「意外にも主役は・・・」人類資金 マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)
意外にも主役は・・・
厳しい査定のもと、有資格者とみなされた個人や企業に対し有利な条件で資金提供されていると噂される“M資金”を巡る攻防を描いた物語で、その規模は国際的。
役者の顔ぶれも凄い。
ただ、これだけ見知った顔が並ぶと、逆に話が嘘臭くなる。それぞれが定位置に収まり過ぎて、面白みもない。
ただ、金融ブローカーを名乗る詐欺師役の佐藤浩市が主役かと思っていたら、意外にも謎の男“M”の部下を演じた森山未來がホンモノの主役で意表を突かれた。
守山未來演じる石優樹は、実は意味もあってのことなのだが、感情を押し殺した目で喋りのトーンが低く、物語に重みと現実味を加えている。作品が上っ調子になるのを堰き止めた功績は大きい。しかも、なかなか動きがよく、アクションもこなせるところを見せた。
もうひとつ特記したいのがカメラだ。どのカットも次のカットに繋がる目的意識を感じる。登場人物が写っていなくても、その意識が伝わってくる。
金融界の専門用語が出たり、話がややこしいところもあるが、スケールの大きな群像劇として楽しめる。
思いがけないラストは泣ける。
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