「いいんだよ!いいんだけどね!」ザ・レイド GOKUDO cani tsuyoさんの映画レビュー(感想・評価)
いいんだよ!いいんだけどね!
インドネシア発のアクション映画の歴史に名を残した前作の続編でバジェットも増え、日本のヤクザが絡むし、前作の人気キャラであるマッドドッグ役の俳優も続投ということで、そりゃ観るしか無いわけです。
相変わらずのフレッシュなアクション表現、前作では予算が無かったから出来なかった町の様々な場所での戦闘、カーチェイスなどが観れてそりゃいいんだが、何か物足りない。いやありすぎる。
そう、持て余しているのだ。この映画。
前作は予算故に犯罪者ばかりが住む九龍城のようなビルでインドネシアのスワット舞台が極悪犯罪者を殺しに行くという点に限定していた。
そのため空間的に限定された中でのフレッシュなアクション、いつ殺されるかわからない緊張感、廃墟ビルの上に上がるごとに強く&魅力的な的が出る感じがハラハラドキドキしたのだ。
その予算が無い故の工夫が映画をタイトかつフレッシュにしていたのだ。そしてそれは僕的なレイドがレイドたる『レイド性』だったのだ。
しかし今作は中途半端に予算がつき、監督も「色々やってみたい」となってしまい、レイド的なアクションシーンが薄まってしまった。
さらに前作で人気だったマッドドッグ(今作では役名は違う)が同じようなキャラなんだけど、マッドじゃない普通の側面、「市民としてのマッドドッグ」をみせられるのだ。
俺はそんなの観たくねーんだよ!マッドドッグは狂気に満ちた説明つかない存在じゃないとダメなんだよ!
という観客諸兄諸氏もいたんじゃなかろうか?
またせっかく日本人キャストを入れたのにも関わらず、もったいない使い方だし、漁父の利役でしかないしで。。。
ストーリーとしても荒削り感が目立つのが残念すぎる。
しかし2単体で観れば確実に上がるし、やっぱりアクションも素晴らしいので、オススメです!