劇場公開日 2013年8月17日

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「主役2人の感じる別格のオーラ、若手の頃に撮られた故のタペストリー的作品」スクールガール・コンプレックス 放送部篇 たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5主役2人の感じる別格のオーラ、若手の頃に撮られた故のタペストリー的作品

2021年3月1日
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鑑賞方法:VOD

単純

売れに売れている門脇麦と森川葵。彼女たちにとっても割と初期の作品。この作品が公開されてから8年経つこともあってか、もろもろ新鮮。脚本も『喜劇 愛妻物語』で評価をあげている足立紳なのも含め、新鮮だった。

元々は写真集が原案。女子高生同士の魅せる距離感の近さとひらひらと揺れる心模様に、不可侵な百合を感じるといった作品なのだろう。見たことはないけど。そんな原案から生まれた、放送部を舞台のラブストーリー。何かと感情のフレームが見えないのが残念だが、主演のふたりのオーラは別格。森川葵はまだあどけない印象を受けるが、門脇麦はドシッとしてブレない。この作品のあと、『愛の渦』で一気に評価を上げたわけだが、そのポテンシャルが垣間見える。掴み所のない一方、秘密を持った女の子を演じている。

さて、内容はというと、あんまりないように受ける。瞬間で光る描写は写真集譲りで美しいのだが、どうも刺さらず。百合が乱立することに関して違和感があるし、前提として"百合だから"みたいな部分の違和感はある。青春に恋を絡める辺り、違うな…と思うし。そう考えると、『喜劇 愛妻物語』ってなかなか面白い。それはそうとして、終始流し見でいいやと思える作品だった。キャスト目当てなら全然あり。新木優子も出番は多くはないものの出ているし。

ある種のタペストリー的な作品として楽しむのが吉。ここの主要キャストが皆芸能活動している訳ではないし、8年も経てば必然的に人は何度も分岐点にたっているだろう。そういう意味でも、映画としては大事なエッセンスを含んだ作品といえる。

たいよーさん。