ビフォア・ミッドナイトのレビュー・感想・評価
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1301番目は光栄
ロマンス性は薄れ、これが結婚の現実???
1作目はテレビで、2作目は劇場で、3作目はDVDでの鑑賞となった。1作目はよくある話だけど、楽しく観られた。個人的に2作目が一番好きだ。終わり方が中途半端だったけど、次にどうなるのか予測がつかなかったので・・・ それからまた9年、どんな映画に仕上がっているかと思いきや、かなり辛辣な内容。二人とも老いて、一緒になっていて双子がいるのはうれしかったが、順風満帆というわけでもなく、波乱含み。やっぱり会話中心な内容で、それがこのシリーズの最大の魅力。何だかんだ言っても口に出さないと、人に伝わらないことは多々あるので、お互いが本音で話せるのはすごくすてきなことだと思う。しかも、セリーヌが女のつらさをきちんとジェシーに訴えているところがすごいと思う。男目線の映画が多い中、女が描けている。ジェシーとセリーヌ、いい夫婦だね。
垂れても剥げても二人は一緒。
ビフォア・サンライズ、~サンセット、に続き今回はミッドナイト。
驚いたことに二人は結婚し、双子の女の子を儲けていた。
ときめく出逢いも夢のような再会も今回はまったく描かれない^^;
冒頭で前妻との息子を空港まで見送り、彼らはギリシャへと向かう。
せっかく友人の招きでバカンスを楽しみにきたというのに、二人は
車中にいる時から口喧嘩ばかり。しかし、これが夫婦の現実!だと
認識できる年代には大ウケの作品である。全くもって見事な演出。
40代の中年夫婦ともなれば、やれ恋愛にときめいている暇などない。
気がかりは前述の息子のこと、仕事のこと、娘たちのこと、引っ越し、
次から次へと問題は変わるが、二人のテンポはまったく変わらない。
とにかく監督と主演二人の息がピッタリなことが分かる。
長台詞がアドリブとも思えない、ひょっとして本当の夫婦か?と思う
ほどのリアリティが、二人の容姿、振舞い、態度、台詞から湧き出る。
特に頷けたのがホテルまでの道のり、やや柔和な顔になった二人が
手を繋ぎ「アラ?私たち、仕事と子供以外の会話をしているのね!」
と驚くシーン。ホテルに到着し愛し合うつもりが、また口喧嘩になる。
そこでケータイが鳴ってしばらく場面が続くのだが、その間セリーヌは
上半身だけ丸出し!(爆)J・デルピーの垂れた40代の身体が超リアル。
確かに夫婦で同室にいれば裸になって歩き回ることなど何てことない。
もうそんな恥じらいもクソもないんだぞ。がこの一場面で愉快に表現。
ジェシーもどうなの、そのだらしないシャツの入れ方は!狙っている
のだろうが、そんな細かい表現が巧すぎて苦笑いと同時に愛着が湧く。
こんなくたびれた二人など見たくない。と思った人も多いだろうが、
十中八九誰もがこうなる。惚れた腫れたの時期を過ぎ、互いの欠点を
否応なく見せつけられる生活が続き、妻は過去の話を持ち出して夫を
責めまくる…このリアルに対する夫の最終手段が小粋でまた憎めない。
何があっても、一緒に生きていく意志は変わらない。
だからこそ、大好きな人と結婚すべきなのだ。覚悟はそこで決まる。
今でも私を誘う?の愚問には大笑い。でも聞いちゃうんだよね、絶対。
夫婦になった2人
だいすきシリーズ
彼らの行く末を見守らずにはいられません!
もしも誰かが、私に生涯観た恋愛映画の中でベスト5を選べと言われたら絶対にその中に「ビフォア・サンライズ」は選ぶ。
それ程、このイーサン・ホークとジュリー・デルビーの2人のキュートな魅力が弾けていた「ビフォア・サンライズ」は正に大ラブロマンス映画の代表作だと信じて疑わない!
したがって、このイーサンとジュリーが演じているジェシーとセリーヌと言うカップルの行く末を見届けなければ、2人のキャラクターのファンとしては気が収まらない。
言ってみれば、もう私は彼らの親戚にでもなってしまったのか?と言う程にかれらの今後が気になるのだ。
18年前に主人公のアメリカ人青年ジェシーが、旅先のヨーロッパでセリーヌと言う可憐なヒロインに出会い、一目惚れ!
何と本当にロマンチックな事だろう!2人は決してこの恋を忘れる事が出来ずにいる。
勿論住むお国も違う2人は全く別々の人生を歩んでいるけれど、心の片隅から、あの日の想いを捨て去る事が出来ずにまた出会う。
そして3度目の正直と言う本作では一体2人はどんな再会を果たすのかと思っていたら、やっぱり結婚していてくれた!
この事は、このシリ-ズ大ファンの私には待ち望んでいた当然の結末だった。
映画の中では、こう言うハプニングに展開しても全然気にせず、大歓迎と言う事だ。
だが冷静に現実問題として考えてみると、もしも自分の結婚相手の心の片隅から、何時までも若き日の一目惚れの恋の相手の存在が消える事がなかったなら、何だかとても寂しい気持ちになってしまうだろう。
そしてこのジェシーとセリーヌにとって、2人の出会いが只の大切な過去の思い出として、心の奥底に終い込んでいる出来事だけなら良いのだが、その好きだと言う気持ちがその後も少しずつ育ち、決してその募る想いを捨て去る事が出来ないこの2人ならば、やっぱり本作の2人の様に再婚していてくれた2人に心底安堵した。
これこそ自然の成り行きで、お互い離婚した相手の人には気の毒だが、お互い4人の幸せの為である。
しかし、この映画はベストビューのロマンチックなロケーションで撮影されている事も勿論魅力なのだが、何と言ってもこの映画の本当の魅力は、2人が交わす会話こそが、この映画の命そのものと言っても過言ではないのだ。
英語に堪能な人はこの2人の会話の微妙なニュアンスも理解出来るのだろう。だがこの作品では私の様に英語苦手なファンには、特に字幕翻訳家の方のセンスの良し悪しが問われてしまう難しい仕事であると思うが、面白く観られたので翻訳家の方に感謝している。
何と言ってもこの作品の監督のリチャード・クレイターとイーサンとジュリーが共同脚本を執筆しながら作品を仕上げているわけだから、もうこの映画のジェシーとセリーヌは彼らにとってもライフワークになり、今後も彼らの素敵な行く末をきっと魅せてくれるのだろう。多いに今後に期待して良いシリーズ作品だ!
最期に余計だが、私の生涯のベストラブロマンス作品は以下の通りです。順位は映画好きの私には点けられないけれど、この4作品を「ビフォア・サンライズ」と共に推薦しますね!「ローマの休日」「恋人たちの予感」「ゴースト」「小さな恋のメロディー」
「小メロ」は子供の恋愛劇で本当のラブロマンスと言えないと言うのなら、D・リーン監督の「旅情」も、旅+一時の恋の思い出、大人のメルヘンとして最高の映画ではないかな?
「風と共に去りぬ」はラブストーリーでは有るけれど、大河ドラマだよね?
未婚者目線ですが...
綺麗事じゃ、終わらないのが男と女…
サンライズ、サンセットに続く、9年振りの続編。
いやはや…このシリーズの強みは「時間」。
それを現実の加齢と、夫婦として過ごす時間の描写に活かし切ったのが見事でした。
前二作があるから、今この作品が物凄く現実味を帯びていて。
この作品を観たから、前二作が余計に愛しくなる。
そんな安くない続編モノの鑑。
役者さんは本当に大変だったろうな…としみじみ思う相変わらずの会話劇も、冴え渡り…
物凄く痛かったわ!涙
今の私には痛すぎて、☆半分マイナス。
そんなラスト1/3が鬼のように痛かったのも。
男と女のギャップのあるあるを見事に汲み取ってるからなんですよね。
ラストへの結びがとにかく見事。
願わくばまた9年後、二人の「今」に会いたいと思える作品です。
…って、バツ無し子無しのワシ。
劇中の二人と同年代なんだけどね!
18年かかって気付いた事実に、今は震えます…
こんな魅力的なコミニケーションを私は体験したことがない。
長いタイトルですが、下記の内容と繋がりはありません。すごく個人的な願望ですので、流してください(。-_-。)
この映画は1995年の「ビフォア・サンライズ 恋人までの距離」から2004年の「ビフォア・サンセット」、そして今回の「ビフォア・ミッドナイト」という9年ごとに製作されてきた恋物語である。
このタイトルの日本語訳が、『ビフォア』というのは『前』、『サンライズ』が『日の出』、『サンセット』は『日没』、そして『ミッドナイト』が『午前0時の真夜中』という意味だと思われる。
今回鑑賞した「ビフォア・ミッドナイト」を簡単に説明すると、1995年の「恋人までの距離」で出会った20代のアメリカ人男性ジェシーとフランス人女性セリーヌの二人はウィーンの町で一日過ごすことになる。そして2004年「ビフォア・サンライズ」で9年後に再会を果たすが、セリーヌは彼氏を、ジェシーは妻と4歳の子供がいるのだ。あの時のウィーンの一日の恋は夢に消えていくのか。そして今作、2013年の「ビフォア・ミッドナイト」ではジェシーとセリーヌの間に生まれた双子の娘を持ち、結婚していたジェシーの妻とは離婚していたのだ。
物語はジェシーとセリーヌと双子の娘が、ギリシャにある作家の友人の家に招かれて休暇の間そこでバカンスを楽しんでいる所から始まる。
という感じで、やっぱり前回と同じく今作もこのジェシーとセリーヌのコンビが本当の会話のようによく喋るよく喋る、その会話が都合よく進むわけでもなく、キャラクターの互いの心境を計算しつつ微妙にズレている。理解があるように見えるけど、ジェシーは本音の部分である亀裂をえぐらない。セリーヌは本音を聞きだそうとするが、ジェシーはこれを言ってしまうと相手を怒らせてしまう、と何とか本題から避けていく。この長年連れ添った夫婦の会話のリアリティーがこの映画の核になっている。
例えば2人がホテルに向かう途中でセリーヌが「この先56年も一緒なら、私の何を変えたい?」と聞く場面でジェシーは「俺の性格を変えようとするところ」と言う。ユーモアがあり、かつ本音を語っているのだ。
他にも、会話の中でジェシーは娘のりんごを食べて、「これは家族の助け合いを教えているのだ」と屁理屈を言ったり、ヘリウムガスを吸ったものまねをしてセリーヌを茶化したりと、41歳になってもどこか子供っぽさがぬけていないところがある。そしてセリーヌは馬鹿なシモネタを言ったり、馬鹿なフリをしてみんなを笑わせたりする。心の奥底に自分の賢い部分を隠してしまっているように見えるのだ。
しかしこれは互いが真面目な話し合いをすると、どうしても険悪な空気になってしまうからだと、長年の互いの経験で知ったからではないか。ジェシーは元妻との息子が14歳という複雑な年齢だからそばについててあげたいと思っている。しかし元妻とは裁判で戦っている途中のために、セリーヌと住んでいるパリに連れて行くことはできない。どうすればいいのかセリーヌに聞いてみると、「私はアメリカにはいかないわ」とセリーヌがパリから出ることを大反対する。それに対してジェシーは「アメリカに来てくれとは言っていない」と言う。その口論が始まると互いは本音で語り合い、自分の望みを打ち明けあい、その先には破局のにおいが漂っている。
ここで他の映画の話をして申し訳ないが、キューブリックの映画に「アイズ ワイド シャット」というタイトルの恋愛映画がある。このタイトルは「Keep your eyes wide open before marriage, half shut afterwards.」というアメリカの格言のもじりで、意味は「 結婚する前は目を大きく開けて彼(彼女)を見なさい、だけど結婚した後ならば目を半分閉じて彼(彼女)をみるのよ 」という。
私の解釈になりますが、この「ビフォア・ミッドナイト」の二人が愛を継続させるためには相手を変えようとするのではなく、時には間違っていても自分がどうあるべきかということだと思いました。
しかし、疑問に思うのが二人があまり双子の娘を愛していないように見える点ですかね、セリーヌは子供が生まれたとき「唖然としてしまったの」って言うし、ジェシーはベットシーンで「娘のことなんて心配じゃないよ」って言う。子供の存在ってこんなにも夫婦を苦しめるのかと思うと複雑。だけど夫婦の仲がよいことは子供たちが何より望むことだと考えると、親が子供を愛する場面よりジェシーとセリーヌが真実の愛を模索する場面のほうが重要なのかもしれない。
他にもみんなで食事をしながらの魅力的な会話についても書きたいですが長くなるので最後に、前作ではノミネートだったけど、今作のアカデミー脚本賞では受賞して欲しいと思います。
今回、一度見て書いた感想のため、登場人物のセリフが間違っていたり、変な解釈をしている事があります。その点についてはご了承くださいませ。
理想と現実、どちらも大切かな
少し頭痛をガマンしての鑑賞だから、普段より厳しい感想になるかもしれません。
最初から最後までずーっと喧嘩している二人。笑いながら、時には涙しながら、観ていました。どこの夫婦にもありがちな、喧嘩。
それだけなら、たぶん、うるさくて耳を塞ぎたくなると思います。
そうならないのは、ところどころちりばめられたハッとする言葉や、デルピーの演技力のおかげかも知れません。
作家達と会食中、未亡人が語る場面は、とてもきれいな言い回しで心に残りました。
幸せな結末
堪能堪能!堪能ですよ!堪能でしかないでしょう!五つ星あげちゃう!
自分、本当ね、前二作が大好きでジェシー&セリーヌのファンなんですけども、結婚しちゃってたか!ていうね。おめでとう!ていうね。
舞台もいいですね。前々作ウィーンと来て前作パリと来て今作はギリシャときたもんだ!てな感じでね、毎回毎度の風光明媚!お洒落感増し増し!ニクいね!なのに観光案内一切ナシ!メインは飽くまでこの二人!ニクいよ!
もうね、そういう要素だけでも嬉しいのに、あの軽妙な漫才が健在!どころか更なる磨きを掛けられてベテランの域に達してるんですよ!ずっと顔がニヤニヤしっぱなし!で、前半戦は観ておりました。
で、注目すべきは後半戦ですよね。
今まで無かった新要素が付け加えられたというか、前二作はほら、もうファンタジーというか、フワフワしたメルヘンの夢心地での掛け合いだけだったのが、今回は結婚しちゃってるもんで、ファンタジーからリアルに昇格(降格?)。マジモンの夫婦喧嘩を入れちゃうというね。セリーヌなんか暫く乳放り出したままだし、幻想感が消え失せて、後半はひたすら生っぽい。
ジェシーの言うことも大概なんだけども、特にセリーヌが「あんたそれは言うたらあかんことやで」的なタブー要素含んだ発言をポンポン吐いてくるから、観てる我々も、こう、固唾を呑むというか、ハラハラしながら鑑賞するっていう。
この丁々発止観てるうちに、何だかあの悲劇の名作『ブルーバレンタイン』なんかも思い出したりしちゃってね。なかなかにスリリングな体験でしたよ。
んで、そこから迎えるあのラストがいいですね。素敵なオトシドコロに着地したというか。ま二人の抱えた問題は解決されず棚上げされたままだけども、そういう幕の閉じ方もこのビフォアシリーズらしい。
いやぁ~、しかし、しかしね!ボリューミーでしたね今回は!満足度高いですよ!つか。最終章なんて銘打ってますけど、これ、続編やるべきですよ。50歳のジェシー&セリーヌ観たいですもん。二人の子どもの、あの、可愛い双子ちゃんも。
もう一度言います。堪能堪能!堪能ですよ!堪能でしかないでしょう!続編よろしく!
第1作の一番最初のシーン
二人が口論する場面で感じたことは、映画の前半で出てきたジェシーの台詞、「既視感」。
このシリーズの本当に最初の、二人が最初に交わした会話のきっかけ、中年夫婦の列車車内での口論。
口論のテーマは違えど中身は同じようで、二人がその夫婦について交わした会話を思い出し、「お互いの言葉が聞こえなくなる」という台詞(だったかな)の深みが増した。
年齢重ねるのも悪くないと思った
このシリーズは未見だったので事前に過去2作を一度にレンタルして今作鑑賞に臨んだ。1作目は「若いっていいねえ、タフで」と感心。笑…しかし女性の方の「ほら、あれがこんなで…そう思わない?」の思考の説明台詞が翻訳のせいなのか、私が既に年寄りなのか、全く理解不能だった。(多分後者)
2作目…喋る、喋る。喋りっぱなしやん…あまり内容を覚えてないがジュリーのラストが全てをさらっていった!
そして今作…また喋りっぱなしかと思いきや…基本そうなんだけれど、会話の芝居が台詞も含め物凄く濃く、面白くて一番集中して観てしまった。
特にグループで話しているシーンの各人の芝居が素晴らしい。
また会話の内容が大人でないと実感出来ない部分があり、それが各人を魅力的に見せている。
いや、年とるのも悪くないよねって思った。
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