「カメラもすごい」わたしはロランス きりんさんの映画レビュー(感想・評価)
カメラもすごい
どう撮りたいのか-
ドランは撮影班に伝える言葉を持っていることに感嘆する。
色彩と陰影の芸術性は目を見張るばかりだが、出演者の表情に迫り過ぎて肌の荒れやホウレイセン、眉間の深いシワに充血する目尻。
まだまだあるぞ、
瀕死のキューティクルや化粧の乗りの悪さも通して役者の心中までえぐってその人の生身を写しとる手腕。
うーん。なかなかだ。
"きれいごと"の映画ではないってこと。
だけどこれじゃあオファーを断る役者も、少なからずいるだろう(笑)
クルーも演者も全て年上ってさ、どんだけ~!
ドラン。
センセーショナル。
彼こそ《革命》と言ってよいのかもしれん。
久々に
《金を出して手元に置きたいDVDのリスト》に、僕は記入する。
で、昨夜観たけど、まだ膝がガクガクしてます。
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追記:
ラスト近く、降りしきるみぞれの中に飛び出していく母と子の姿・・・
ロランスと対峙する母親が、やっぱ「たかが世界の終わり」や「マミー」同様 物語の頂点に存在しているねー。
①母が主役です。断言。
⇒若いドラン自身に今まさに起こっている母離れ・子離れ、そして新たな母親との邂逅がここにも反映されているのだろう。
②そしてカフェであの怒号かましてくれた親友フレッド、いい味出してるし・・・
③となると、??
主役であるはずのロランスが三人の中では一番影が薄くなるという不思議。長男の甚六。
言いつけ通り(笑) 見終わるまできりんさんのレビューは拝見致しませんでした。
興奮が伝わって来ます。
感じた事を伝える手順のもどかしさ、みたいなものも。
とにかく 見てくれ!って訴えてるような。
私は 見て良かった、ではなく
見るべき作品だった と思いました。
トランスジェンダーについての「えーそうなんだ」ではなく、技法も含め映画が作品としての価値を持つ意味を考える物となりました。ありがとうございました
追記②:
ロランスはロランス=自分は自分、なのであって「男」とか「女」っていう他人があてがった枠や区別に縛られちゃいけなかったんですよ。我々も。
“性別”は、産科の医者と両親と世の中が決めたもので自分が決めたものではなかった事(!)
刷り込み、思い込みはなかったかなぁーって自分自身を省みるの、僕たちも必要かもです。