「レースの勝負そのものは、スポコンマンガみたいで面白かったけど、主人公の二人には感情移入できなかった。」ラッシュ プライドと友情 Push6700さんの映画レビュー(感想・評価)
レースの勝負そのものは、スポコンマンガみたいで面白かったけど、主人公の二人には感情移入できなかった。
F1レースのことは、名前くらいは知っていたけど、金持ちの道楽なんだろうな、程度のイメージで、これほどすごい世界とは思わなかった。
人間の持てる力、ほとんどすべて使っている究極のチームスポーツで、まるで戦争みたい。
見ている時は、レースシーンに、たいへん迫力があり、すごく面白かった。
でも、見終わった後は、あまりにも自分の住む世界とは違うので、だから何?と言いたくなった。
ニキ・ラウダは、なんとなく名前だけは知っていたけど、ジェームズ・ハントは知らなかった。
しかし、なんとなくレーサーといえば、ジェームズ・ハントのようなキャラクターを思い出す。
破滅型のやんちゃぼうずで、野性的、感覚とか才能で走るタイプ。
実話がもとになっている、ということで気になるのが、ジェームズ・ハントのセックスシーン。
初対面で、その場限り、しかもその場所で、次々に、別の女性とセックスしていく。
しかも相手の女性は、別にプロという感じでもない。(有名人とやれば、逃げられないし、後々損はしないかもしれないけど、もしそういうことなら、恐ろしいんですけど・・・?)
アダルトビデオに出てきそうなシーンだけれども、他の普通の映画にもよく出てくるし、タイガー・ウッズ事件とか考えると世の中(主に欧米?)は、こういうシステムになっているのかもしれない。
どうでもいいけど、自分のまったく知らない世界で、すごく不思議でした。
一方、ニキ・ラウダはレーサーのイメージとはかけはなれていて、なんとなく戦いそのものを目的とするような、サムライのイメージ。
ものすごく肝がすわっていて、根性も度胸も、技術もある、信念の人。
しかも大金持ちの息子なのに、後継ぎを断って、借金して、しかも自腹で、レース参戦とはすごい。
どう考えてもバカな道楽息子なのに、これ以上ないというくらいの冷静な判断と、技術で、みるみるフェラーリのエースドライバーに上りつめる。
天才とバカは紙一重というけれど、そんな感じで、バカなのか?天才なのか?よくわからない。
何者だよ?と思った。
この二人の対決、理性対野性、技術対感性、ストイック対刹那主義、みたいなところがよかった。
まるで、マンガ「あしたのジョー」の力石対ジョーみたいだった。
でも、力石とかジョーは同じ日本人で、自分に近いところもあるから、なんとなく入れたけど、この二人はあまりにも自分とはかけかなれていて、共感できなかった。
この映画そのものは、スポコンマンガみたいで面白かったけど、主人公の二人に感情移入できないのが、とても残念でした。