いとしきエブリデイのレビュー・感想・評価
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あたりまえの日々の中で
服役中の父親イアンが不在の一家。
8歳を頭に四人の子供たち(ステファニー、ロバート、シェーン、カトリーナ)を抱え昼夜働き一家を支える母親カレン。
朝の着替えや歯磨き、朝食や通学の風景。
父親イアンとの面会。
家族の日常を5年間に渡って丁寧に追うカメラは、あたりまえの日常の中に、子供たちの成長や、子供たちの成長を側で見守ることの出来ないイアンの焦燥感、仕事と子育てで張り詰めたカレンの心を映し出す。
子供たちは数ヶ月、一年で見違えるほど身長も伸びるし、丸みを帯びた顔は少しづつ少年少女へと変化する年頃。
うえの男の子ロバートは服役中の父親に対し、複雑な思いが芽生え始めている。
父親の出所は家族の幸せを約束するものではないかもしれない。
でも、今この瞬間は家族が一緒に居る。
そのかけがえのない時間をマイケル・ナイマンの音楽が優しく包んでいる。
「いとしき」毎日なのです
バカやって刑務所に入っている父と、それでも父大好きな4人の子供たち、そしてそれを支える奥さんの5年かけた家族再生のお話、なのかな。
本当の4兄弟を起用して実際に5年もかけて撮影した監督の思い入れがすごい。
なのに、何か特別なイベントを描くわけでも感動を押し付けるわけでもなく、淡々とドキュメンタリー的に切り取られた日々が映し出されていく。
そこが何ともイギリス映画らしいというか、行間をあえて描かないあっさりめなんだけど、なんとなくほっこり心温まる映画でした。
原題の「Everyday」に「いとしき」を足した邦題が良くできてるな~。
イギリス版そして父になる
こどもの演技が素晴らしい点が『そして父になる』。だって、5年もかけて撮ってるんですよ。本当の家族のような自然な演技。
「そして父になる」よりも親子関係がより”リアル”に見えた。
ストーリーとしては、『そして父になる』は福山雅治の父親としての成長が(中心に)描かれているのに対して、こちらは成長ではなく〈家族の時間、家族の心境の変化〉が描かれている。
マイケルナイマンの音楽とイギリスの田舎の風景が素晴らしいので、これは大きな画面といい音響の環境の中で見ることをオススメ。
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