フリア よみがえり少女のレビュー・感想・評価
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ダニエル(ボト)が幼き頃、父親が再婚しようと女性を子連れで連れて...
ダニエル(ボト)が幼き頃、父親が再婚しようと女性を子連れで連れてきた。その子供がマリオと妹のクララ。ひと夏を過ごした未来の家族だったが、クララが森の中で事故死してしまい、結婚は破談。その後、マリオと会うこともなかったので、突然の来訪にとまどっていたダニエルだったが、葬儀だけは参加。そこで出会った少女フリアをラウラが気に入り、児童施設に送られるよりは!と一時的に引き取ることになった。
最初はなんともなかったが「あなたを知っている」などというフリアが徐々に死んだはずのクララに思えてくるダニエル。やがてそれは彼に過去を思い出させ、悪夢にうなされることになってきた。しかしラウラはフリアがますます好きになり、養子縁組の可能性も出てきたのだ。ラウラを愛するあまり、なんとか悪夢を打破しようとするダニエルであった。精神的に苦しんでる夫のために3人で同僚の別荘で過ごすことになったが、そこでも悪夢は甦る・・・そしてダニエルとフリアだけになったときに、彼女を穴の中に埋めようとするのだ。
要はヨミガエリでも幽霊でもなく、時々会っていた祖母ルイサのせいだった。彼女がフリアをクララだと思い込み、過去を思い出させる記憶を植え付けてしまった結果のこと・・・過去映像が小出しに挿入されていたが、事故死には違いないが、その後にマリオとダニエルで墓地に埋めてしまったという過去。贖罪なんてものはない。怖くもないのだが、妹がいる自分もいろいろと思いだしてしまい、ストーリーにのめり込んでしまった(^^ゞ
人は怖い
養子に迎え入れた少女フリアが主人公のあることと重なり、昔のことを思い出すかのようにして狂わされていく話だ。「罪悪感」の考察的解釈とでも表現しておこう。ホラーという解釈とは少し異なるが、このテーマと結末から考えると、誰にでも起こり得る恐怖だろう。誰にでも過ちはあるだろうが、一生心に残るような過ちは犯すべきではない。それがあるが故に新たな罪を犯すようなことにも繋がりかねないからだ。
予備知識なしでオカルトホラーを想像していたため、少々肩透かしだったが、自分の人生でしてきたことを振り返る良い機会を与えてくれた作品だった。スペインはこういう上質な作品を多く送り出している。スパニッシュホラー/サスペンスの製作陣は皆かなりセンスを持っていると個人的には感じている。本格的なホラーが観たい日には本作は明らかに不向きだが、ワインでも飲みながら深夜に観賞するのに合っている作品だろう。
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