「中高年、あこがれの恋愛」鑑定士と顔のない依頼人 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
中高年、あこがれの恋愛
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この映画の予告編を観たはずなのに、どんでん返しがあることを忘れていた。
おかげで、初老の鑑定士と広場恐怖症の女性のラブストーリーに没頭できた。
著名な鑑定士ヴァージル(ジェフリー・ラッシュ)は奇妙とも言える依頼を受ける。あるヴィラに出向くのだが、依頼人の女性は姿を見せない。だんだん興味を惹かれていくヴァージルは仕事仲間のロバート(ジム・スタージェス)に相談しながら彼女の心を開かせようとする。
ヴァージルが暴漢に襲われ倒れているところへクレア(シルビア・ホークス)がついに外に出て駆け寄るシーンは感動的であった。
ジュゼッペ・トルナトーレの企みは、競売人としての仕事を終えたヴァージルの身にふりかかる。
絵画に贋作があるように、愛にも偽りのものがある。
そのことをトルナトーレは見せたのだ。
ラブストーリーに没頭していた身としては、ヴァージルほどではないにしろ、その喪失感は相当のものであった。
ヴァージルとロバートの関係、ビリー(ドナルド・サザーランド)との関係、そのスタートが見えないのは、ややずるいところではあるが、見事にだまされた。
もう一度観たら、まったく違う景色が見えるのだろうか。
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