「男と女と復讐と愛と」デッドマン・ダウン 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
男と女と復讐と愛と
ある復讐の為に犯罪組織の殺し屋となった男。
ある日、隣のアパートに住む顔に傷を負った女と出会うが、殺しの現場を目撃され、傷を負わせた相手を殺すよう依頼され…。
「ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女」のニールス・アルデン・オプレヴ監督のハリウッドデビュー作。
自国で優れた作品を手掛けたもののハリウッドに招かれ不発に終わる典型的な例。
力作「ヒトラー 最期の12日間」を撮ったオリヴァー・ヒルシュビーゲルが凡作「インベージョン」を撮った時のように。傑作「善き人のためのソナタ」を撮ったフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルクが駄作「ツーリスト」を撮った時のように。
デヴィッド・フィンチャー節が炸裂したリメイク版も良かったが、やはりあの濃密なオリジナルには敵わない。
あれほどの手腕を活かせなかったのは、特に目新しさも無い作品を任せたハリウッドにある。
むしろ監督は、
主人公の身元がいつバレるかのスリル。
ド○え○んならショック死してしまいそうな処刑シーン。
クライマックスのアクション。
傷を負った男と女の出会い。
仄かに芽生えるロマンス。
…など、ありふれた設定でも手堅い職人演出を披露。
バッドガイは今や昔、寡黙で義理人情ある主人公をコリン・ファレルが好演。
監督の頼もしい味方、ノオミ・ラパス。
作品によって美人に見えたりブスに見えたりだけど、本作は魅力的な方。
テレンス・ハワード、イザベル・ユペール、F・マーレイ・エイブラハムら多才な顔触れ。
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