わたしはロランスのレビュー・感想・評価
全34件中、21~34件目を表示
最後がグッときた
長い映画で、構成も複雑でありながら、見事なまでにまとめ上げている。
かなり自由に、あらゆるイメージ映像が差し込まれているにも関わらず、妙な統一感があるのは、不思議というか、制作者側の技量というのか─。
とにかくグザヴィエ・ドランが想像したことを、純粋に表現しているだけの作品ではなかろうか。性に対する感覚が超越していて、“普通”とは違った性というものはドランにとってもはや対した問題ではなく、“普通”とは違っていることを当然のごとく物語の中に自然に織り込み、決して社会派的な映画になることなく、あくまでもピュアな恋愛映画として描ききっているところに非凡なるものを感じる。
発想をここまで自由に表現しつつ、なおかつ人の心を揺さぶるわけだから、ドランの評価が高いのも頷ける。
これからも彼に注目していきたい。
laurence, anyways.
何かが起きると思った。だからついていこうと思った。
トリッキー!
楽しそうやんって軽く感じてしまったけど、ストーリーが進むにつれ、人...
ドラン監督の今後へ期待
男が女になる。
映画や小説で幾度となく扱われてきた題材だけれど、この作品は男女の「普通」のラブストーリーとして描いていた。女になった男だけでなく、彼の恋人の女性にも感情移入させる。むしろ観客が抱くであろう感情をスクリーンに反映させていたのは彼女の方。なのでこのタイトルは個人的には違和感あり。
けど、ロランスのターニングポイントを境に物語も演出も一気にテンション上がっておもしろくなる。
前半は、いかにもなセリフが多くていまいちのれなかったり、ちょっと奇を衒い過ぎで結局ありきたりなどこかで見たことある表現になっているシーンもあったんだけど、全体としては好きな映画。印象的な音楽の使い方と色鮮やかな映像が好き。
24歳でこの作品…ドラン監督への期待とプレッシャーのデカさは半端ないだろうなあ。
繰り返されるふたりの幸福と喪失、鑑賞後の感覚は、江國香織のコメントがピッタリきた。
「ここには豊かな哀しみがある。哀しいのに幸福感のある映画。人生とおなじだ」
それにしても後半のロランスが小室哲哉に見えて仕方なかった。似てない?
『ローランス・オールウェイズ』のほうがしっくりくる。
わたしはロランス。なんだか人に言うにはこっ恥ずかしいタイトルである。
監督のグザヴィエ・ドランは「天才」なのかはわからないが、他にはないキレた感覚の持ち主である。
彼の色彩感覚は新鮮で、4:3のアス比での画面の切り取り方はみていてとても痛快であった!
マイノリティが居場所を求め対人、環境と折り合いをつけていくお話なのだが、着地の仕方も味わい深いものがあった。
ただ、主人公ロランスのような問題を抱えた人への知識も(本当の意味での)理解も持ちあわせていない僕のような人はこの物語を「所詮他人事」とし、自分の人生に投影した上での真の感動とやらを味わうことができないだろう。もっと社会的マイノリティ全般の話に昇華していればこうはならなかっただろうが、そうなってしまってはこの映画の魅力そのものが損なわれる。
要するに、そういうバランス感覚も含めてキレまくってるってコト。一見の価値は高い。
アートとしての映画
全34件中、21~34件目を表示