劇場公開日 2014年4月25日

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「圧倒的な疾走感、洗練されたキャラ、そして丁寧な描写。」アメイジング・スパイダーマン2 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0圧倒的な疾走感、洗練されたキャラ、そして丁寧な描写。

2014年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

興奮

良かった。

シリーズ2作目の強みを十分に活かした本作。
前作で語った説明部分を踏まえて序盤からアクション全開。
スパイディの視覚的な魅力といえば「蜘蛛糸によるスウィングアクション」。
街を駆け抜ける疾走感、躍動感は前作から増し増し。
予告編でも流れる上空からの落下シーンは衣装が微かにたなびく風の抵抗感も含めて迫力満点。
蜘蛛糸が壁面に接着した瞬間の若干後ろに引っ張られている感の動きも好きな部分です。

敵との対峙も前作の巨大爬虫類に比べると全体的に洗練された感がありました。
敵キャラの見た目の派手さは増し、対決シーンはより開放的かつダイナミックに。
新敵エレクトロは電光感も含めてカッチョ良かったです。
『デッドプール』感のあったスパイディのコスチュームも刷新され安心して観ることが出来ました。

またアクションシーンの格好良さに加えて話自体も良かった。
前作は現在のピーターが新たな力に目覚める英雄誕生譚でしたが。
本作は自らの過去も含めた存在意義を探る話であり、承認欲求の話でした。

主人公ピーターに関していえば前シリーズではあまり描かれなかった「ピーターである」必然性が描かれていた点。
そして敵側も含めて主要キャラが自らの存在意義や将来を見出そうとした結果、スパイディと対決する流れにはグッときました。
そういう意味では主要キャラの描き方、特にピーターとエレクトロとハリー・オズボーンの描き方は丁寧だったと思います。

そんな丁寧な描写の中で一際光っていたのがデイン・デハーン演じるハリー・オズボーン。
ピーター同様に呪われた運命を背負わされた彼の何処か影がある表情。
旧友であるピーターとの一時の安らぎ、からの或る事件での絶望。
出自は全く異なりますが映画「クロニクル」で演じていたアンドリューにも通じる哀しみが本作を大いに盛り上げていました。

圧倒的な疾走感、洗練されたキャラ、そして丁寧な描写で安定感抜群の本作。
個人的には戦闘中も軽口を叩き続ける本シリーズのスパイディの方が好きです。
絶望的な状況でも軽口を叩き気を張りながら闘いに向かうスパイディにグッときます。

奥行きを活かしたアクションシーンが連続するため、是非劇場3Dの大画面で観ていただければと。
オススメです。

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Opportunity Cost