麦子さんとのレビュー・感想・評価
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やっぱり恐い
堀北真希主演、ということで、本作、劇場公開時にはどうしても足が向かなかった。
「いや、堀北真希ちがうねん、吉田監督やねん」
という、まあ、行けなかったわけだが、レンタルもある種のAVを借りる覚悟でようやく鑑賞できた次第。
声優志望の女の子という設定や、松田龍平の兄の演出がとってもわかりやすかったり、「赤いスイートピー」の使い方にベタ感、を持たせていたり、いつもの吉田監督のアソビがかなり少ないのは、仕方ないところ。
それは、明らかに「堀北真希」目当ての観客層を狙ったもの。
しかし、
堀北真希級の女の子が歌手になる夢を追って、都会へ行くも、夢破れ、結婚し、離婚し、子供たちの生活費を送るため、ラブホテルの清掃員でせっせと働き、体を壊して、最後に自分の欲求を満たしたいので、無理に子供らに同居を迫って、あっけなく死んで行く。
麦子が遺骨を田舎へ、麦子を見て、皆、彩子、彩子と連呼する。
ああ、なんて恐ろしい映画。町のアイドルのなれの果て。
さすが、吉田監督。もう、恐怖映画の第一人者と言ってもいい。
そこからの「ほっこり」は、定番なのだが、悲壮感が強引にクリアされるのではなく、彩子さんの若い頃も演じる堀北真希の、アイドル感と親近感の絶妙さのおかげで、無理なく「ほっこり」させられる。
それは、堀北真希という女優の魅力、吉田監督の演出力によるもので、そこは本当に素晴らしい。
だけど、この映画を見て「感動」というのはやっぱり恵まれた人の意見、というのは変わらない。
しかし、置き時計には、こんなオレでも、いやこんなオレだからか、ほっこりする。
親孝行
余貴美子がお母さん役。堀北真希とは似ても似つかない感じだが、故郷に戻るとお母さんと瓜二つだったことがわかる。井本タクシー(温水洋一)の運転はむちゃくちゃで、警官とぶつかったりして、免許はく奪クラス!(笑)。そんな脱力系映画なのかと思っていたら、物語にどんどん引きずり込まれてしまう。
誰でも40代になれば青春時代が懐かしいもの。そこへ突然アイドル歌手志望だった彩子似の娘が帰ってきたもんだから大騒ぎ。そこから終盤にかけては脚本もイマイチのような気がしてたのだが・・・
旅館に泊まったはいいけど、埋葬許可証を無くしてしまった麦子。連泊する金もないので、役場の職員ミチル(麻生)の家に泊めてもらうことになった。結局、一人暮らしの彼女の家に泊まったことで、母と子の絆がじわりじわりと観客に浸透してくるのだ。ま、親孝行したいときには親はなし!といった内容なのだが・・・
親子のはなし
3パターンの親子の姿が
さりげなく見比べられる
母親の気持ちと、子どもの気持ちが
どちらも垣間見える作品
親離れって大切
究極に甘えれる存在って
やっぱり母親
甘え方も人それぞれで
観ていて和む
母親って強くて優しいし、
自己犠牲があって、
愛情深い
でも、みんな産まれたときから
お母さんじゃないから、間違えたり
弱気になることもある。
母親も人間で、子どもも人間
尊重しあうって、やっぱり大切
最後のシーンは、
お兄ちゃんも、麦子も
母親を認めて
親離れ出来たって事かな?
1回観るだけで充分な作品
感じる作品♡ほっこりあったかい♡
たまにはじっくり作品を見ながら心のなかで感じるのも悪くない。
母を題材にしているが・・・残された子供たちの微妙な心理がうあく描けていた。
兄も火葬場で泣いていた。許せなかった母なのに・・・やはり親の存在はかけがえないもの。
麦子は母の故郷を訪ねていくが・・まさか自分にそっくりだったなんて・・・生前の母を知るたびに心境の変化を感じる麦子に
感情移入していけると思う。
終盤、「赤いスイートピー」が流れ
麦子の表情も穏やかになってゆく。実にほっこりできた。
少しだけ・・・母のことすきになったのか?
そこは、見て自分たちで感じてほしい。
自分の親のこと、あまりわからないってこと確かにある。
亡くなってから気づくこともある
素直になれなかったこと・・・
親のことバカにしてたこと・・
いろんなことが劇中にもオマージュされていて見応えがあった。
観終わって心が洗われたような・・・
すがすがしい気分になりました。
あったかい作品です。
他人事じゃない
親を亡くした事と、子供に長い間会ってない事と、両方の立場に共感してしまう。長い間親に無視されている子供の立場だけは、自分ではないのだが、それも他人事ではなく、子供に連絡をしてもいいのかなと思わせてくれる素晴らしい映画だった。
常々自分の信条として「起こってしまった事は仕方がない」「人にはそれぞれ事情がある」と思っているのだが、それだけに後戻りできない決定的な事はなるべく控えようと思っている。堀北真希ちゃんが、子供の立場で麻生祐未に八つ当たりする場面は心が痛かった。
堀北真希ちゃんの髪を下した時の顔がやばいくらいかわいかった。でもかわいすぎて、ヲタクの気持ち悪さがあんまり出ていなかった。ヲタクのうざくて気持ち悪い感じは、中川翔子ちゃんがよかったのではないかと思った。堀北真希ちゃんと余貴美子は似ても似つかない。健康を害したり、つらい思いをするとあんな顔になってしまうのか、壮絶な人生を物語っていたのだろうか。
母と娘。
「ばしゃ馬さん~」でもそうだったが、シンプルな物語の中に
ドキッとする鋭い視点を当てて描くのがこの監督の特徴。
今作でも、娘の心の変遷が静かに語られる以外に起伏はない。
なのに鑑賞後の達成感!その爽やかさときたら。
これほどシンプルな話にグッときてしまうのは、身近な問題や
日常生活の苦悩が、描き方によっては、これだけのドラマに
できるというお手本。さすがオリジナル脚本に拘り、次々と
面白いドラマを生み出す監督だけあるな~と感じさせられる。
とはいえ、主人公の麦子さん(お母さんの名前かと思った)の
育った環境は厳しい。両親の離婚により、母親の顔も知らずに
父親の元で育ち、父の死で兄と二人きりになっても変わらない
兄の尽力で(?)麦子はすくすくと成長し、今ではアニオタ(爆)
声優をめざして専門学校に入るお金をアルバイトで貯めている。
そんな中、突然現れた母親・彩子。実は末期ガンだった彩子さん、
あれこれ世話を焼いた挙句、あっという間に亡くなってしまう。
実はその彩子が兄宛に生活費を送ってくれていたことを知り、
母親との距離を縮められないまま、酷い台詞を吐いてしまった
麦子は、苦い想いを抱えたまま母の故郷に納骨に向かうのだが…
麦子の於かれた状況からいって、すぐ母親に素直になれないのは
普通のことで、それでもまだ麦子は(兄にも迷惑かけていたから)
周囲の言うことを素直に聞いていた方だと思う。突然現れた母親に
我がままの一つも言ってやりたいと思うのは当然のことで、それでも
手作りトンカツを母親に食べさせるなんていう優しさにはグッとくる。
もっと母娘したかったろうに…ドラマは、麦子が彩子に抱いていた
母恋しさを取り戻すまでの日々を、丹念にゆっくりと描き出していく。
母親のことをババァ呼ばわりしていた兄が、火葬場で人知れず号泣
している後姿や、麦子が田舎で出逢うミチルや夏枝といった母親像の
描き方が秀逸で、押し付けがましく感動を煽ってこない。
彩子の過去もそこまでは掘り下げず、大きな理由を語るのでもない。
皆それぞれ抱えるものはあっても、それなりに前を向いて歩いている。
子供に苦労をかけられても、エヘッと笑って立ち上がる親の姿である。
麦子に突き飛ばされた彩子が頭を掻き、笑いながら「イタタタ」という、
(息子と夏枝の時も同様に)あの母親の描き方に泣かされてしまった。
母は、強し。いや、強くならなきゃやっていけない。
麦子はそんな一つ一つを前にして、少しずつ母親像を掴みとっていく。
どうして「赤いスイートピー」なのか。
なぜ麦子はアニオタなのか(しかも劇中アニメもオリジナルだって)
監督独自の描き方には謎も多いが、鋭い視点が見つめる家族観は
実に温かく健康的な面が多い。だから爽やかなんだろうか。
(目覚まし時計の役割がいい。彩子から麦子へ、大嫌いから大好きへ)
楽しい映画だけどいい映画じゃない
さんかくを以前に鑑賞してよかったので観ました。
さんかくが良すぎたという点もあるのでしょうがそれと比べてしまって3.5と4の間くらいの印象。以下良かった点と悪かった点
良かった点
堀北真紀以外の役者陣の演技がとてもよかったです。演技臭くなくて。特に松田龍平はよくいる兄ちゃんの感じがとても上手く出ていたと思います。またオタクの人が観てのあるあるが多く,そこはのめり込みました。
知らなかった母親のことをどんどん知っていって主人公が成長する姿は観ていて安心するし,自分の昔と照らし合わせたりして共感しやすかったです。
あとさんかく同様,誰もがいいとこもありダメなとこもありっていうのはやっぱりよかった。
悪かった点
いくらオタクでもバイト中にあんなことはしないだろよ
田舎の演出が微妙。いくら田舎でも人轢いたらあかんでしょ。もっと別のやり方があったはず
堀北真紀がきれいすぎて役のキャラに合わない。もう少し芋臭さがほしかったかな。例えばヒミズの二階堂ふみみたいな。堀北真紀も昔のイメージならね。。。
最後の赤いスイートピーがくどい。あれなしにしてもっと静かな終わりがいい。
化身
この作品は二部構成になっていまして、前半は殆ど初対面と言ってもいい母親との突然の同居に主人公が戸惑いで、後半が母の故郷を訪れた主人公と母の旧友達との人情劇、という構成になっています。
この作品のポイントとなるのは、前半で主人公が母親と和解も理解も出来ないまま、唐突に終焉を迎えるという点でしょう。
その母親との溝は、後半で埋められていくのですが、何せ当事者の一人である母親が既に物語から退場しているのですから通常の和解が出来る筈がありません。
この作品の秀逸なのは、主人公が昔の母親と瓜二つとする事で、主人公自身を母親のアバターにしている点です。
その為、母親を知ることが自身の内面、本心を知ることに繋がっているのです。
主人公の麦子は幾つもの夢を追っては、すぐに諦めて別の夢を追うということを繰り返していたそうですが、それは恐らく自分自身をすきになれ無かったからではないでしょうか?
だとしたら、あの結末の後の麦子はきっと夢を諦めずに負うことが出来るのでは無いかと思います。
吉田監督が母に捧げた懺悔的作品
吉田恵輔監督の前作「ばしゃ馬さんとビッグマウス」に続いて夢を追いかけるヒロインを主人公にしながら、単純ではない母と娘の関係を描き出してみせた作品。男女の関係を見つめてきたこれまでの作品にくらべるとゆるやかで温かな空気が満ちていて吉田監督にらしからぬハートウォームな仕上がりに戸惑う人もいるかもしれません。いつものぴりっと張り詰めた感情の応酬も、早々に切り上げて、俳優陣がすべて“いい人”オーラを放出。ぬるま湯のようで、居心地がよくもあるけど、じゃあそれで何が言いたいのか、突っ込みたくなるところはあります。
ただそんな感傷的な作品にも訳があって、撮影に入る2週間ほど前に、監督自身の母親が亡くなったという事情も、影響しているだと思います。ひょっとして本作は監督自身の親不孝を懺悔するための作品だったのかもしれません。
とにかく吉田監督作品は、「さんかく」で際だって描写されているように、痛々しいほどグロテスクな人間関係が特徴。この作品もご多分にもれず、前半の母親を実の子供たちが散々になじる場面では、散々に心が痛くなるまで徹底しています。何しろ実の母親に向かって死ねといって追い返すわけですから、残酷なほどトゲだらけ。でもそれが激しければ激しいほど、主人公の娘が母親の別な一面を見いだす後半は、その厳しさが深い味わいを返してくれることになるのです。
加えて吉田監督は、一つの場面が終わりきらないうちにブツッと切って次の場面に移ることが多いのです。問答無用の場面転換は、感傷に流されすぎず、ドライな映像とテンポのよさを感じさせます。でも本作のラストで『赤いスイートピー』のテーマソングが流れるシーンだけは異様に長い長回しで、監督自身が凄い感傷に浸っている感じがしました。
主人公はアニメ好きで、アルバイトをしながら声優を目指す麦子。父を3年前に亡くし、母は幼いころ離婚し家を出てしまっため、どんな人物だっかすら記憶はなかったのでした。兄の憲男と2人で暮らしていましたが、姿を消していた母親の彩子が突然現れて同居をせがむのです。
最初は、憲男も麦子も抵抗するものの、憲男がずっと生活費の仕送りを、彩子から麦子に内緒で受けていたことがバレて、止むを得ず一緒に生活することに。でも彩子の厚かましさとガサツさには、麦子は我慢なりませんでした。部屋の本を捨てたり、郵便物を無断で開けたり。何よりも自分たちを捨てたくせに、いっちょ前に母親づらして、口やかましく干渉してくることが許せなかったのです。そのため、ついつい冷たい言葉を彩子に投げかけてしまうのでした。
ところが、彩子は子供たちに隠していたことがありました。それは末期のガン。麦子たちに冷たく突き放されたまま、彩子は急死してしまいます。ショックを抱えたまま麦子は、納骨のため母の故郷を訪れます。降りた駅で拾ったタクシー運転手の井本から、若い頃の彩子が戻ってきたと勘違いされるほど、彩子とうり二つで似ていると指摘されるのです。
井本は霊園に勤める彩子の元友人だったミチルら親切な町の人を次々に紹介。町の人達から口々に、彩子が町のアイドル的存在だったことを知る。なかでも井本は彩子の熱心なファンだったというのです。あんなに嫌っていた母親が、若い頃はこんなに街の人から好かれたいたことが、麦子にとって意外でした。彩子の埋葬書類の不備が見つかり、しばらくその町に滞在することに。麦子は少しずつ、母親の過去をたどるのでした。
前半の室内劇と打って変わり、後半は、開放的な田舎町の風景がたっぷりと描かれます。複雑に揺れる麦子の感情を、手持ちカメラが鮮やかにとらえていきます。
母の作った同じレシピのおいしい混ぜご飯を独り食べるとき、母の親友だったミチルの案内で町を歩きながら昔話を聞くとき、旅館の青年と訪れた夏祭りの夜に不意に母の面影を感じたとき…。
その中で、アイドル歌手を目指していた母親の光り輝く青春が、声優を目指している麦子と重なっていくのです。漠然としか考えていなかった将来の目標が、麦子のためにと残してくれた彩子の貯金のおかげで、手が届く未来へと変わっていく結末。それは夢半ばで挫折した彩子が、娘に託した夢を叶えてねという無言のメッセージにも思えました。
本作には随所にシンメトリーな対比が用いられて、吉田監督の描きたいテーマを浮き彫りにしています。
「田舎と都会」、「過去と現在」、「反感と共感」。特に前半のシークエンスを後半でひっくり返していく振り幅の大きさがドラマを生んでいると思います。
主演の堀北真希は、麦子をクールに演じて、実の母親の彩子に対しても、一切甘えを見せない無表情さで、固さを感じてしまいました。それは決して長澤まさみのような大根(^^ゞという意味ではなくて、現代の若者らしいリアルティを感じさせてくれるものでした。故郷の町に入ってから麦子の表情が和らいでいく自然な演技は、すごく役にはまっていて、彼女のベストな演技として長く記憶される作品となることでしょう。
余談ですが、麦子がレンタルDVDショップでアルバイトしていたため、お勧めのアニメとして紹介される劇中アニメが本気すぎる出来映えということも付け加えておきます。 タイトルは『今ドキッ同級生』。吉田監督のアニメ好きが高じて、アニメーション制作を大手ProductionI.Gに依頼し、『劇場版ツバサ・クロニクル 鳥カゴの国の姫君』などを手がける川崎逸朗氏が演出を担当したそうです。
『今ドキッ同級生』は、主人公の女の子がヴァーチャル世界で科学の力を使ってバトルを繰り広げる物語で、すぐにテレビシリーズ全26話を始められるくらいプロットが固まっているとのことで、スピンオフされることが楽しみですね。
お母さん、ありがとう。
ストーリーの展開自体は良く言えば普遍的な、悪く言えば「ドラマでやれ」的な先の展開がやや読めてしまうものです。やや短かったのといい意味でのサプライズは無かった為、そこはマイナス。
とはいえ、普遍的なテーマなだけに誰にでも
共感は出来る内容だと思います。
日頃感謝を忘れがちな、お母さんとの関係を見つめ直すいい機会になるかもしれません。
またお母さんとの結び付きが強い方には是非とも観にいってほしいかな。
どちらかというと、主演の堀北さんより脇を固める温水さん、麻生さんがいい味を出しています。
お母さん、ごめんなさい。
いつもありがとう。
堀北真紀ちゃんの新たな開拓作品
麦子さんは迷って母の昔を辿って自分自身と照らし合わせてこれからの歩んでいく先に答えが出た過去も未来へのステップアップに成ることをこの作品から教わった気がします言葉を交わせる内に正直に伝えたいこの映画で新たに堀北真紀ちゃんはいろんな人物を取り込んで自分自身者にしてしまう女優さんだなぁと想います
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