「セクシータイピスト。」タイピスト! ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
セクシータイピスト。
映画の感想で書くのもナンですが(しっかり書いてますけど)、
タイピングにはけっこう自信がある私。というのも、過去に検定を
受けて資格を持っているからなんだけど(当時のはワープロ検定)
これが今作を観て懐かしい~♪と思ってしまったあの練習の毎日。
いわゆるブラインドタッチってやつ、これを習得するまでが辛い。
今作の主人公ローズは、一本指打法(なんか野球みたいだけど)で、
かなりの早さで打っていたけど、こういう人は練習すれば更に更に
早く打てるようになる。ピアノと同じで、結局はキーの位置を
指に覚え込ませてしまうという、ただそれだけの練習を約一か月半、
来る日も来る日もずっと打ち続けるわけだ。ホントに長いんだけど、
これがモノになると、スイスイとタイピングが出来るようになる。
手元を見なくていいので(ってかそれが狙い)、入力する原稿を見る
だけで指が勝手に動くのだ。打てば打つほどスピードも上がるので、
もう当時はバッカみたいに打ち続けてましたけどね。ホント…
一度手にした技法は滅多に褪めないもので未だに早打ちは出来る。
けど…まぁ今は早さを競う仕事じゃないので、あまり関係ないな。
しかし1950年代に花形の職業といえば秘書、これ日本も同じだわね。
そして旧式のあのタイプライター。キーも相当重かっただろうし、紙を
いちいちずらしての打ち込みは(慣れれば普通でも)大変だったろうな。
早打ちが一分間に512文字はスゴイ!と思ったけど、日本語は一文字
打つのにローマ字入力で2~3キーを打つので入力数でいうと多い方。
最後の選手権大会はかなり盛り上がってしまった(長かったけどねー)
さて、そんなタイプ早打ちに懸ける女の子のサクセスストーリーだと
思っていたら、けっこうな蛇足が多いところが難点。
どっちが良いともいえないが、かなりの面で上司との恋愛をしつこく?
描いているため、せっかくの緊張感が恋愛によってほどかれてしまう。
R・デュリスは巧い役者なので演技は申し分ないんだけど、なんで
あんなにしつこく彼女にタイプを教え込むのかと、自身のトラウマを
分かり易く説明すると長くなるのか、押しと引きが弱過ぎてまったく
説得力がない。あれじゃあ、扱かれるローズが可哀想、ってもんだ。
一想いに恋愛となればいきなりのベッドシーンに開いた口が塞がらず。
恋愛部分を大幅に削り、もっと明るいタイピングスポ根に仕上げても
良かったんじゃないかと思える作品。試合も長いので90分に纏めてOK。
(「ある子供」のD・フランソワがこんなに成長して!キレイになったね~)