「それぞれの生きる意味」ラッシュ プライドと友情 harukitaさんの映画レビュー(感想・評価)
それぞれの生きる意味
子供の頃、初めて覚えたF1レーサーの名前がニキ・ラウダだった。
この映画のクライマックスが76年の富士だから、きっとその頃私はニキの名前を憶えたのだろう。
生きて帰らなければならないニキ・ラウダと勝つためなら命も惜しまないジェームス・ハント。すべてが対照的な二人の心のやり取りが本作の軸になっている。感心したのは、どちらか一方に感情移入させてもう一方を悪者に仕立てるということではなかった点である。勿論人によってどちらが好きかというのはあるだろうが、正誤や善悪ということではない。
生きるスタイルが違うのだ。
だから私は二人とも嫌なヤツだとは思わなかった。またそういう公平な目線で撮られてもいたのも良かった。
物語の中心がレースの勝ち負けではなく、二人の男の恐怖や苦悩や葛藤などを含めた人間に焦点を当てているところにも好感が持てた。
決勝戦での2人の選択はどちらも勇気のいる選択だったろう。特にニキは色々なことを考えての選択だったに違いない。
"プライドと友情"
互いに認めあった二人だからこそ理解しあえる世界があったに違いない。
"賢者は敵から多くのことを学ぶ"
好敵手で好対照な二人に敬意を表したい。
あと付け加えたいのがサウンドです。
F1の魅力の1つでもあるエキゾーストノート。リアリティのあるシビれるようなサウンドは映画館でしか味わえないと思います。
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