でも、密度が異常に濃い作品でもあり、169分間全く飽きずに鑑賞することができました。
この映画の優れた部分は、地球と宇宙という遥か離れた場所の距離感を「時間」という概念で表現したことでしょう。
「目的地到着まで○年」「この星の1時間は地球での○年」というように、宇宙にいるクーパーと地球にいる家族との時間差がどんどんと歪んでいくことで、「取り返しのつかない遥か彼方へ来てしまった」という感覚が生まれているのです。