マニアックのレビュー・感想・評価
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割と普通
ウィリアム・ラスティグ監督による1980年の同名映画をイライジャ・ウッド主演でリメイクしたサスペンススリラー。原作は未鑑賞。
凡作…。頭皮を剥いでマネキンに被せたり、POVだったり、色々見せ場はあったはずなのですが、もったいないなぁといったところ。グロシーンをぼかしたり、やたら暗いシーンが多かったりで、観せ方が消極的な印象。
あと異常さが足りない。マネキンに頭皮被せることにもっとこだわりを見せて欲しかったです。しっかり綺麗に洗って、被せたあともケアを怠らず、「今日も綺麗だね…フフフ…」くらいのことはしてほしかったです。そう、吉良吉影のように。なんだか精神疾患患者が殺人のついでに頭皮剥いで適当にマネキンに乗せてるだけの雑な仕事に見えてしまいました。監督としてはこれが見せたかったものなのかもしれませんが、私はマネキンとセックスするくらいの変態が見たかったです。
ストーリーも音楽も悪くないし、ラストは印象的でむしろ良かったです。でも、全体通して思い切ったところがない、普通のスリラー作品でした。
カルト作のリメイクね・・・
近年のイライジャ・ウッド主演作の中では注目度の高い作品だったと思うが、オリジナル版は1980年公開。特に凄く話題になった名作では無いが、内容的に巨漢のマザコン男が街中の若い女性を惨殺するのを主人公目線で描くという内容が女性軽視とされ、上映反対運動が巻き起こった作品だった。あまり良い話題では無かった作品に再び火をともした理由は不明だが、オリジナル版よりもイライジャ・ウッドの寂しくもあり、狂気に満ちているあの瞳にやられてしまう作品だった。男性にだらしない母親の元で育ち、愛情をよく分からないまま大人になっただけでここまでのサイコになるか疑問だが、千差万別色々な人がいるのは事実である。だから殺人も無くならず、法律で裁くという術があるのだ。
本作の「主人公目線で描く」というオリジナル版のプロットは継承されているが、本作の公開された年代は苦しくもPOV作品が特に多い年代だった為、主人公の目線という当時は斬新だった殺害描写もそれ程衝撃を覚えることは無い。この時代で輝くなら全てワンカットにする様な工夫が必要なのかも知れない。また、グロければ良いわけでは無いものの、頭皮を剥ぐシーンをハッキリと見せず、ピントをずらすなどの余計な演出を加えているのは何故なのだろうか。製作と脚本を手がけたアレクサンドル・アジャは過去作「ハイテンション」で切り取った女性の頭部でむさ苦しい漢が自慰行為をする気の狂った演出まで披露してくれたのに、今はそういう時代では無いのだろうか。
あれだけの凶行に及び、殺害後に事件現場のトイレで嘔吐するなど自らの痕跡を残しまくる主人公を一向に捕まえられない警察の存在など、所々に不審な点もあるが、サイコ・ホラーの枠組みの中では印象に残る残虐性とブレないストーリーで一定の満足度は得ることの出来る作品だと思う。・・・オリジナル版もそうだったが、奇をてらった感はあるが内容自体は普通であり、1度観れば十分な作品なのが正直なところだ。
ゴラム化したフロド?
ほぼ9割の主観映像。母親が淫乱?だったため、母親の愛情に飢えていたフランク(ウッド)だったが、その欲求は猟奇の方向に向かっていた。
普通に女性を狙う変態殺人鬼の様相をしめすオープニングから、ネットで知り合った刺青女とエッチするかと思いきや、すぐに殺して頭皮を剥ぐ・・・その最初の殺人シーンなんて、喉にナイフを突き刺すのだが、その刃が口の中に現れるカットが妙に印象に残った。
アンナにはようやく人間らしく付き合うことが出来るかと思ったが、アンナには彼氏もいるし、写真の個展で忙しいし・・・てなところで、その個展の初日にアンナのエージェントである一人の女性にマネキンを酷評されたため、カッとなってその女を追いかけ、風呂場で彼女を殺してしまう。その彼女が殺されたおかげでアンナはショックで泣きじゃくり、そこへフランクが慰めるため訪れ、ちょっとしたボロを出して、フランクが犯人だと恐怖におののいてしまう・・・
どうでもいいストーリーだけど、母親とのトラウマなんかがもっと心に突き刺さるストーリーだったら共感もできたかもしれないけど、道端で男とセックスしてるシーンだけじゃエロいだけかもしれない・・・
気持ち悪いpov
頭のおかしい男が女性の髪を頭皮付きで引きちぎってマネキンに被せ、それを女性として愛する、という話。
何となく言いたいことは分かるのだけど色々腑に落ちない。
夜な夜な女性を求めて彷徨うのは、何処にも行かない母親を求めているということなのだろうか。人形は自分を置いていかないから。
主人公が最後にマネキンになってしまうのは、自分自身が母親の人形だったということなのかな。去勢されているような描写もあったし、異常性は母親からの遺伝なのかもしれない。
けれどそれにしたって血がついたままの髪の毛をマネキンの頭にホチキスで留めるのはあまりにも雑だし、修復士がそれってどうなんだ?と思ってしまう。 こだわるわりには雑だよね。
…それにしても痛々しい映画だった。直接的なグロシーンはぼかされてたけど。金たわしで血だらけになりながら手を洗うシーン、顔をしかめてしまった…
フロドの異常な愛情
出生のトラウマから生身の女性を愛せず、マネキンしか愛せない青年。やがて夜な夜な女性の頭皮を剥ぎ、愛するマネキンに被せる…。
日本にも「追悼のざわめき」なんてカルト怪作があったが、こちらも負けていない。
猟奇殺人、病的な偏愛、変態的な嗜好…胸くそ悪さは天下一品!
この監督、頭おかしいのか!?(笑)
間違ってもこの手の映画が苦手な方は見ないように!
カメラが青年の目線になってるのがユニーク。
時折青年の顔も映り、どんな変態野郎かと思ったら、最近怪作続くイライジャ・ウッド!(いや、知ってたけどね)
あの愛らしかった子役が、あのフロドが、一体いつからキワモノ専門役者になったのか…。
人形偏愛の目線とか、心理とか。
映画館でポスターを見ました。
どうしてもヒット作、『ロード・オブ・ザ・リング』のフロドのイメージが強い、イライジャ・ウッド。
そんな彼がイメージを覆す殺人鬼役に!
ショッキング・サイコ・スリラー!
… …との宣伝文句。
イライジャ・ウッドは気になるけど、スクリーンで見る勇気はなかったのでDVDになるのを待って観賞。
お話としては陰鬱な内容で、ざっくりなあらすじやタイトルから、観賞前から後味悪そうだなぁ~とは思ってたけど…本当に救いがない…。
元は知らないけれど、リメイクだからかちょっと古いかんじのタイトル表示。
画面的には直接グロい部分が映らないように配慮してあったけど、それでも内容的に重いのでスクリーンで見なくてよかった…というのが正直な感想です。
撮り方について、
はじめはわかりにくいけど、徐々に運転席から見た主人公フランクの目線であることがわかるようになってます。
劇中ほぼ、フランク目線。
アンナと出会って、並行して連続猟奇殺人を続ける合間に、フランクの生い立ちや、母親に対するトラウマ、性的なコンプレックスのシーンが挿入されます。
こやで頭皮ごと髪を剥ぐ異常犯罪の動機やフランクの精神的な問題を説明されるわけです。
その上で、フランク目線の視界。
普通は臨場感や目線の持ち主との共感を得るために用いりそうだけど、
この場合は、フランクと観てる観客との間に共感できないギャップを際立たせた上で、フランクの人生の悲惨さがより、際立つ効果があったのかなぁーと思いました。
あと、いっしょに観賞した子の感想では、人形偏愛を持つ人の特徴や心理ってああいう感じらしい。
人形を人間のように感じたり、人間が物のようにしか思えなかったり…ってところのことです。
それを前置きで加えると、『マニアック』ってタイトルに違和感が生じます。
ただの異常心理の持ち主によるサイコ・スリラーと捉えるか、
悲惨な過去に苛まれた人形偏愛主義の男の犯罪録とその結末と捉えるか…
人形偏愛について予備的に知ってるかどうかで違ってきそうです。
私も、言われなかってらもっと評価低かったと思うので。
(後味の悪さで星は低めです。これは私個人の嗜好も含めて。)
なんにせよ、歳を重ねたイライジャ、
あの大きな目が、少し後退した額が、可愛いイメージの若かりし日を覆す気持ち悪さに効果的でした…。
本編に話を戻せば、
最後に今まで殺してきた被害者たちに人形のようにボロボロにされて、皮を剥がれたら自身も人形だったというあのシーン…
自身の人生も人形のようだとフランクは思ってたのかな?
ちょっと意味深です。
…しかし、イライジャ・ウッド、
コメディとか、ラブストーリーとか、
何かしら笑ってる笑顔が観たくなりました(;_;)
予告動画の〝指輪はもう捨てた…〟は蛇足だなぁーと思うけど、確かにイメージを覆す怪演です。
でもやっぱり…
人が酷い目に遭う描写は、苦手だわ…
で、マイナス☆1,
主役が病んでる.のは当然での。
音楽、描写になんのイチャモンがあろうか?
むしろ作り手の熱意と、ネタにそぐわぬ奇跡のオサレ感に拍手。
変態の苦しみ
刺青だらけの女が連続殺人鬼を自宅に招いた時に掛ける音楽が『羊たちの沈黙』のクライマックスの地下室で掛かる音楽で、そんなのやばいに決まってる!と思ったら案の定殺されてしまった。
イライジャ・ウッドが、お母さんの教育があまりによくなかったせいで、マザコン殺人鬼になってしまった。決して快楽殺人を行うわけではなく、彼もそうせずにはいられないひどい変態として苦しんでいるところがとてもよかった。
ほぼ主観映像でストイックに描いていて、殺人鬼に自分がなってしまったかのように錯覚させる面白い構成だった。
頭の皮をはぐ場面をたくさん見たせいか、翌日頭が痛くてつらかった。
「今年一番の衝撃映像」「羊たちの沈黙を超える」?
「覚悟はいいか!?これが今年一番の“衝撃映像”!」と大々的に宣伝されている『マニアック』ですが、この文句の最後に「?」が足りないのでは。
キャッチコピーが作品に先入観を与えてしまっており、もしもこの宣伝文句さえ無ければ、以下のような酷評魔にはならなかったと思います。
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主人公がマネキンに神秘性を与えるべく丁寧な殺人を、とイメージされた場合、全く逆。頭皮ごとナイフで剥がし、ステープラーガンで無理矢理固定するその雑さ。マネキンへの過剰なまでの愛情を示すシーンこそなく、非芸術的。
加えて、スプラッターシーンはボヤけていて実に中途半端。
主人公はサイコパスではなく精神病。病をベースとしているため、視聴者は背徳感も得られない。更に、より近くで見たい、という欲望をブラー効果が邪魔をする(日本版だけか)。POVの意義が見当たらない。
見せ場ひとつに、今までの作品構成を引っ剥がす表現があった。しかし、それをもラストは破壊した。蛇足。
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