セリーナ 炎の女のレビュー・感想・評価
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コンビ3度目の安定感
ジェニファー・ローレンスとブラッドリー・クーパーの3度目の共演で、大恐慌時代の愛と裏切りを描いている。監督はデンマーク出身の名手、スザンネ・ビア。面白い組み合わせだ。
ジェニファー・ローレンスが、男社会である製材所に嫁ぎ、男勝りな手腕で経営を切り盛りしていく様と、夫である製材所社長との愛憎劇がノースカロライナの大自然をバックに展開する。強い女という昨今のハリウッドでは流行の女性像と、愛に脆い部分を併せ持つ深みあるキャラクターをジェニファー・ローレンス巧みに演じている。
優しくもあるが傲慢な夫、強くあるが脆さも抱えた女という組み合わせ、人間の多面性が一流の役者によって説得力を持って表現されている。派手な特徴を持った作品ではないが、脚本、演出、撮影もどの要素を取っても高水準な作品だ。
タイトルなし
ジェニファー・ローレンス、ブラッドリー・クーパーコンビで期待したが、どちらも自分勝手な夫婦の話でがっかりした。ラスト、夫がクーガーに殺されるのは想像できたが、妻は家に火をつけ自殺するのだが子供の頃の火事も何か伏線があったら良かった。
なんか惜しい
ブラッドリークーパー×ジェニファーローレンス作品の1つ。前半は夫の仕事をよく理解した素晴らしい奥様だったのに、後半から次第に怖くなっていきます。作業員ギャロウェーの忠誠心がわからない。トビージョーンズは卑怯な悪役が多いけど今回の保安官役は良かったです。ラストああいう風に終わるなら実は幼少期に家族を亡くした原因は...とかもう一捻り欲しかったです。
ジェニファー好きには貴重な秀作
「未来を生きる君たちへ」のスサンネ・ビアの2014年監督作。そして、ジェニファー・ローレンスとブラッドリー・クーパーの共演。
強い愛と狂気を演じるジェニファーが素晴らしい。彼女のファンには貴重な作品だ。
地味だが質の高い秀作。
時系列的には「世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」に続く二人の共演作であり、今まで公開されなかったのが不思議だ。
無駄が多く、要点が抜け落ちた、あらゆる点でチグハグな失敗作
ジェニファー・ローレンスにブラッドリー・クーパーという人気俳優を再共演させておきながら、本国ですらお蔵入りになりかけたこの作品だが、お蔵入りしなかっただけラッキーだった、と言わざるをえないほどの酷い出来。オスカーも受賞したスザンネ・ビア監督はこの映画で何をしたかったんだか。そしてなぜこの映画にローレンスとクーパーを呼びつけたか・・・。
製材業を営むクーパー扮する夫ジョージと、そこに嫁いだ妻セリーナ。この夫婦を通して描かれるドラマなのだが、そもそもこの映画が何をどう描きたいドラマなのか、まったく定まってこない。妻には12歳の時に火災に遭い家族を全員失って孤独になってしまったという過去があり、夫は夫で、弱みを握られた仕事のパートナーを殺害(事故として処理された)したという真相がある。それ以外にも、公園の設立というジョージの仕事を奪うような計画が進んでいたり、ギャロウェイの大怪我だとか、次から次へと様々な出来事が起きるのだけれど、それらが何の効果も生まないまま、後のストーリーともまるで呼応しないまま流されて行ってしまうから弱ってしまう。設定からストーリーから人物描写から、さらには1929年という時代背景まで含めて、何から何までチグハグでまったくかち合わない。ギャロウェイの怪我はかろうじてセリーナがそれを応急処置したことで恩義を感じてその後のセリーナの行動の実行犯になるという展開につながるものがあるものの、セリーナの火災の記憶やら、ジョージによるブキャナンの殺害やら、公園設立話やら、鷹やら、その瞬間ではハッとさせられる展開も、あとになると「結局あの話は何の意味があったの?」に変わってしまう。
けれども一番ひどいのはセリーナの人物描写ではないだろうか。冒頭では小股の切れ上がった女性として登場し、林を守るために鷹を輸入して手懐けるという荒業と事業家としての才覚を見せるものの、妊娠し流産してからは、さっきまでの威勢のよさはどこに行ってしまったの?というくらいにすっかり抜け殻人間に。そして最後には夫の子供の写真を見つけてすっかり取り乱してしまうという変わりよう。それを人間の心の変化として受け入れられないほどストーリーが酷いので、セリーナがただただ感情の起伏が激しくて常軌を逸したイタい女に成り下がるだけだ。そういう女の性を描いたなんて志の高さは感じられず、ただつまらない女を見させられているだけとしか感じられない。こういうのを女の多面性と呼ぶことはできない。ただすべてがチグハグなだけだ。強い女だったはずのセリーナが流産を経て心を壊し「危険な情事」ばりの怖い女に変わってしまうというストーリーにするならそれもよし。ただそれをやるには余計な設定が多すぎる代わりに、セリーナの内面を映すシーンが少なすぎる。グレン・クローズほどの鬼気迫るものも感じない。ジェニファー・ローレンスの存在感をもってしても、セリーナはただのつまらないメンヘラ(良くない言葉だがあえて使おう)でしかない。格好つけて登場した割に、なんとまぁダサい女だろうか。
全体的に、長編ハーレクイン小説か、あるいは長期シリーズもののソープオペラを、無理やり2時間に縮めたような突拍子もなさで溢れている。そのため、説明が足りない無駄な設定がどんどん煩くなってくる。ラストでブラッドリー・クーパーが死んで終わりというのも、まとまり切らないストーリーにどうにか無理やりオチをつけたかのよう。客観的にこの映画を見て、主人公となるべきはセリーナではない。ジョージが妊娠させ、未婚の母にさせられた挙句、セリーナに殺害されかけたレイチェルこそがヒロインとしてもっともふさわしく、レイチェルを主人公にしたサスペンス・スリラーなら面白かったのではないかと思う。
流石の二人
大好きなジェニファー&クーパー
2014作品
なぜ日本に入って来なかった?
二人が組んだ中でも傑作だと思います。
終始緊張感有りますが
久しぶりの良い緊張でした。
終映が決まってないようですが一日1回の上映ですし口コミで広めて頂きたいですね!
スモーキーマウンテン
製材業を営む父親のもとに生まれたが、幼い頃に火事で家族を失い天涯孤独を覚悟していた女性が、製材業経営者に見初められて結婚し偏愛の様相をみせて行く話。
異常なまでの独占欲ではあるものの、ネタの振り方がモロ過ぎるし、旦那もクソだし、赤ん坊の母親も…。
作中の描写の環境ならば許されそうとまでは言わないが、なるべくしてという感じ。
面白くはあったけど、思ったよりドロドロしていないし予想を超えてくるものがなく、まあこんなものかなというところ。
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