「ヴァージル・オールドマン…、童貞・ジジイって名前なのか。」鑑定士と顔のない依頼人 hartzaさんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァージル・オールドマン…、童貞・ジジイって名前なのか。
あの絵画の部屋を見て最初に思ったのは、 「これ最後に全部なくなるんだろうな。」だった。
「女の愛は偽物。絵は全部盗まれる。」と思わせといて、 深遠な何か思いもつかない大どんでん返しがくるはずと思って見てたら、 そのまんまでガッカリした。
黒幕は女じゃなくてビリーだろうけど。
あとロバートの動機が分からない。お金もらってやっただけかな。なんか伏線見逃してる?
元々悪くない関係の人騙して、店畳んで失踪する位の理由がよくわからん。
二次元からの解放ってビターなハッピーエンド・救いと解釈もできるけど
正直それは後から頭で考えた事で、最初に感じた感想は後味悪りぃ…だった。
ビリーの動機は復讐で、救ってあげたいと思って誰かがしたんじゃなくて、 無理やり放り出されただけだし。
ビリーだって詐欺の共犯者として結構な報酬受け取ってたろうし、復讐ねぇ…って感じ。
老人ホームとナイト&ディの時系列は見てる人に解釈を委ねる為に敢えてぼかしてると思う。 (私には老人ホームが後としか感じられませんが。)
偽物の中にも真実が…という台詞が印象的にもちいられるけど、彼女の気持ちは偽物だったけど、自分の中に芽生えた愛は本物だった、と言う風に解釈する事にしましたが、本物だからこそ後味悪い。
登場人物は魅力的で美術や映像も美しいし、何より恋に溺れる老人の演技がすばらしい。
すばらしいからこの愛が本物であって欲しいと感情移入しながら見たが故の後味の悪さなわけですが、
みもふたもない言い方したら童貞拗らせた老人が長年の知人に逆恨みされて結婚詐欺にあう話。
主人公も自分の立場利用して不当な競売してたり、なんの罪もない善人って訳じゃないけど。
30代童貞の魔法使いアニオタが引きこもり美少女に出会って成長する話と思いきや実は騙されてて、プレミアついてるフィギュア売られちゃって、数少ない友達にも裏切られて鬱になる話として置き換えたら…。
日本でその設定で映画作ったら、女の子は途中から童貞男を本当に好きになりはじめて改心、男も二次元卒業、人生に向きあうようになるハッピーエンドの成長物になりそうだけど。
あとこれもみもふたもないけど、現実あんなに仕事で成功する人は、不器用で変人でもモテるか、それなりにコミュ力あってそつなく恋愛とすると思う。リアルを追及する話じゃないので蛇足ですが。
見逃してる伏線がありそうなので、誰か一覧表作ってくれないかな。もう一回見に行く気はない。