「人生最高の映画を塗り替えたかどうかはわかりませんが、良い映画です」ラッシュ プライドと友情 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
人生最高の映画を塗り替えたかどうかはわかりませんが、良い映画です
1976年のF1を舞台に描く、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダの友情。
良いですねぇ。単なるレーシング映画ではありません。確かに、ヒューマンドラマです。「事実は、小説より奇なり」と言う言葉がありますが、この映画の場合は「事実は、映画よりドラマティック」と言えるでしょう。
“レーシング映画では無く、ヒューマンドラマだ”とは言いましたが、F1を描いていますので、レーシングシーンは避けられません。そして、そのレーシングシーンが、これまた、リアル。それもそうですよねぇ。『アポロ13』であり得ない角度からの、アポロ13号打ち上げシーンを映像化したロン・ハワード監督ですからねぇ。ただ、この作品では、模型ではなく、実際のF1マシーンを集め、当時のF1マシーンに合うように改造して、リアリティーを追求しています。そのF1部門にはヨッヘン・マスが、統括として協力したらしいです。そりゃぁ、リアルなF1マシンになりますよね。
物語は、ジェームズ・ハントとニキ・ラウダの愛憎半ばの関係を描き出しているのですが、文字通り命を賭けて争っている相手だからこその、シンパシーとか、あるいはもちろん、嫉妬とかもあるんでしょうね。付かず離れず、頭にくることもあるけど、やっぱり信頼していると言う二人の関係がうまく描かれていました。
ラストは、FISCO改めFSWでのF1世界選手権イン・ジャパン。日本でF1チャンピオンシップのカタが付くって、昔からなんですね。セナ・プロスト時代だけじゃないんですね。まぁ、毎年終盤に開催されるので、そう言うチャンスも多いでしょうけど、F1本場のヨーロッパではなく、極東でチャンピオンシップが決まるというのも、何とも、皮肉な感じもしますが・・・。
で、セナ・プロスト時代のことではなく、映画の話。この1976年のF1世界選手権イン・ジャパンも、結末は衝撃的ですね。って言うか、あれほどの天気なら、中止と言う判断が、まともな判断だと思うんですが、興行と言う観点では、チャンピオンシップが懸かったレースを取りやめるわけには行かなかったんでしょうね。
いや、良い映画です。人生最高の映画を、塗り替えた?それはわかりませんが(笑)。