「これぞ、国恥映画!」私の男 bashibaさんの映画レビュー(感想・評価)
これぞ、国恥映画!
以前から、気になっていた映画ですが、横浜、関内の二番館で漸く、観ることができました。午前11時の回。観客は、なんと私ひとり。お蔭さまで大きな欠伸をしたり、思い切りくしゃみをしたり、ついでに鼻糞をほじくったり、思い切りリラックスして鑑賞することができました。しかしながら、結果から申し上げると、今年、最悪だった「アデル、ブルーは熱い色」、「渇き。」と並ぶワースト映画なのでした。
二階堂ふみが何故、あのような色情狂になったのか、その過程が一切、語られていませんでした。浅野忠信が何故、あのような色情狂かつ残虐な殺人者になれたのか、一切、説明がありませんでした。このように感情の湧き出し口が判らない映画(尤も、これは映画に限ったことではありません。小説にしても同じことです)は観ていて非常にフラストレーションが溜まります。このような異常な映画が海外で公開され、日本人は全員、近親相姦的な性行為をしているのではないか、と思われるのが、一番、危惧されるところであります。
最近の日本映画は露骨な性描写、残酷な暴力描写、殺人描写が余りにも多すぎます。過剰な刺激は早晩、飽きられていきます。そのことに気がつかない日本の映画人は一体、どこまで愚かなのでしょう。
最後の銀座での面会シーン、あれは、まさに蛇足でしょう。この監督はもっと、脚本を練り上げてから撮影に臨むべきです。
私はこの映画で初めて、二階堂ふみ、という俳優を見ましたが、自分自身を安売りしてはいけません。現在のところ、私はこの役者に大きな将来性を見出すことはできませんでした。
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