私の男のレビュー・感想・評価
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R15の理由は高良健吾の上半身のせいらしい
こんな上映禁止レベルの、中身もスカスカな変態映画にモスクワ国際映画祭がどういう意図で賞を分けてくれたのか。
過去の受賞作、および過去のコンペ作品の横並びはしていないが、少なくとも本作においては、日本人は、こんな変態映画をコンペに出して頭おかしいので、受賞させて浮かれさせておいて、油断したすきに・・・・・、と思っててもおかしくない。
とは言いすぎかもしれないが、過去の日本の受賞作もやや疑ってかかる作品が多いのも事実。
熊切監督の映画は「鬼畜大宴会」「フリージア」「海炭市叙景」しか見てないが、特にひどいのが「海炭市叙景」で、このひどさは、北海道出身のくせして、北海道民を敵に回すような描き方だった。
とにかく、生活臭とかなんとか言っている割には、物語とまったく関係もなく、思わせぶりな絵ばっかり差し込んで、重要な心情はすっかり描き忘れるという有様。
本作「私の男」も、ものの見事にそんな作品。
思わせぶりなオープニングも、その効果が全然、びっくりするほど全然後半に活きていない。
確かに浅野忠信ぐらいだろう、いい男だが、利己的で気色悪さとすさみ感、そこからの、後半の疲弊感を出せるのは。
確かに二階堂ふみぐらいだろう、この役の、間違いなくキ〇〇イな感が出せるのは。
しかし、その役に彼らをもってしても、深みがまったく画面から浮かび上がってこないのは、びっくりするほど演出がおかしな方向にいっているからだ。
他の役者は全然箸にも棒にも掛からない。
高良健吾なんて、こんな役ばっかり。「上半身だけですよ」には笑ったが、「お前には無理だ」と言われて、本当に無理だったのはもっと笑ったけど、使い捨て感はなはだしい。
高良健吾、世之介がいいとは決して思わないけど、この人、思ったほど伸びねえなあ。
しかしまあ、今年騒がれた日本映画の期待外れっぷりはどうよ。
だが、それでも同じ変態映画の「渇き。」、バカ勢ぞろいの「そこのみにて光り輝く」のほうがまだほんのちょっとだけよかった。
それを言ったらおしまいよ、かもしれないが、この映画、原作がどうだろうが、この内容だと、はっきり言って、セックスシーンは要らない。
ああ、そういうことだったのか
途中で意外な驚きがあった。それまで恥ずかしながらまったく気付かなかった。なるほど、そういう主旨(本当の意味の“禁じられた愛”)の映画なのね。それなら血が降る演出も合点いく。
終盤に東京編があることも(またそれも結構な長尺)予告からは読み取れず意外だった。
終始、紋別の「曇った感じ」がスクリーンから漂う、独特な雰囲気(エロス、狂気、明るさ)をまとった映画。
俺はおまえのもんだ
二度目の鑑賞。(原作未読)
初めて見たのは公開時だったが、ラストシーンが衝撃で、克明に覚えていて更に衝撃。
花演じる二階堂ふみさんの演技が素晴らしい。中学生から大人になるまで、変わりゆく狂気と増していく美しさを見事に演じ切っていた。心に空いた穴を、血で繋がることで必死に埋めようとしていた中学・高校時代は、あまりに魅力的。
そして花が美しくなることに反比例して、衰え堕ちていく淳悟演じる浅野忠信さんの演技も圧巻。誇らしげに花を愛する表情と、その裏に父親になることができないもどかしさをうつしていて、素晴らしかった。
花の震災の傷、淳悟の抱える闇を癒すために、彼らが選んだのは、血で繋がることだった。そして狭い田舎で、そんな彼らに居場所はなかった。2人だけで完結している世界であれば、究極、愛し合っていればよかったのかもしれない。しかし、世間や周りの目からは逃れられないし、外界からの影響によって信じていたものは崩れ落ちていく。花が「わたしは悪くない」とつぶやいていたが、確かに悪くないかもしれないが、結局それを決めるのは世間であり、モラルという物差しで計れば、「彼らは悪い」のだ。(殺人ではなく禁断の愛の部分にフォーカスしています)
もし、人を愛することの真骨頂が体を重ねることであるのならば、2人の愛情を否定することは誰もできないのではないか、と思ってしまう自分もいた。結局2人は「死ぬほど後悔」してしまっているから、これが私たちの愛だと主張することはできないけれど。
ラストシーン、何言っているかわからなかったが、まさか「おめでとうは?」だったとは。最後の2人の表情が脳裏に焼き付いて離れない。
もう少し掘り下げて欲しかったなぁ
二階堂ふみ×浅野忠信
独特の空気感。
純粋に見えて、確実に獲物を仕留める、というか執着心をもった花(二階堂)
父親になりたいのに、娘としてひきとった花を、性の対象として関係を持ち、溺れていくダメ男の淳悟(浅野)
「そんなこと、神が赦さない」
「あたしは、赦す!!」
ええ?神が赦さないことをあんたが赦すんかーい!
と突っ込みながら、愛なのか執着なのか。どちらにせよ、この花という女性は、とことん自分勝手なんだなぁって印象が私の中で出来上がった。
自分勝手というか、盲目というか。愛なのかなんなのか。
結局この2人がたどり着く先には何があったのか。
原作の小説を読んだ方々のレビューをみると、もっともっと、特に淳悟のバックグラウンドを描いて欲しかったと書いてあったりして、確かにそれは見たかったと思った。
急に2人が求め合って、体を重ねるシーンをあれだけ俳優陣に体張らせた割には、なんで今?なんで急にそういう展開?と頭がついていかなかった。
もう少し掘り下げて欲しいシーン。
ラストシーンの2人の表情。
花はなんと言ったのか。
妖艶な花と、老いた淳悟。
この2人の物語がこれで終わりではない余韻が残って、
続きをみたくなった。
気持ち悪い
原作は未読。ふたりの内面の描写がなかったので、セックスシーン重視のただのロリコン向けに作った作品にみえてしまい、気持ち悪いしかありませんでした。基本的に女性は(男性もかもしれませんが)父親とセックスするのは、絶対にイヤだし、父親相手にあんな妖麗さなんてだしません。タブーを文学的にしたいなら、それ相応な描写にしないと。
永遠の愛と現実
あまりの生々しさに息を呑んだ。永遠の愛だと思われたものが、現実を前にゆっくりと壊れていく。
この物語でふたりは共犯になる。しかも、主犯は花だ。花の真っ直ぐな愛情によって人生を歪められていく淳悟。言葉通り「私の男」になったのだとラストシーンで感じた。
以下ネタバレ注意
私は個人的に、あれだけ純情で綺麗な少女だった花が、東京シーンでは化粧をし、どこにでもいる美しい女に成り果てていたのが印象的だった。
前半で花の気持ちに共感していた私にとって、後半は苦しかった。こんなに愛し合っているのに、どうしようもない現実が寝そべるばかりで痛くて苦しい。
特に残ったセリフは、「小さい時はあの人のことなんだってわかったんです。でも、ちっともわからなくなった。子供だったんですね、私たち」という花のセリフ。あんなに悲しい愛のセリフが他にあるだろうか?
そして「俺は親父になりたいんだよ」という淳悟のセリフ。終盤では全く違う意味に聞こえてあまりにも苦しい。
ふたりの愛って一体なんだったんだろう。どこに着地すればよかったんだろう。そんなことをずっと考えてしまう映画。私はとても好き。
あと二階堂ふみさんの声が癖になる。子供っぽさのあるあの声が花にぴったりで、素敵だった。浅野忠信さんは目元も行為もセクシーさが溢れてます。是非。
圧巻の二階堂ふみ
少女から女性まで余すところなく演じる二階堂ふみが圧巻だった。
内容は安定していたし終わり方も余韻となにかの始まりを思わせるような悶々とする演出が好みだった、なにより流氷の綺麗さと白い雪の中での閉鎖感と親子の壊れた関係がいやらしい。
最初の濡場で血の雨が降る演出が不評だが、私的にはあそこから血の連鎖が始まるきっかけの行為ということで後から思い返した時に頭に残る演出で隠れた比喩のようなものを感じ好きな演出だった。
どうしようもない二人
あってはならない恋
とても悲しいはじまり
男と少女の生活
そして少女が成長するにつれ
男と女の生活に
とても甘く、後ろめたく、秘密の生活を楽しそうに過ごす二人
それはどこか現実味がない生活
秘密がばれてしまった途端に
その生活は次第に現実味をおびてくる
金欠
荒れる家
更なる犯罪
どんどん転落していく生活
現実味がなかったのは、おままごとのような、未来を考えないその場だけの甘く楽しい生活をしていたからだろう
そして、だんだん男は女に取り残されて一人暗い所に落ちていっているように感じた
女は少女の頃から、男を翻弄して操っていたように思う
男もまた、葛藤に負け、現実を避け甘い身近な罠に溺れていったのだろう
どうしようもなく、甘く汚く美しい二人だった
演技力素敵(OvO) 内容は、ドロドロ暗いな。 殺人罪で捕まらなか...
演技力素敵(OvO)
内容は、ドロドロ暗いな。
殺人罪で捕まらなかったのかな…?
何もなければ幸せに暮らせたのに
最初の感じは好きだったけどな。
本当の親子だったとは…
ラストのヤラシイ感じがまた…
結局親父にはなりきれなかったんだなー
今日からだ、俺はお前のもんだ
映画「私の男」(熊切和嘉監督)から。
全体的には、私の好きなタイプの映画ではないが、
さすがに、原作がしっかりしているので、
安定したストーリーで観終った感じがする。
(原作・桜庭一樹による第138回直木賞受賞作)
いつものように、タイトルが気になっていたので、
作品中に見つけようとメモをしようと待ちかまえたら、
意外にも冒頭、北海道奥尻沖地震で孤児になった少女に、
彼女を引き取った遠縁の主人公が呟くシーンがあった。
「今日からだ、俺はお前のもんだ」
その言葉を胸に刻んだ少女が大きくなって、
「私の男」として、物語は思わぬ方向へ展開していく。
「俺も家族が欲しいんですよ」「だって親子でしょ?」
「あれは、本当の家族ってもんだ」「同じ血が流れてんだよ」
鑑賞後にメモを整理すると、家族とか、親子という単語が
頻繁に使われていることに気が付く。
いろんなタイプの家族・親子があるんだなぁ。
思っていたより…
この映画には何となく大きな期待を持っていて見るのを楽しみにしていました。
もっと、重々しくてドロドロした作品かと思っていたところ、期待はずれでした。
作品自体のロケーションとかカメラアングルとかとても良かったのだけど、なんかなぁ…って思わすのは二階堂ふみちゃんが全然エロくないからかなぁ?笑
もっと、エロくて、ドロドロしてるほうがこの映画らしくなった気がするんだよなぁ。
「私の男」を観て・・
桜庭一樹の直木賞受賞の小説を映画化したもの。小説を先に読んだ。親子の禁断の愛、近親相姦をテーマにしているせいか、感想は賛否両論のようだ。映画では、浅野忠信、二階堂ふみの共演。父親「淳悟」とその娘「花」を演じる。
ここからはネタバレになるかも・・
奥尻島の震災で孤児となった10歳の花を若い淳悟が引き取る。そして徐々に愛情に飢えた親子が求め合うように・・
この作品で印象的だったのは、オホーツク海に浮かぶ流氷の上で、藤竜也が演じる親戚の大塩さんが「世の中には越えてはならぬ一線がある」と言い、それに答えて花が「親子の間で許されない事なんて、この世にあるの?」と叫ぶシーンだ。大塩さんは冷たい北の海に流され、親子は北海道を離れて東京に向かった。親子の禁断の愛は、殺人事件にまで発展してどこまでも悲しい。
映画では、赤い血液のような液体に濡れながら二人はお互いに求め合う。
この作品について嫌悪感で受け付けないか、文学として主人公に感情移入出来るかは観る人によって異なると思う。
小説は花の結婚式から遡るが、映画では震災からの時系列。
個人的には、優れた文学作品の映画化だと感じる・・
今ひとつ伝わってこない…
何となく言いたい事があるんだろうなってのはあるけど、今ひとつ伝わってこない…
結局、血は争えないってこと?
レンタルDVDで観たが、日本語字幕が欲しかった・・・
女は前進、男は後退。
淳悟が若い花に対して利己的な行動をとったのが悪いけど
たぶん基本的には女の方が自己中だ、っていうのが終始描かれてたような気がする。
女の方が置かれた状況に一生懸命だかまその場にとどまることなく進める。
ただ、過去を捨てたわけじゃなく保存できるから
最後のレストランでのシーンに繋がったのかなと。
一貫して女の強くて恐ろしい部分が描かれていました。
純粋な花のシーンにも、大人になってからの花を見ても、私の男というタイトルが、頭をチラついた。
花を演じた二階堂ふみの妖艶さには引き込まれ、素晴らしかった。
淳悟と花の関係はやはり観ていて気持ちのいいものではない、というかかなりの嫌悪感がありましたが、
なぜか美しく純粋なものに見えてしまい不思議な作品に感じた。
表現に少し無理というかわかりづらい部分があり、血の雨のシーンとか…がちょっと残念だったのでこの評価。
原作も読んでみようと思う。
怖い愛・・・
2人の近親相姦の愛を描いているのだが
何故 そういう愛に走ってしまったのかが
観ているものにはわからない
2人の人生にもう少し描いてくれて だから
こういう関係になったのかという 観ているものを
納得させるものがなかったのが残念で
鑑賞後も もやもやが 残った
どうやら 父と娘という関係らしいのだが
ということは 浅野が二階堂の家に 若い頃
居候したらしく その時に二階堂の母親と関係を持ち
それで できた娘なのか?
原作ものなので 全てを2時間の映画に収めるのは
難しい だろうから こうのような作りになったのか
2人のラブ・シーンも あそこは ブラはずすんじゃね・・・
というのもあり、人気女優なのでで 胸出しはNGなんでしょうね
ならば もう少し うまく 演出してほしかった
浅野 二階堂の演技が 良かっただけに 内容が
今一つのところが 残念だった
ちょっと衝撃的。
純愛と思って選んでしまったが・・これはサスペンスだった。衝撃的で中盤で言葉を失った。
流氷でのシーンはすごい。二階堂さんの白熱した演技は圧巻。
それ以外でも・・あの若さであんな濡れ場をやるとはー。本気を感じた。
浅野さんの演技力は安定感ある。そこに二階堂さんも負けず劣らず・・お二人の演技はすごい。。邦画ファンの私は満足でした。
雪・・・流氷・・の白のイメージ
そして血の赤
コントラストがすごくいい。
そんな表現の仕方・・勉強になった。
ちょっと怖い展開だし決してハッピーな作品ではない。
深みがあり、考えさせられる。
2人の行く末・・・ずっしり心響く
衝撃的な作品でした。
二階堂
とても生々しい二人の演技がやはり一番の見所。
流氷の件はともかく、あんなに派手に警官を殺して何事もなく暮らしてるのはなんかあれだったけども、ストーリー展開も意外にすんなりしてて分かりやすかった。
冗長だなと思ったセックスシーンも、まあその後の展開に重要な絡みではあるので許容範囲。
ラストはもう少し幸福か不幸かに振り切っても良かった気もするが、まあ原作を読んでないのでなんとも言えないところ。
原作は後追いで読んでみよう。
良い映画だった。
二階堂ふみちゃんと原作ファンです。
やっぱり原作と違うところがあると萎えてしまう。わたしはそういうタイプなんだな、と分かった作品。流氷などの映像も、二階堂ふみちゃんも良かった。ところでずっと花が主人公だと思ってたけどもしかして違うの…?
主演の二人の演技は凄いけど。。
原作を読まないで観ただけに、先入観を持たずに観れました。まず、主人公2人の演技が凄い。流氷のシーンとか、印象深い 見所は沢山ありました。
でも、全般的に話が荒削りな部分があるような気がしたのと、後味が悪い。
個人的には観客の想像に任せ切るのか、徹底的に悲劇で終わるかして欲しかった。
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