終戦のエンペラーのレビュー・感想・評価
全71件中、21~40件目を表示
「終戦のエンペラー」を観て・・
ハリウッド映画なので、アメリカから見た日本という感じが否めない。太平洋戦争が終結して2週間余りの8月30日、戦勝国アメリカからマッカーサー元帥が敗戦国日本に降り立った。A級戦犯を裁き、天皇の戦争責任を調査する為だ。部下のフェラーズに10日以内に天皇について調査報告書を提出するように命じる。かつて日本人の恋人がいたフェラーズは近衛文麿元首相に会ったり、宮内庁に出向いたりして、どうにかして天皇について知ろうとする。そしてついにマッカーサー元帥と天皇の会談を実現する。A級戦犯は裁かれたが、昭和天皇は象徴天皇として、昭和64年までご健在であった・・
2013年のアメリカ映画。
アメリカ人はどう観てるんだろう?
事実を演出するのと、事実を脚色するのは・・
映画というより史実
歴史に自然に向き合う
「歴史に向き合え」と言われて、向き合うものでない。自然に向き合う時期があるものだ。この映画は戦後のアメリカの占領政策がほとんど明らかになった今上手く描いている。そして淡々と恋愛ドラマ仕立てにしている。主役のアメリカ占領軍の准将が天皇の責任追及をどうするかを、愛する日本人と絡ませるのは分かりやすい。そのため日本人へのリスペクトが感じられる。また天皇の周囲の人物の忠誠心や責任感がとても明確に出ている。それが歴史であり憲法の象徴天皇条項に繋がる。撮影の一部に皇居が使われリアリティを増しているし、天皇御製の和歌のエピソードも上手く利用している。歴史と向き合えた1時間45分であった。
絶対もう一回みる!!!!!
観やすく分かりやすい
目線の違い
歴史のわき役にも力がある
大きな決断の裏舞台には、フェラー准将や関谷次官のような歴史のひのき舞台には出ない、多くの人々の知力、信念、努力があったことを再確認した。
歴史の中で多くの人は、百年後に忘れ去られる。しかし、多くの人が生きた証は、未来の世の中のどこかに受け継がれるのだと思う。
う〜やっぱり米国寄り
まあ、仕方のないことだがアメリカ視点なところが鼻につきます。
例えば日本がアメリカ人を憎むように教育・喧伝されてるように描かれてますが、これはお互い様でしょ。
当時、アメリカだって開戦のずっと前から日本を憎むようにプロパガンダをガンガン展開していたわけだし。
また、あたかもアメリカが日本を復興させようとする正義面で描かれていますが、これは反共の防波堤作りと、日本をアメリカの市場に取り込むための政策だからねえ。
が、終盤の昭和天皇とマッカーサーの対面のシーンは感動します。
「降伏しろ」と言わずに、降伏を命じたのです。
映画「終戦のエンペラー」(ピーター・ウェーバー監督)から。
天皇が、第二次世界大戦に関わったかどうか、マッカーサーから
その調査を依頼された主人公は、いろいろなことを調べ、
一度、自分なりの結論付けをして報告書を書く。
「国の統治者として戦争責任を回避できない」、
その理由は「無罪にする根拠がみつからない」。
しかし最後には「有罪にする理由がないからです」と変え、
「疑わしきは罰せず」、この方針を貫いた形となった。
面白い視点だな、とメモをしたが、この映画を思い出すには、
ちょっとインパクトが弱い気がした。
そこで選んだのは、冒頭に表現されていた「降伏」について。
天皇が日本国民に向けて発した「耐え難きを耐えよ」は、
「『降伏しろ』と言わずに、降伏を命じたのです」ということ。
へぇ、そういう意味があったのかと感じて、これを機会に、
「玉音放送」で読まれた、昭和天皇による終戦の詔書
(大東亜戦争終結ノ詔書、戦争終結ニ関スル詔書)を読み直した。
「朕は時運の趨く所堪へ難きを堪へ忍ひ難きを忍ひ以て、
万世の爲に太平を開かむと欲す」の一部である。
以前、ある方の講演で聞いた、安岡正篤先生と
終戦の詔勅のエピソードとはじめて繋がった瞬間である。
終戦のイメージとして、この「玉音放送」を聴く国民の姿が残るが、
この「耐え難きを耐えよ」という部分を「降伏する」と解釈した。
今、戦争の映画が、感動ドラマのようにもてはやされるが、
これを機会に、第二次世界大戦(大東亜戦争)について、
自分たち国の歴史を調べるきっかけになって欲しい。
そしてこの戦争の意義、敗戦(終戦)の意味を、正しく理解したい。
映画というよりかは
印象に残ったセリフ
劇中で、アメリカやフランス、イギリスはずっと侵略戦争を行ってきた。
日本はそれに習っただけなのに、何故ここまでされなくてはならなかったのか?
日本が侵略したフィリピンはアメリカが侵略した国、マレーシアはイギリスが侵略した国
なぜ日本が同じ事をすると敵対されるのか?
と、質問する場面があった。
その通りである!
本来ならば、日本が作らなければいけない
第二次大戦直後、GHQ統治下の日本を舞台に、実在の米将校が昭和天皇の戦争責任を調査する姿を描いた歴史ドラマ。
ハリウッドでも、ここまでがっつりGHQ統治下の日本にスポットを当てた映画は初めてだとか。まあハリウッドからすれば、一つの歴史の裏側程度だろうが、日本人からすれば、興味津々。知ってるようで知らない歴史の裏側。その時何があり、日本は再出発したのか…?
日本人プロデューサーが関わっており(物語に絡む夏八木勲演じる宮内次官・関屋貞三郎の孫)、時代考証・日本描写に違和感は無い。それこそ、「ウルヴァリン:SAMURAI」「47RONIN」とは雲泥の差。史実なのだから正確で当たり前なのだけど、まず好感を持った。
内容も、お堅い歴史の話をサスペンスタッチで描いており、なかなか楽しめる。
天皇の戦争責任に迫る。ハリウッドだから作れたのであって、日本では到底無理だろう。
日本は映画で天皇を描く事はタブーとされている。が、タブーなだけであって、禁止されている訳ではない。アレクサンドル・ソクーロフ監督の「太陽」もそうだが、本来ならば、日本が作らなければいけない映画だと常々思っている。
本作も、何も天皇を侮辱したり、罰そうとする内容ではない。天皇の描かれ方も、戦争の責任は全て自分一人にあると進言し、日本の将来を案じ、マッカーサーとの会見を受け入れる、良識ある人物として描かれていた。現人神にあらず、平和人ヒロヒト。
確かにデリケートな題材だが、日本映画が、真っ正面から取り組まなければいけない。
日本で終戦映画を作ると、敗戦の焼け野原から立ち上がる庶民の姿がほとんどで、米軍もパンパン(死語)と遊ぶだけのあまりいい印象で描かれない事が多い。
勿論、それは事実だが、その点、本作の視点は新しい。
日本の再出発に尽力した米将校が居た。歴史に埋もれた功績と真実は忘れてはならない。
見応えあった内容の中で、日本人女性とのロマンスは取って付けた感アリ。初音映莉子の美しさは否めないが。
それにしても、桃井かおりって日本を舞台にした外国映画によく出るなぁ〜。
映画館ではじめての洋画
洋画を初めて映画館でみた。
まぁ、そんなことあまり関係はないことだが
とにかく良作。
アメリカ軍に属しながら
日本にゆかりをもつ人物からの視点で
歴史を学ばせてもらった感じ
通訳の高橋さんとの関係でも
あの時代の厳しさを学ばせてもらった
なぜか涙が。。。。
トミーリージョーンズがマッカサー役ということで、興味半分で鑑賞をしたものの、最後の最後に涙。陛下とマッカーサーとの握手ののち、記念撮影、そして。。。
深々と頭を下げる陛下、そのこころを感じて、神妙になるマッカサーの姿を通じて、戦後、日本が平和であることを保証することになった瞬間だった。
傍流である准将のロマンスは、エンターテインメントとしては、必要だったのかもしれないが、これにはいろいろな意見があるだろうが、非常に日本人のこころなかにある、そこはかとないものを上手に表現しているなぁと感じた。
1人でも多くの日本人が見るべき名作
今の日本が存在する象徴的なシーン、有名な昭和天皇がマッカーサーを訪ねた歴史的会見、世界でも例を見ない大和朝廷建国以来、同血族の天皇を中心に古2000年以上の国家(2位のデンマークですら千数十年)が終焉の危機を逃れた会見である。
(ちなみにアメリカ合衆国は南北戦争で統一した以降150周年、ロシア連邦はソビエト崩壊の後たったの22年。中国4000年は真っ赤のウソで現在の中華人民共和国という独裁国家成立以降わずか64年)
マッカーサーは当初、歴史上の敗戦国家の『Emperor』にありがちな天皇が戦争犯罪者として起訴されないよう命乞いに来るものだと思い込んでいたが、『責任は全て私にある。私の一身はどうなろうと一向に構わない。貴方にお任せする。しかしどうか国民が生活に困り、飢えさせないよう連合国の援助をお願いしたい。』...と真摯に崇高に仰せられた言葉に『私は初めて神の如き帝王を見た。』と茫然となって天皇と国民の絆の強さを理解し、天皇を戦争犯罪人からの除外を決断したシーン。迫真の撮影シーンの裏付けもあって大粒の涙がいくつも零れた。
この映画のテーマ。
天皇は対米英蘭の開始を決定する御前会議でお詠になさられた戦争に反対し、平和を望む「よもの海~」を2度も朗読なさられて明確に開戦反対の意思表示をなさられた。
大日本帝国憲法下における確立された慣行によると、政府と統帥部が決定した国策について、天皇はこれを覆す機能はない。しかし、このご発言によって開戦決定が一旦白紙に戻る。天皇が政府と統帥部が決定した国策を覆したのは日本憲政史上において唯一無二の事態らしい。
近衛内閣が総辞職した後も昭和天皇は東条英機を総理に任命するに当たり、対米英蘭開戦の回避に全力を尽くす事を命じ、東条も腐心したが、アメリカから暗黒のハル・ノートを突き付けられた。
天皇は史実が示す通りまったくの無罪である。
ハリウッドが先の大戦を描く時、映画『パールハーバー』で日本軍が民間人を攻撃していたという有り得ないシーンを描いたり、日本人を野蛮な国民として描く事は多かったが、このように史実に忠実に日本に目を向けだした事は素晴らしい。
先日、アメリカで人気絶大のキャロライン・ケネディ(JFKの長女)が米駐日大使に起用の発表が流れた。久しぶりの強いリーダーの誕生にアメリカがアジアでの日本の存在感に明らかに変化が起こっているものに通じるように思える。
それと最後に、劇場には若いカップルがほとんどという事もとても嬉しかった。何かが変わりだしている。
全71件中、21~40件目を表示