劇場公開日 2013年8月3日

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「吸血鬼…なのか?」モスダイアリー Minaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0 吸血鬼…なのか?

2025年8月16日
iPhoneアプリから投稿

転校してきた超絶美人が(美人なのか?)が吸血鬼で、誰が死に1人消え2人消え…と予想していたらちとあらぬ展開になる本作、どうもこの近辺に「ビザンチウム」や「モールス」等の吸血鬼伝説を題材としたハイクオリティの映画がある中で、見比べてしまうと1段下がってしまう印象の作品だった。どうせだったら「アビゲイル」の様なぶっ飛んだアクションホラーにしても良かったのに笑。
ゴシック調の作風は雰囲気が良く、女性が監督で全寮制の女子高が舞台という事で、"女の子目線"の物語は中々リアルさがあって良かった。だからといって女性と一緒に観るような作品ではなく、ひっそりと愉しめば良いだろう。
女子しか居ない環境において、やはり百合的な部分も描かれるが、下品に描かないのは好印象だ。そこは監督が女性だからこその視点なのだろう。際どさのある"危険な関係"を描きつつ、壁をすり抜ける超人的技を披露したいかがわしい転校生エネッサが上手く引っ掻き回す。ヒロインと仲の良い娘と急接近したり、吸血鬼じゃ無ければただの嫌な奴で終わってしまうが、エネッサは吸血鬼だ!という確信的なシーンは1回も登場せず、実は主人公側にもある秘密があったという構成は面白い。勿論身の回りの人間がバタバタ死んでいくが、きちんと観ているとそれぞれの死因にはきちんと説明がつく物が多く、確証を得られないままラストへと突入してしまう。吸血鬼をチラつかせる展開もあるが故に完全には否定出来ないが、吸血鬼の映画を観たいと思っていると予想の斜め上の展開になる。この独特な表現に浸りたい人間にとっては良い味の作品になるに違いない。

Mina