「ノーランすげぇ。」インターステラー bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
ノーランすげぇ。
IMAXでノーランの連投です、ここんとこ。TENETの予告、見飽きました。と言いたいところですが毎回心臓バクバクしてしまいます。本編を見終わり劇場を出る時は、ノーランすげぇ、ノーランすげぇ、ノーラン(以下無限リピート)になってます。ホントに、それ以外の言葉が、当分出て来ないw
少し落ち着いてから感想文をかきましょうね。
とにかく良かった。最高です。
※劇場二回目、IMAXでは初。
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9/7 追記
SFとしての要素が、兎に角楽しかった。ウォームホールの概念は自分自身で消化し切れていないので、その他の萌えポイントについて。
◆時間を4つ目の空間軸として捉える
「私達の住む宇宙は4次元である」と言う考え方があります。時間を4つ目の次元と捉える訳ですが、この映画のコンテンツでもあるアインシュタインの相対性理論(時間差が生じるカラクリ)を、この概念で説明するとどうなるか。
「運動とは数学的に、3つの空間軸と、虚数の時間軸の間の、4次元時空における回転とみなすことができる」
※前提「時間と空間は運動によってローレンツ変換という変換式で結びつける事ができる」ものとする。
これを工学脳で物凄くザックリ言うと「運動(素粒子レベル)するものは時間と言う軸を持つ」。
光の速度は宇宙空間で一定ではない可能性があります。2015年、グラスゴー大学の研究チームは光子の形状を変える事によって減速する事に成功したからです。
つまり。光子にさえ影響する巨大な重力の元では光さえ減速し、同一系内で運動する全てのモノの時間軸は減速後の光速度に依る。
∴ブラックホールの近縁と地球の間には時間差が生じる
◆ブラックホールの巨大な質量を利用した加速スイングバイ航法(重力ターン)
映画のクライマックスでありながら、スイングバイの説明が決定的に足りてないと思いますw
「加速スイングバイ」で検索したら、分かりやすい動画がヒットするので記述は割愛。
ブラックホールも宇宙空間に静止している訳ではありません。よって、加速スイングバイは可能。ロケットの推進力は、ブラックホールの重力に捉えられる事から逃れるため。ブラックホールの"事象の地平面"の中に飛び込んだのは、量子に関するデータ取得の為、との説明でしたが、何故それが人類を救う事につながるのでしょうか?
◆量子重力理論を完成させる (9/10全面修正)
「量子重力理論」とは、「相対性理論」と「量子力学」と言う2つの原理を満たす時空の理論です。重力の古典論は、アインシュタインの一般相対理論で定義が出来ます。一方、重力以外の全ての物質とその相互作用は量子論に支配されていると考えられます。よって、相対性理論と量子論の融合が出来れば、極大(宇宙空間)から極小(粒子)までの、あらゆる現象のカラクリを読み解くことが可能と思われます。
ブラックホールの内部では一般相対性理論が破綻をきたすと考えられており、そこでは時空を量子化した理論が有効に働き、純粋な「量子力学」に支配される世界であろうと。量子系では、「作用素」にあたるものが「二つの固有状態間にあるデータ」。よって、ブラックホールの「事象の地平面」を超えた場所での物質や重力の「振る舞い」の「データ」が有れば、量子力学の波動方程式を導出でき、「量子重力理論」を完成させられる可能性がある。
この理論が完成したとして、何をどこに、どう応用するのかは不明ですが、巨大なコロニーの資材を衛星軌道上に「持ち上げる」モーターとか、「イオン推進機構」とか、作れそうな気がします。
ストーリーは「壮大な愛の物語」。親子愛、男女の愛、人類愛。と、ちょっと変わった友情。
どれもこれも、ぜーんぶ良い。もつれずに破綻せずに、きっちりつながっていて、最後の感動は、これまでのSFものの中で最高。科学的考証、デザイン、映像、音楽、何もかもが最高でした。
やっぱり、ノーランすげぇ。
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9/9 追記
◆ラストを推測
マーフはクープに言います。
「子供の死を看取るより他に、まだやる事が有る。ブランドよ」
この時点でマーフがブランドに言及している事から、地球はブランドの生存を知っていると考えられます。
エドマンズの星にたどり着いたブランドは、恋人の死を知りますが、人類の生存に適した環境である事を地球にバイナリデータで送信したものと思われます。
マーフの語りは以下の様に続きます。
「彼女はひとりぼっちで、この後、長い眠りにつく。私達の新しい星(home)で」
「私達の新しい星」は、地球側はプランBにせよ、プランAにせよ、エドマンズの星で人類が生きて行く事を計画している事を示唆しています。また地球からの後発部隊が到着するまで、スリープで待てと。
星の座標は「親友」のTARSが知っている。クープ達のインターステラーから75年(位。多分)掛けて進化した技術で作られた、小型宇宙船と星間航法で、単独ブランドの元に向かうクープ。「新しい星」に、多くの科学者や技術者がやって来る前に、2人だけの時間を過ごせます様に。
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9/10 追記
◆「エンデュアランス号」のシャクルトンは残った隊員を救出しに南極に戻った(1917)
エンデュアランス号からTARSの乗ったランダーを切り離す時、クープとTARSは「またな」と言葉を交わします。レインジャーを切り離すコマンドを口にするクープ。狼狽するブランド。
「二人で行けるって言ったじゃない」。
「エンデュアランス」は1914年にアーネスト・シャクルトンを隊長とする帝国南極横断探検隊を乗せて、イギリスを出発した船の名前。エンデュアランスは漂流・座礁後、南極の氷に船体を割かれてしまいます。紆余曲折の後、わずか7mの救命艇、6人の乗組員で1500kmを航海し、サウス・ジョージア島(アルゼンチン)に渡ったシャクルトンは、チリ海軍の戦艦「イェルチェ号」で、エレファント島に残して来た22名を救出しに戻り、全員を救出することに成功します。
「愛は時空を超える」なんて、まるで日本のアニメみたいなテーマですけど。
「出来ない約束はしないことだ」
いや、だからね、一人であの星に向かえば「二人で」の約束を守れるかなと思って。なんてね。多分、クープが乗り逃げた小型宇宙船の名前は「イェルチェ」でっせw
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9/16 追記
字幕が足りてないトコロで気になるやつがちらほら。
◆地球に戻る途中、ブラックホールの特異点の量子データ取得のために、TARSを船外から"発射する事"を提案するロミリー。そんな事をやってくれるのか?と訊ねるクープに向かってTARSは言います。
"Before you get all teary, try to remember that as a robot, I have to do anything you say."
「泣かれる前に言っておくけど、俺がロボットだと言う事を思い出してほしいね。言われた事が何であっても、やらなければならない」
海兵隊的ユーモアを、こんなトコロでも発揮するTARS。最高だった。
◆ラストのマーフの語り
" She's... out there. Setting up camp. Alone, in a strange galaxy. Maybe right now, she's settling in for the long nap. By the light of our new sun. In our new home."
ブランドは…遠くにいる。キャンプを作り。見知らぬ銀河で、ひとりぼっち。おそらく、直に、長い眠りにつく。私達の新しい太陽の光が降り注ぐ、私達の新しい故郷で。
homeを、どう読むか?なんですが。そのまま「家」でも良さそうですが。「太陽」からの流れの中では、「故郷で」くらいのサイズ感じゃないでしょうか。
TARSは最高の相棒でしたね。ジョークセンスはキッツイめでしたけど。
加速にはスイングバイと相棒にされたペンローズ過程も僅かに言及されてました。やったぜ。
ラストはがんばれクーパー!
クーパー ブラックホールに突っ込んでなぜ生きてるんだろうと思っていたらスイングバイですか!? 人類未踏、なんて凄い! ノーラン監督作品って何回見ても新たな発見があるみたいですね 私は最初にワームホール通過する時にブランド博士が見たクーパー?らしき姿と、ワームホール用意してくれたのは誰?ってのがまだ謎です またIMAXあればまた見に行きます
レビュー面白かったです
SFは(SF以外もですが)深く考えてはいけないシーンがあると思ってます
それをすると作品が壊れてしまう
でもこの作品は逆に深く考えても耐えられる、と言うかそれ以上に面白くなる作品だと思いました
コメントありがとうございます。確かにドッキング向かうあたりが興奮マックスでした。そのシーンの音楽かな、パイプオルガンみたいの。泣けるシーンがこんなに多いなんて!
TENET、明日、行くんですけど~!体調万全で立ち向かいます。
またインターステラーを観て、bloodtrial さんのレビューを読み直して、やっと理解できました!特に量子重力理論の話、なるほど!そういう事だったのか!!と膝を打つ気分です。
あー、何だかスッキリです✨
刺さってしまったんです。それでいきなり香港祭りが始まってしまい全然知らなかったアンディ・ラウ、レスリー・チャンと出会いました。壮絶にお勧めいただいたIMAXノーラン、脳の洗浄にいいかもしれませんね!!
bloodtrailさん、本当だ!ノーラン祭り!!ですね。物理とか空間、時間とかついていけないに違いない!でも見てみると新しい世界が広がるかなー。IMAXもいまだ未体験です。
今晩は
昨晩、私の居住区では「TENET」をIMAXで上映してくれるところが、矢張り車で一時間以上走るか、電車で大都会に行かないと観れない‥という現実が判明し(そもそも、地方ではIMAXの設備?がある映画館がない・・) ショックを受けているNOBUです。
どうしようかなあ・・。けれど、一時間かけて行った映画館でIMAXで「インセプション」を鑑賞した際に、「TENET」の予告編をIMAXで観てしまっているからなあ・・。
多分、行くんでしょう‥、私。
では、又。
今晩は
皆さま、今作をIMAXで再びご鑑賞しておられるようで、切歯扼腕状態のNOBUです。
私の居住区では”車を一時間半程、走らせないと”上映館がない!近場の映画館では、観たい映画がある!。という状態でございます・・。
うーむ・・。
来週は観たい新作映画がてんこ盛りだしなあ・・。
何を言っているのだか、自分でも分かりませんが・・。(地域的ジェラシー・・。)何か、すいません。
先ほど、勝手ながら、お名前を使わせていただきました。(これをお伝えしたかった・・)
では、又。