「リズミカルでファッショナブル」グランド・イリュージョン 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
リズミカルでファッショナブル
ネタバレ有りです。
ラスベガスからテレポーテーションをしてパリの銀行を襲撃、ニュー・オリンズでは大富豪の銀行口座から観客の銀行口座へお金を振り込む・・・。マジックの手法を用いながら、大胆な“犯罪”を繰り返すフォー・ホースマン、マジックのカラクリが解けないFBI、マジックのネタばらしを生業にしている元マジシャンそれらの人物たちが、複雑に絡み合いながら物語は進んでいきます・・・、そしてラストは?
物語冒頭のフォー・ホースマンの面々の“登場”のシーンは、リズミカルで、この先の物語に一気に引きこまれました。謎のタロットカードによりフォー・ホースマンを構成する面々は、とある一室に集合させられるんですが、謎のタロットカードって、何ごとも放り出して駆けつけなければならないと思うほど、権威が有るんですかね?その設定が、若干甘かった気もします。
いやぁ、それにしても、第一幕のラスベガスの舞台は、タネ明かしをされると、何かどこかで(オーシャンズ11)見たようなタネですが、非常に大掛かりで、盛り上がります。それに対して、ニュー・オリンズでの第二幕。お金をもらった観客たちは盛り上がるかもしれませんが、内容は、第一幕ほど興奮するようなトリックではありません。って言うか、トリックは明かされないし。でも、これが、結末に向けての伏線だとはね・・・。
物語の中で、端々に第5のフォー・ホースマンのメンバーの存在が仄めかられるんですが、まさか・・・とは。推理小説では、一番怪しくない人物を怪しめという定説がありますが、正にそういう事かも。
一つ残念な気がしたのは、ラストのシーン。メリーランドでのシーン。そこまでは、結構現実感のある、面白い話だと思っていたんですが、あれで一気にファンタジー感が出てしまって、ちょっと残念。もう少し、違う描き方なかったんですかね?
とは言え、中々リズミカルに物語が進んで、面白い作品だと思います。