「荒削りな演出を一流の俳優とVFXでカバー」グランド・イリュージョン マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
荒削りな演出を一流の俳優とVFXでカバー
4人のスーパーイリュージョニストたちが、大観衆の目の前で、遠く離れた銀行を襲うという奇想天外な物語。
もちろんタネも仕掛けもあるが、通常では考えられないダイナミックな描写による映画的な醍醐味を楽しむ作品だ。おそらくTVサイズでは、この映画は半分も楽しめないだろう。
その点、六本木で観たのだが、公開1週目は日本でも有数の大きなスクリーンでの上映でラッキーだった。
キャスティングでは自信家で早口のアトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)をリーダーとする「フォー・フォースメン」の面々もいいが、FBI捜査官のマーク・ラファロとインターポール女性捜査官メラニー・ロランのふたりが反目から徐々に惹かれ合っていく流れが、派手な演出にゆったりとした大人の時間を絡ませる。
マイケル・ケイン、大富豪でショーのスポンサーの役だが、この俳優さんはもうそこに立っているだけで画面が引き締まる。「ダークナイト」の執事ペニーワースとは趣の違う顔を見せてくれる。
ほかにモーガン・フリーマンもいて、ドラマ部分はやや俳優頼み的なところが見受けられるが、高い技術のVFXに助けられたスピーディーな展開は文句なし。
ある伝説に基づいたラストも悪くない。
やはりマーク・ラファロとメラニー・ロランがいい。作品の方向性を見世物からロマンチックなものにシフトした。
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