「前後半で感想が異なる」インターステラー アサンキリンさんの映画レビュー(感想・評価)
前後半で感想が異なる
公開間近のテネットに期待を膨らませてつつ、IMAXの映像体験も楽しみに鑑賞しました。
2時間半以上という長さに拡大した要因は、宇宙での緊迫感ある試行錯誤。ここに多少の蛇足があっても、迫力の音響や美しくリアリティある映像をもたらすIMAXという付加価値のおかげで、全く苦痛ではありません。
前半の山はビデオレター。息子の微笑ましい近況報告が終わり画面に手を置き体をぐったりさせる… ここで娘が登場。この時点でもう目頭が熱くなる!娘が話す間ずっと目が潤みました。
この娘との画面上の対面を経て、ここからどうやって展開させるのか… どう終わるのか… どう感動させてくれるのか…
という中で、、
ざっとレビューを見た限り好評8・不評2くらいの割合になっている、
最後の場面です。
「個人的には」と注釈を付けた上で、結論から言うと残念でした。
なお私はSF否定派ではないと思っています。他のSF映画で好きなものは沢山あります。
不評の中に多くみられるのは、五次元で本棚の裏と繋がっているという設定がご都合主義だとする批判です。ただ、そもそもSFはフィクションである以上、ご都合主義はつきものであり、その批判はお門違いであると思っています。したがって本棚と繋がり親子が交信したこと自体に不満はありません。
テーマが「愛は時空を越える」ゆえのラストだというのは分かります。
残念だったのは、これだけ長い時間をかけて宇宙での試行錯誤を科学的に展開してきたにも関わらず、愛が時空を越える前後があまりに雑だったことです。
愛を語る上で科学をもって丁寧に見せる必要は無いだろう…と言われてしまったら、じゃあ私はSFの描く愛に感動できなかったのか?と不安になってしまいました。
同じ感想の人はいないでしょうか?
SFに嫌悪感はないのに、このラストは何故か拍子抜けして感動できなかった人。