「ライバルって生涯を共にする」ラッシュ プライドと友情 もしゃさんの映画レビュー(感想・評価)
ライバルって生涯を共にする
いや、すごいお話でした。
これが実話だって言うんだから本当に事実って小説よりも奇ですね。
ジェームズハントとニキラウダ…
全く性格や生き方が正反対の二人
かたや、いわゆる破天荒なよくある輝くけれども難がたくさんあるいわゆるスター気質。かたや、他人に依存しない偏屈な性格で、現実を見据えて勤勉に行動する堅実なタイプ。
ただ、この2人本当にプライドが高い。そしてそのプライドがばちばちっていうのが、この話ですね。
でも、共にF3でスタートしながら、スター性でみんなから好かれながらも、独善的なところがチームを失い、嫁を失い、シーズンも振るわないハントと、堅実で勤勉な生き方が友達を作らないが、理解者を増やしながら確実にシーズンのポイントを重ねていくラウダと…本当に何から何まで対象的。
しかしこのラウダという男…本当にすごい。F1を借金をしてまで購入してF1に移籍はするわ、世界王者にも輝くわ…。このストイックさが本当にすごいのは、レース中に大事故に会いながら、ハントのレースに触発されてわずか50日弱でレースに復帰。腿の皮膚を顔に移植しなくてはならないほどの大事故だったのに…。奥さんの心配なんてまったく考えず、勝負の世界にもどるラウダ…本当に男ってやつは…と思わせますね笑
でも、復帰会見で「あなたの顔をみて奥さんの反応は?」的な質問を浴びせた記者を会見後ハントがぼこぼこにしたり、復帰するラウダに謝罪の手紙を書こうと思ったことをハントが告白したり、敵以上、本当に並の友達以上の深い絆があったんだなぁと
わずかなポイント差で勝負は最終レースに…ラウダは奥さんのことを思い、棄権、ハントは様々な苦難を乗り越え、ワールドチャンピョンに…
そのシーズン後、ハントは派手に遊び、ラウダは地道に次のシーズンを見据える。そんな二人がイタリアで再会して言葉を交わすわけですが、この時のラウダが本当に良い。
惜しいのは、現実にハントは2年後に引退をしてしかも45歳でなくなったということ。本当に天才ってなんでこうなんでしょうね…っていうのを地で行く感じが本当にすごいな…と
レースの臨場感、ライバル2人の友情と男って生き物の本気の感じが清々しくてとてもよかったです。