「「強すぎる自己肯定」と「微塵もない自己嫌悪」」ブリングリング Chisaさんの映画レビュー(感想・評価)
「強すぎる自己肯定」と「微塵もない自己嫌悪」
被害総額は推定3億円。パリス・ヒルトンやリンジー・ローハンなどの家に留守中を狙って侵入し、金品の窃盗を繰り返した少年少女五人組を追ったノンフィクション。最初はちょっとした出来心だったのに、気付いたときには五人中四人に有罪判決。でも後悔なんてない、有名人になれたんだから!
「アメリカン・ホラー・ストーリー」で好きになったタイッサ・ファーミガの出演作ということで鑑賞。若い女優さんだからまだ出演作が少ないのよね。
ラストすっっっっっごい嫌ァーな気分になったしエマ・ワトソン嫌いになりそうだった。笑
「強すぎる自己肯定」と「微塵もない自己嫌悪」。これよこれ。私がアメリカの高校に馴染めなかった最大の原因。どこまで自分に自信があるの?どうやったらそんなになりふり構わず生きていけるの?悪い意味でも目立てれば万々歳という一貫した信念。ちょっとでも「やべえ」みたいなのは無いのかね?無いんだろうなぁ。逆に「無いのかね」とか言ってる私の方がおかしいんじゃないかと思えてくるほどの自信。低モラルの極み。まじ何なん。一周回って羨ましくさえなるわ!
一つ一つのシーンが必要以上に長くてダラダラしてしまった。何度目かの侵入のとき、遠くから家を録ってガラス越しに少年少女たちの影だけが見えるというシーンも、マークがパソコンの前で一人で踊るシーンも、クラブのシーンも、大して重要な意味は持たないのに無駄に長くて間延びした。そういうところを削って、主犯のアンがなぜああいう性格になったかとかそれぞれの家庭環境とか、ストーリーに直接繋がる背景をもっと描けば良かったのになぁ。あとはせっかく美女たちが何人も集っているんだから、彼女たちのプロモーションになるように魅せるシーンを増やして欲しかった。タイッサ・ファーミガの良さが皆無!
とにかく浅くて薄っぺらい映画だった。内容がない。教訓もない。。。エンディングに映る反省の色など微塵もない彼女の姿には何ら救いもない。この映画に「意味」などなく、単に事実をそのまま映像にして世に知らしめただけっていう感じでした。