劇場公開日 2013年10月19日

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「【”M資金”について、深く追求する作品かと思ったら、見事に肩透かしされた作品。】」人類資金 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0【”M資金”について、深く追求する作品かと思ったら、見事に肩透かしされた作品。】

2020年2月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

幸せ

 今でも、”M資金詐欺”が多数存在する。
 古くは、全日空事件、グリーン資金事件、皇室資金事件・・・

 所謂、旧日本軍の隠し金であった、”M資金。

 今作の評価が低いのは、納得できる。

 ”M資金”を題材に取り上げ、そしてロシア、アメリカ、タイと舞台を変え、現代と1945年を行き来しながら描かれる”M資金”に関わった人々の姿。

 だが、福井晴敏原作の”人類資金”自体が”亡国のイージス”レベルではなかったことに加え、今作の脚本に福井晴敏自身が絡んだ(勿論、阪本監督も脚本を手掛けている)事が宜しくなかったのは、間違いない。

 観る側に、様々な意味ありげな問いかけをしながら、後は皆さんのご想像にお任せします・・、というモヤモヤ感が半端なかった作品。

 実は”M資金”同様に、監督、原作者とも結末が見えていないにも関わらず、無理に”大作感”を出そうとしていた作品だと思った。

 エンドロールが流れ始めた時点で多くの観客が席を立ったが、客電が上がるまで席にいた観客の多くが、”????”という顔をしていたのが、印象的であった。

 今作が若手監督作であれば、レビュー内容は変わるが、邦画を牽引するべき立場にいる監督作である。

 きちんと、観る側が楽しめる(腑に落ちる、学べる・・・)内容の作品を製作して欲しかった思いが今でもある。

 ”自己満足で許される映画は、学生が作る自主製作作品までである。”

<2013年10月29日 劇場にて鑑賞>

NOBU