「涙が出るほど面白い」マッドマックス 怒りのデス・ロード Nux/ニュークス 👑さんの映画レビュー(感想・評価)
涙が出るほど面白い
とにかくめちゃくちゃ面白い!!!
「行って帰って来るだけの映画」というように言われているが、それはその通り。
だが、それを「話がない」とか、「バカ映画」とか、「何の捻りもない」とかっていうのは、違うんですよーって思いますし、そういうことじゃないんですよーって感じです。
まず、本作の1番の魅力としては、ノンストップ・アクションでしょう。全編ほぼアクションで、最初の10分くらいで設定などがざっと説明されて、そこからはひたすらカーアクションって感じです。アクションシーンじゃなくても、いろんな人が走ってたり色々動いてたりするから飽きません。
でも、普通のカーアクションじゃなくて、世界観がめっちゃいいんですよ。
爆音、爆発、爆走、改造車、V8、火を吹くギターなどシリーズを通して変わらない世界観が好き。
音楽、音響もめっちゃ良くて、マックスがダメージ喰らう時に、他の音聞こえなくなったりとか、輸血する時の針を抜いた時、「スーッ」っていう細かい音響がいいなって思います。
あと、音楽はその場に合わせて、緊迫感と迫力を演出します。重低音の効いた音楽が素晴らしいです。
「シタデル」という砦を支配しているイモータン・ジョーという悪役がいますが、ジョーの子を産むための、「子産み女」が逃げる話です。
今作は種を奪い合う話みたいな感じです。
今作では「種」をモチーフにしている表現がたくさんあります。
子産み女はジョーの種を植えられ、ジョーはその種(子供)を取り返そうとする。
旅の道中でフュリオサが再開する、鉄馬の女たちが、緑の地から持ってきた種を持っていました。だが、それをどこに植えても実らない。
今作で、銃弾のことを種とはっきり言っていますが、銃弾という種を植えられると死んでしまう。
そして、フュリオサが求めているものは、種が実って緑で溢れた緑の地。
というふうなところがあります。
あと、途中フュリオサたちについて来る「ニュークス」というウォーボーイズがいますが、ニュークスは、NUX=核という意味で、ジョーのために自分が核として命を投げ出す。というような意味でしたが、赤髪の子が、「ナックス」と呼んでいるところがあって、これは「木の実」という意味で、ニュークスが種となり、フュリオサと子産み女を助けることで、命を繋いでいけるという意味かなって思います。
あと、旅の道中、死んでしまう「スプレンディド」というキャラがいますが、あるシーンで、スプレンディドがジョーの子を宿したお腹をおさえるシーンがあります。そのシーンでマックスが打ったピストルの空薬莢がお腹に降り注ぐシーンがあります。
このシーンはマッドマックスの世界を象徴しているなって思ってて、子を宿したお腹(命)に銃弾(死の種)が降り注がれるというシーンです。
ここが生きるのが過酷なマッドマックスの世界を表していると思います。
フュリオサとマックスは最初殴り合って対立しまくってましたが、一緒に行っている途中、引きずってる給油タンクを直しに「俺が行く」とマックスが言ったとき、フュリオサが、「あれ?もしかして悪い人じゃないのかも?」みたいになってるのがたまらん。
最初は殴り合うくらい嫌悪な仲だったのに、旅の途中でフュリオサがマックスを命懸けで助けあって行き、信頼を重ねていくのがすごくいい。
ニュークスは最初、ジョーのために命を捧げる気マンマンでしたが、ジョーに認められなくなって、フュリオサたちについていき、最後、かつてジョーのためにしか命を捧げるつもりしかなかったが、フュリオサたちのために「witness me」って言いながら命を投げ出すというところがめっちゃいいのですよ!!!
長々と語ってしまいましたが、このように、話がないわけではないし、色々考えて作られてます。バカ映画に分類されるならこんなに感動しません。
この、他にはないノンストップ・アクションやイカれた世界観を、「何の捻りもない」というのは、目がどうにかしちゃっていま・・・なんでもないです。他にもさっき言ったように細かいところまで考えて作られてるので、適当に作ってなんかいません。理解していただけたら幸いです。
長文になってしまいましたが、この映画は、オールタイムベスト級に好きです。2番目ですが。
1位のグランツーリスモと同じぐらい好きです。
フュリオサと連続上映してほしかったなー。