わたしはロランスのレビュー・感想・評価
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グザビエ・ドランは天才でしかない。
Mommyでグザビエ・ドラン監督を知り、今回が二作目。またも彼の鬼才ぶりに脱帽。
今作は、女を愛するけど、女の身体になりたいと思う主人公と、その彼女の苦悩を描いたもので、非常にテーマ自体は重い。しかし、グザビエ・ドラン監督の色彩美の描写、カメラワーク、演出により見やすい作品となっている。特にところどころで見せるミステリアスな演出は、登場人物の感情を見事に描写していた。
キャストも見事で二人とも完ぺきに演じきっており、スザンヌ・クレマンの表情や目の演技が素晴らしかった。
音楽もクラシックを中心に映像とマッチしていめ、ラストの回想からのエンディングテーマが流れるところは鳥肌もの。
3.4
思ったより重たい映画。
恋人に「女になりたい」と言われても、理解者になろうとする彼女は本当に強いなあと思った。
最初は少し動揺していたけれど、やはり愛しているのは変わらないって言うのは、素敵。
「彼は、女になりたかった。彼は、彼女を愛したかった。」というDVDの表紙に書いてあるセリフ、とてもシンプルだけどこの映画をよく表している深いい言葉だと思った。
フレッド、パーティに参加するの巻
性同一性障害の大学教授が女性として生きる決心をしたことを契機に変化する恋人との関係。ファッションに疎い俺でも美しいと感じてしまう服飾美・美術が見事。映画を観ていると時折、「映画の勝利」を感じる瞬間がある。本作はそれを三度感じた。ちなみに、最高の勝利を感じたのはフレッド、パーティーに参加するの巻でした。
男として女として
ロランスは女性になっていく度に男前に磨きが掛かってフレッドは女として綺麗になっていく。
ロランスの苦悩や葛藤よりフレッドにより魅力を感じるしロランスが望み通りになればなる程、女性たちが傷ついている。
映像、色彩、カメラワークが素晴らしく長時間ながら飽きずに鑑賞。
レストランで怒りを露にするフレッドに涙が出そうになるし極み付けはラストの出会いの場面から流れる"Let's go out tonight"からのエンドロールが完璧過ぎる。
とにかく。Anyways
視線の表現の仕方がすごく好きだな〜〜
話の節々にそこだけ切り取って保存したくなるような綺麗なシーンがたくさんあって見てるだけでたのしい。
集団パーマおばさんのところが一番のお気に入り。綺麗なのに加えてちょっと滑稽なのが◎
カフェで怒鳴るシーンはその真意は別として
マイノリティに対する抵抗を真っ向からしたフレッドに感動する。
ほんと、なにが土曜のランチよ。
っていう気持ちになる。
でも、ここでレビューしてるほとんどの人は私も含めて普段はあのカフェの客のような態度しかとれないだろうなと。いくら理解しててもやっぱり自分の属するコミュニティとちがう形のものは異質だと感じてしまう。
結局は他人事だから美しいって思える。当事者意識をもたないかぎり難しい。どうしたらいいんだろう。
それ故にラストのとにかくロランスなんだって言うところがすごく重く、心に響く。マジョリティとして生きてきた私は今まで自分とは何か真剣に考えて生きてなかった。Laurence Anyways
どうにも……
胸騒ぎの恋人に続いてグザビエドラン作品をみるのは二作目ですが、どうにも「ぬめっ」としていて好きじゃない。「生理的に無理」というアタマからっぽの拒絶表現がありますが、残念なことにこれにぴたりと当てはまってしまいます(´・ω・`)
尺の長さで低い評価をされている方もいらっしゃいますが、今作においては私はそこは気になりませんでした。というかロランスとフレッドの関係を描いてあのラストへ観客の感情をまるっと持ってくにはこの長さは必要だったかなと。胸騒ぎの恋人も同様、みていてイライラ含む感情を降り幅大きく動かされましたが、これは監督さんの力量ゆえなのでしょう。高い評価を受けているのはわかる気がします。
インタビューなどを読んでいても若いのにしっかり自分で考えに考えているのだなぁと感心してしまう。作品のヴィジョン、撮影、演出から脚本、美術まで、ここまで考え抜いているひともこの若さではいないんじゃないのかなぁ(グザビエドラン自身は、若いのに~、という表現で自分を評価されるのが不快なようですがまあそれはしかたないよね)。
自分も見習わなくては(えっ
ゆえになのでしょうか、ドラン印のようなものをしっかりと作品から受け取れます。これはこのひとしかこういうふうに撮れないだろうなぁという。そこを評価されているのだろうし、それにハマるひとはとことんハマるだろうことも理解できる。
が。だから、そのアクの強さゆえに自分はなかなか受け付けられない。スッと入っていけない。
才能があるのはさすがに自分でも感じられるので、できればもう少し商業性を意識したドラン印薄めの彼の作品をみてみたいけれど……まあそんなのは撮らないだろうなぁ(^-^;
と、わたしはロランスとは関係ない話を長々書いてしまいましたが(汗)、今作はみて損はない作品。ぜひご視聴をオススメします(`・ω・´)
愛は何も変えてくれない。だけど、愛してしまう、それが愛。
学校を休んで見た。
私はロランスと同じような人間だ。
ただ、まだ男で居る。
だけど、フレットに感情移入して
泣いてしまうことが多かった。
やっぱり性という人間の根本のことを
普通の人間が認めることは難しいのだと思った。
それが、当然なのだ。
レストランで怒るフレットのシーンで泣いた。
人間の残酷さを見た。
「ブルーバレンタイン」を思い出した。
いつだって、恋愛の終わりに
始まりのことを思い出す。
私だって知っていることだ。
最後がグッときた
長い映画で、構成も複雑でありながら、見事なまでにまとめ上げている。
かなり自由に、あらゆるイメージ映像が差し込まれているにも関わらず、妙な統一感があるのは、不思議というか、制作者側の技量というのか─。
とにかくグザヴィエ・ドランが想像したことを、純粋に表現しているだけの作品ではなかろうか。性に対する感覚が超越していて、“普通”とは違った性というものはドランにとってもはや対した問題ではなく、“普通”とは違っていることを当然のごとく物語の中に自然に織り込み、決して社会派的な映画になることなく、あくまでもピュアな恋愛映画として描ききっているところに非凡なるものを感じる。
発想をここまで自由に表現しつつ、なおかつ人の心を揺さぶるわけだから、ドランの評価が高いのも頷ける。
これからも彼に注目していきたい。
laurence, anyways.
邦題よりも、原題のほうが遥かにしっくりきます。(それはもちろんそうなるものなのですが)
わたしはロランス、というと、自分がロランスという人間であることを納得し主張するような、わたしはロランスなんだ、というようなニュアンスが出るけれど、それはちょっと違うと思います。
どうやっても、あれやこれやと努力をしても、結局は《ロランス》でしか存在し得ないってことだと思うんです。男か女かではもう存在に決着がつかないんだと思います。anyways、に映画中の出来事が全て詰められていて、これ以外のタイトルは無理だろうなと感じます。
タイトルにここまで納得した映画を久しぶりに見ました。
監督の芯
「マミー」を上映しているシネツイン本通りで、同じ監督の作品を上映するということで、本作品を鑑賞。
タイトルはもちろん知っていたが、スクリーンで観れるとは!ということで、始まる前からかなり興奮。
教師として安定して働くロランス、恋人のフレッド。ある日ロランスは、フレッドに「女になりたい」と、性同一性障害であることを告白する。
悩んだ末、ロランスを支えることを選ぶフレッド。
体は男と女で、心は女と女で…。二人の間の強い愛も、複雑な関係によってすぐもろくなってしまう。
しかし、喧嘩別れしたあとしばらくして、何もなかったかのように会って愛を確かめ合う…
正直、いつハッキリするんだろうかと思った。付かず離れずの回数が多すぎるし、後半の間延び感は否めない。
子供を捨てるのはよくないが、ロランスがフレッドの家に迎えに行って、「これから愛の逃避行を始めるぞ!」というシーンでカラフルな服が降ってきて、ロランスがフレッドにキスをする…ここで終わりならすごく納得する。
長い映画ならそれだけいろいろ詰め込んでくれないと気力が持たない。
この監督の水を使った演出は結構好きです。
スペシャル
私が発する言葉を理解し、同じ言葉を話す人を探すこと。自分自身を最下層に置かず、マイノリティーの権利や価値だけでなく、“普通”を自認する人々の権利や価値も問う人を……
…愛がすべてを変えてくれたらいいのに……
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ミニシアターでしか上映していないなんてもったないなさすぎる…!
シンプルに言ってしまえば、女になりたい男の話。でも、ただのトランスジェンダーの話じゃない。壮大なメロドラマ。3時間近い長尺映画だけど間延びしてない。
こんなにも人の機微を美しく表現できるなんて。なんと監督は若干24歳だという。本人もゲイだと公表しているから自伝的な部分もきっとあるのだろう。
自分らしくあることを考え、どんなに自由を求めても、しがらみに囚われる自己と他者がいる。
何より恋愛は、対人との掛け合いであるから、殊更に惑う。相手の全てを理解することは出来ないし、かといって自分の生き方を曲げることも難しい。折り合いをつけることは、便利で生き易いだろう。だが、偽りの人生を送りたくない、と主人公は言うのだ。
女性が好きな男性。女性として生まれ心が男性の人。男性として生まれ女性として生き女性が好きな人。
多様性に溢れた世の中だ。抑制し鬱屈した社会ではなくなればいい。
何を普遍的として何を普遍的でないとするのだろうか。彼らはそれが普遍的で日常的なことなのだから。
そしてこう言うのだ。
私たちは"スペシャル"なのだと。
愛したい気持ちと自由への望みが矛盾する
愛してるでは物事は解決しないのだなぁ、という感想です。そんなセリフもありました。
自由に生きることと、愛することのどちらも諦めたくなかったふたりが、寄り添い、やがて別れてその後再会する物語。
シャツが舞ってる青空の逃避行とか、雪のなかのシーンとか、ラストの落ち葉舞う感じとかが、印象的なシーンだった。
24だか23だかの監督が撮ったとは思えない深みがあるように思った。そして監督がイケメンすぎ…
この映画にもでてたらしいけどそれは気づかなかった!
フレッドの髪型はあたしはいけてないとおもうよ。
見逃して見逃して、3度目の正直が叶って嬉しいです。
何かが起きると思った。だからついていこうと思った。
男、女、国籍、人種、社会的地位、年齢、いろいろあるが、
人間と人間が一緒になる理由は、こういうシンプルなことでいいんだと思う。
いろいろを越えても繋がりたいという想いは強く、観るものの心を強く打つ。
その想いの結果がどうなろうと。
わたしはわたしとして。
弱冠23歳の若さでこんな作品を撮ってしまう若手女性監督とは
一体どんな半生を歩んできた人なんだろうか?と思ってしまう。
大長編といえる168分の作品を(SFじゃないしね)描き切っている。
その映像美、男女の感情癖の巧妙な駆け引きの鋭さに感嘆。
自分の彼氏が実は性同一性障害を抱えていた、それを告白され、
じゃあ明日から女性になるからもう別れましょうね~とは簡単に
ふっきれないカップルのお話。そうなりながらも付き合いを続け、
葛藤と苛立ちを繰り返す二人。私的にこんな中途で性転換して
スパッと変わり身できる主人公が不思議でならなかったのだが、
(だって彼女とは性行為も普通にしていたんだからさ)これはバイ、
ってことか?とは思うが、如何せん、それを応援しちゃった彼女。
辛い目に遭うのはもう目に見えていたことなのだ。
10年に渡って別れと逢瀬を繰り返す二人だが、肝心の生活面では
すれ違って行く。ラストの二人の選択には胸が痛くなった。
彼らがやがてシニア世代になった頃を、ぜひ見てみたいと思う。
トリッキー!
○ジワる。
後から思い返すと「いい映画じゃん...」。
○主題より、映像構成が際立って素敵。
セレブや ヤンキーな
サブキャラも素敵。
○キーワードは「リスト作り」。
「何気ない中にある幸せ」の
描き方が絶妙。
○「わたしはロランス」。
...の強さが結局は好き。
楽しそうやんって軽く感じてしまったけど、ストーリーが進むにつれ、人...
楽しそうやんって軽く感じてしまったけど、ストーリーが進むにつれ、人と違うということの重さ、背負うことの苦しさ、またその先の幸せ、簡単じゃないって感じた。わたしもスペシャルに生きよう。ウィンク上手にできたらカッコイイなぁ。
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