「予告編通り」蜩ノ記 みみずさんの映画レビュー(感想・評価)
予告編通り
予告編を観た段階で、涙ぐんでしまった。
役所広司演じる主人公は、終始一貫して清廉で高潔、武士の鑑であろう。
彼を取り巻く岡田准一や妻子もまた清々しく、美しい自然の景色と相俟って、心が洗われる。
但し、さらりときれいすぎるが故に、盛り上がりに欠ける観は否めない。
藩を私しようとしておとり潰しの危機を招き、主人公を窮地に追いやった家老すら、完全な悪として描かれていない。
観ていて最後の忠臣蔵が想起されたが、それに比べるとメリハリに欠けた。
予告編通りの内容で、極論すると、予告編だけでかなりの部分を堪能できていた。
料金を取って見せる以上は、もっと膨らませて欲しかったようにも思う。
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