「渋い、でも見せ方が微妙で意外性も薄かったのがちょっと悔やまれます」ブロークンシティ スペランカーさんの映画レビュー(感想・評価)
渋い、でも見せ方が微妙で意外性も薄かったのがちょっと悔やまれます
普通には面白かったけど・・・ホント良くも悪くも普通にはって感じでしたね。
内容の割に意外性も相当薄かったような、それでいていまいち分かり難いと言う・・・まあ結末は別にして、とにかく何かこうモヤモヤ感が残ってしまう映画でしたよ。
それでも普通には面白かったと思えたのは、間違いなく役者の魅力に他ならないでしょう、地味な小品なのにマーク・ウォールバーグとラッセル・クロウの骨太な対決が見れて、更にはキャサリン・ゼタ=ジョーンズも絡むと言う、何とも言えない豪華さ、これだけでも内容ド返しで見る価値アリと言えましょうか。
逆に言えばキャストでハードルが上がりすぎた分、思いのほか内容は普通だったと感じてしまった感も否めないんですけどね。
しかし見せ方がどうにも上手くなかったような、劇中いろいろな名前が出てきましたが、名前と顔が微妙に一致しない為、肝心なところでそれ誰だっけ?みたいになってしまい、個人的にはもう一つのめり込めませんでした(単に私の記憶力が悪いだけかもしれませんが)
もっと見る者に深く印象に残るような上手い見せ方をしていたなら、多少は違っていた気がしないでもないのですが。
まあでもやさぐれ探偵のハードボイルドチックな作風自体は好きな作風だったので、いまひとつしっくりこないながらも、自分を取り戻そうと悪に立ち向かう主人公の奮闘劇は、何だかんだでそれなりには楽しめたんですけどね、マーク・ウォールバーグはこんな渋い役も意外と嵌ります。
でも一番の嵌り役はやはり悪徳市長役のラッセル・クロウでしょう、おかげで意外性が薄くなってしまいましたけど、圧倒的な存在感・威圧感で相手を絶望の淵へと追い込むその雰囲気はさすがの一言、特に市長選の討論会は圧巻でした、対立候補のバリー・ペッパーが物凄く小物に見えましたもん、現市長はきな臭いと思わせつつも、この討論会を見ていると結果は・・・な感じは、見ていて何だか物凄くリアルに見えましたよ。
とは言え、政治ドラマ、探偵物としては、複雑に人間模様が絡み合いながらも、目新しさはなく至って普通、ホント役者の魅力で楽しめた映画って感じでしたね。
ただ市長夫人のキャサリン・ゼタ=ジョーンズの使い方はやや持て余し気味だったか、後半はほぼ空気と化してしまったのが何とも惜しい。
主人公夫婦の話もやや時間を割きすぎだった印象で、そこに時間を割くならば、探偵と助手の絶妙なコンビの活躍をもっとじっくり見たかったかな。
あの助手を演じたアロナ・タルは初めて見た女優さんでしたが、美人だし演技も上手いしもっといろんな映画に出てほしい女優さんですね(海外ドラマは多く出ているようですが)
おかげでラストは何とも味のあるラストに、後味スッキリだったのはまあせめてもの救いだったと言えましょうか。
市長の奥さんのからみが少なかったり、タガートの奥さんのケンカの話はなんだったのかわからなかったり、内容を広げれそうな人物がいたりするわりには、本筋にからんでこなかったり、意外性もあまりないわりには、イマイチ人物の名前がわからなかったりなど、全体的な感想のポイントが一番私と近かったので、コメントさせてもらいます。
特に、助手のアロナ・タルは魅力的だったし、いろんな作品に出て欲しいですよね。
登場人物の名前の印象付けは魅せ方としてもう少し工夫して欲しいですよね。回想シーンを挟んだりとか。
探偵事務所で取り立ての電話をしてるときなんかは「あとは、ケイティと話せ」とタガートが言ったあと、電話を代わった助手が「ケイティよ」と名乗ってから話し出すシーンを入れたりと、助手の名前の魅せ方だけ良かったですね。
余計なことですが、
>>キャサリン・ゼタ=ジョーンズも絡むと言う、何とも言えない豪華さ、これだけでも内容ド返しで見る価値アリと言えましょうか。
おそらく「ド返し」は「度外視」だと思います。