「面白い!が、中途半端。」マッドマックス 怒りのデス・ロード はなせれぶさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い!が、中途半端。
御歳70歳ジョージ・ミラー渾身の力作。V8を讃えよ!
ノンストップのカーアクション(車上アクション?)魅了的なキャラクター、圧倒的世界観。
映画を見る。という本質的な楽しみがこの作品にはある。
しかしこの作品は中途半端である。バカ映画にあるべきポイントが抜けている。もっと振り切れれば最高のバカ映画になったかもしれないのに。非常に残念だ。
キャラクターも良いアクションアイデアも素晴らしい。だけれども細かなディテールは不必要だ。
敵役はとことんMADでトンデモ戦法ひゃっはー!してひでぶすれば良い。悪役の感情や戦闘員の悲哀などあってはならない。
あのボスは結構優秀な支配者だったんじゃないか?こいつはこいつなりの覚悟で命を賭したんだな。なんて考えを与える様なディテールや描写は断じて描くべきではないはずだ。
汚物は消毒だぁ!と言いながら宙に舞い汚い花火の様に弾け飛ばなければならない。
いくらグロ描写を避けているとはいえ、魅了的な悪役の最期はいちだんと魅力的であるべきだ。あんなにMADでファンキーな奴があっさり退場。(退場場面も与えられないあいつが可哀想すぎる。悲しい)
バカ映画にあって然るべきスッキリ感がこれっぽっちも無いではないか。
さすがに齢70の老人の心臓には刺激が強すぎたのかな。
バカ映画B級映画好きに勧めても鼻で笑われそうだし、女の子に勧めるのもバクチだ。当たり障りのない知人男性とマッドマックス面白いわーぎゃはは。と昼休みの会話の種にするような、そんな映画です。