「ホントに「クローンの攻撃」みたいだったが、恋愛パートはルーカスを鼻で笑えるほどイイ感じ」アメイジング・スパイダーマン2 しんざんさんの映画レビュー(感想・評価)
ホントに「クローンの攻撃」みたいだったが、恋愛パートはルーカスを鼻で笑えるほどイイ感じ
TCX&ドルビーアトモスで鑑賞。音いいねえ。
前作はその作られた経緯やそのデキからして、影の薄い「バットマン・ビギンズ」か「ファントム・メナス」との感想を持ったが、唯一のいいところとして、アンチ・ダークナイトな作風は好感を持った。しかし中身は今はまるで覚えていない。
確かに前作の評価はそんなもんだ。しかし本作の推測として、ダークナイト路線で行くのではないか?していたが、その方向性に行きがちな内容をあっさりと無視し、青春もの、として継続していった点は大きく評価。
アンチ・ダークナイト路線の継続は、スパイダーマンとして、マーク・ウェブ作品として、そうあるべきなのだろう。
印象としては、結構「クローンの攻撃」に近い。映像的にものすごく派手になり、チュッチュがあって、ちょっとだけ悲劇。
けれども、ルーカスと違う点は、ちゃんとイケてるにいちゃんとねえちゃんのラブ・ストーリーになっている点。
前作でもイケてる兄ちゃんのまんまで、それが映画として面白いのか?と思ったが、2作目もそのまんまなので、さすがに2作目だとキャラが定着し、リア充のドラマとして、まったく気になることはない。デート・ムービーとしての在り方として、むしろ王道。
キャストでいうと、アンドリューくんはジャージャー似でマイナスだが、デインくんがかっこいい。ほとんど逆切れの七光りぼっちゃんを好演。「クロニクル」や「メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー」のデハーンはまったく印象に残らなかったが、本作では、全キャストを食っちゃったな。
ダミアン・ソーン風のヘアと奇抜なスーツ・ファッション。奇っ怪な笑み、重役会議のオバカな振る舞い、失脚時の狼狽ぶり。いずれも素晴らしい。
変身後のがっかりメイクが逆に、むしろ素顔がゴブリンじゃねえかと思わせる。ひょっとして、ワザとか?
話題のアクションについては、不満はある。
ストップ・モーションはウザイし、エレクトロの攻撃をよけてるのはほとんど運じゃん?と思えるようなアクションシーンは正直キモい。
しかし、スパイダーマンのアクションは、攻撃ではなく、人々を守る、防御のアクションがメインで、その点は高評価。その点は他のヒーローモノと大きく違う点なのかもしれない。
エレクトロとのバトルは、よける、逃げる、災難から市民を守る、とみると、キモいのはちょっと我慢できる。
だからこその、ラストの突如訪れる「救えない」展開が活きる。
アクションの「絵」はばっさり嫌いだが、アクションの「内容」は好きだ、ということ。
本作を欲張りすぎ、という意見もあるが、根幹がまったく前作からぶれてなく、デハーンの怪演、エレクトロの引き立て役っぷり、そして、リア充のラブ・ストーリー、きれいにまとまっていずれも見ごたえあるものになっている。
そもそもラブ・ストーリーを否定するのってどうなの?そんなにリア充の浮かれっぷりを観るのが嫌なんだろうか?