わたしはロランスのレビュー・感想・評価
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最後がグッときた
長い映画で、構成も複雑でありながら、見事なまでにまとめ上げている。
かなり自由に、あらゆるイメージ映像が差し込まれているにも関わらず、妙な統一感があるのは、不思議というか、制作者側の技量というのか─。
とにかくグザヴィエ・ドランが想像したことを、純粋に表現しているだけの作品ではなかろうか。性に対する感覚が超越していて、“普通”とは違った性というものはドランにとってもはや対した問題ではなく、“普通”とは違っていることを当然のごとく物語の中に自然に織り込み、決して社会派的な映画になることなく、あくまでもピュアな恋愛映画として描ききっているところに非凡なるものを感じる。
発想をここまで自由に表現しつつ、なおかつ人の心を揺さぶるわけだから、ドランの評価が高いのも頷ける。
これからも彼に注目していきたい。
laurence, anyways.
邦題よりも、原題のほうが遥かにしっくりきます。(それはもちろんそうなるものなのですが)
わたしはロランス、というと、自分がロランスという人間であることを納得し主張するような、わたしはロランスなんだ、というようなニュアンスが出るけれど、それはちょっと違うと思います。
どうやっても、あれやこれやと努力をしても、結局は《ロランス》でしか存在し得ないってことだと思うんです。男か女かではもう存在に決着がつかないんだと思います。anyways、に映画中の出来事が全て詰められていて、これ以外のタイトルは無理だろうなと感じます。
タイトルにここまで納得した映画を久しぶりに見ました。
何かが起きると思った。だからついていこうと思った。
男、女、国籍、人種、社会的地位、年齢、いろいろあるが、
人間と人間が一緒になる理由は、こういうシンプルなことでいいんだと思う。
いろいろを越えても繋がりたいという想いは強く、観るものの心を強く打つ。
その想いの結果がどうなろうと。
トリッキー!
○ジワる。
後から思い返すと「いい映画じゃん...」。
○主題より、映像構成が際立って素敵。
セレブや ヤンキーな
サブキャラも素敵。
○キーワードは「リスト作り」。
「何気ない中にある幸せ」の
描き方が絶妙。
○「わたしはロランス」。
...の強さが結局は好き。
楽しそうやんって軽く感じてしまったけど、ストーリーが進むにつれ、人...
楽しそうやんって軽く感じてしまったけど、ストーリーが進むにつれ、人と違うということの重さ、背負うことの苦しさ、またその先の幸せ、簡単じゃないって感じた。わたしもスペシャルに生きよう。ウィンク上手にできたらカッコイイなぁ。
ドラン監督の今後へ期待
男が女になる。
映画や小説で幾度となく扱われてきた題材だけれど、この作品は男女の「普通」のラブストーリーとして描いていた。女になった男だけでなく、彼の恋人の女性にも感情移入させる。むしろ観客が抱くであろう感情をスクリーンに反映させていたのは彼女の方。なのでこのタイトルは個人的には違和感あり。
けど、ロランスのターニングポイントを境に物語も演出も一気にテンション上がっておもしろくなる。
前半は、いかにもなセリフが多くていまいちのれなかったり、ちょっと奇を衒い過ぎで結局ありきたりなどこかで見たことある表現になっているシーンもあったんだけど、全体としては好きな映画。印象的な音楽の使い方と色鮮やかな映像が好き。
24歳でこの作品…ドラン監督への期待とプレッシャーのデカさは半端ないだろうなあ。
繰り返されるふたりの幸福と喪失、鑑賞後の感覚は、江國香織のコメントがピッタリきた。
「ここには豊かな哀しみがある。哀しいのに幸福感のある映画。人生とおなじだ」
それにしても後半のロランスが小室哲哉に見えて仕方なかった。似てない?
『ローランス・オールウェイズ』のほうがしっくりくる。
わたしはロランス。なんだか人に言うにはこっ恥ずかしいタイトルである。
監督のグザヴィエ・ドランは「天才」なのかはわからないが、他にはないキレた感覚の持ち主である。
彼の色彩感覚は新鮮で、4:3のアス比での画面の切り取り方はみていてとても痛快であった!
マイノリティが居場所を求め対人、環境と折り合いをつけていくお話なのだが、着地の仕方も味わい深いものがあった。
ただ、主人公ロランスのような問題を抱えた人への知識も(本当の意味での)理解も持ちあわせていない僕のような人はこの物語を「所詮他人事」とし、自分の人生に投影した上での真の感動とやらを味わうことができないだろう。もっと社会的マイノリティ全般の話に昇華していればこうはならなかっただろうが、そうなってしまってはこの映画の魅力そのものが損なわれる。
要するに、そういうバランス感覚も含めてキレまくってるってコト。一見の価値は高い。
アートとしての映画
映画なんだけど、同時に映画の中でも新しい芸術を確立してしまったような作品。若い監督の感性が、火花のようにスクリーンに飛び散っている。考えないで、感じる映画。私はこの映画が大好きだ。
ストーリーはやたらと長い。浮き沈みも激しい。全体的には、なかなか重い話だ。セクシュアリティがテーマだけど、もっともっと、人としての在り方、他者との関わり、愛について等、シンプルで根源的なことを描いてる気もする。
でも、難しいこと除いて、とにかくクールな映画なんだと言いたい。
切り取りたくなるような場面、台詞が多々ある。音楽の使い方も好き。
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